2021年7月26日

パナソニック汐留美術館「ブダペスト 国立工芸美術館名品展」 2021年10月9日(土)〜12月19日(日)

パナソニック株式会社の企業美術館、パナソニック汐留美術館は「ブダペスト 国立工芸美術館名品展 ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ」2021年10月9日(土)〜12月19日(日)まで開催いたします。

■ 開催趣旨

古くから、日本や中国の工芸品は西洋にとって憧憬の的でした。 とりわけ陶磁器やガラスの製品においては、日本や中国の工芸を手本として、材質、形状、装飾などの面で様々な試行錯誤が繰り返されてきました。19世紀後半、日本の美術工芸品がヨーロッパに流入すると、日本の文化に対する人々の熱狂を巻き起こし、西洋の工芸品やデザインに影響を与えるようになります。 1854年の開国以降、日本では欧米との貿易に拍車がかかり、ヨーロッパやアメリカの愛好家の求めに応じて多くの美術品や工芸品が輸出されました。日本の文化、また日本そのものに対する憧れによって、ジャポニスムは西洋の作家やデザイナーたちの間で流行のスタイルとなったのです。その影響は、19世紀末の西洋諸国を席巻したアール・ヌーヴォー様式の作品にも大いに見られます。そして、ヨーロッパ諸国の他の工芸美術館と同様、ブダペスト国立工芸美術館も1872年の開館当初から、ジャポニスム様式の作品とともに日本の漆器や陶磁器を始めとする日本の工芸品を積極的に収集してきました。 本展覧会は、日本の美術を西洋がどのように解釈したか、そして日本の美術や工芸がどのようにして西洋に影響を与えたか、そのありようを19世紀末葉から20世紀初頭までの工芸作品の作例を通じて辿るものです。ジャポニスムとアール・ヌーヴォーをテーマに、ブダペスト国立工芸美術館のコレクションからエミール・ガレ、ルイス・カンフォート・ティファニーらの名品とともに、ジョルナイ陶磁器製造所などで制作されたハンガリーを代表する作品群を含めて約170件(約200点)をご紹介いたします。

■ 企画展概要

名称
「ブダペスト 国立工芸美術館名品展 ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ」
会場
パナソニック汐留美術館東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4F JR「新橋」駅より徒歩約8分、東京メトロ銀座線・都営浅草線・ゆりかもめ「新橋」駅より徒歩約6分、 都営大江戸線「汐留」駅より徒歩約5分
会期
  • 2021年10月9日(土)~12月19日(日)
主催
パナソニック汐留美術館、毎日新聞社
後援
ハンガリー大使館、ハンガリー文化センター、港区教育委員会
協力
ルフトハンザ カーゴ AG、ルフトハンザ ドイツ航空会社
企画協力
アートインプレッション
休館日
水曜日 ただし11月3日は開館
開館時間
午前10時より午後6時まで(ご入館は午後5時30分まで) ※11月5日(金)、12月3日(金)は夜間開館を実施致します。午後8時まで開館 (ご入館は午後7時30分まで)
入館料
一般:一般:1,000円/65歳以上:900円/大学生:700円/中・高校生:500円/小学生以下:無料 ◎障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料でご入館いただけます。

 


入館方法
新型コロナウイルス感染症拡大防止のため日時指定予約にご協力をお願いします。
詳しくは当館ホームページをご覧ください。

 

お問い合わせ先

報道関係者様
パナソニック汐留美術館 倉澤  (電話:03-6218-0078
お客様
ハローダイヤル050-5541-8600
関連サイト
https://panasonic.co.jp/ls/museum/

■展覧会の見どころ

1.欧米における工芸のジャポニスムおよびアール・ヌーヴォーの展開を、
 ブダペスト国立工芸美術館のコレクションでたどる

19世紀後半のヨーロッパで、日本の美術や工芸の影響を受けた作品が様々な分野で作り出されるようになった現象のジャポニスムは、やがてアール・ヌーヴォーの源泉ともなります。工芸においても、イメージの模倣から始まり日本の装飾技法の研究を通じて、その魅力の根底にある自然へのまなざしや素材自体の効果を学び、探求が行われます。本展ではその様相を多数の優れた作例によってご紹介いたします。

 

2.ミントン社、エミール・ガレ、ドーム兄弟、ルイス・カンフォート・ティファニー、
 ビゴ社、ベルリン王立磁器製作所などの名品

ブダペスト国立工芸美術館の陶磁器ガラス部門から、国際的にも名高いアール・ヌーヴォーのコレクションをお目にかけます。これらには、19世紀末から20世紀初頭、作家や工房からの直接購入や、1900年のパリ万博での購入など、同時代の名品として集められてきた作品が多くあります。 本展には収蔵以来の初公開作品や、国内外の展覧会から出品依頼の絶えないスター作品が選ばれて展示されます。

 

3.ハンガリーの名窯ジョルナイ陶磁器製造所の名品が多数出品

ハンガリアン・アール・ヌーヴォーにおいて大変重要な工房のひとつであるジョルナイ陶磁器製造所が制作した48件(56点)の作品が出品されます。 ジョルナイ独自のエオシン彩が施された作品だけでなく、ファイアンスフィーヌのティーセット、結晶釉けっしょうゆうの壺、炻器せっきによる水差しなど多彩な素材と装飾で幅広くジョルナイの魅力を感じていただけます。

 

■ブダペスト国立工芸美術館 紹介

ブダペスト国立工芸美術館は、ロンドン、ウィーン、ベルリンにおける工芸美術館の設立に続き、1872年に創設され、設立以来、古今東西の工芸品の収集に当たり、当初、ハンガリー国立博物館から引き継いだ世界の古美術品からなる「歴史コレクション」と、万国博覧会における購入品(1873年のウィーン万博、1878年と1889年のパリ万博)及び有名企業(ヘレンド製陶所、ジョルナイ陶磁器製造所)からの寄贈品からなる「同時代のコレクション」を基としていました。1896年、ハンガリー建国千年祭の最終行事として、オーストリア・ハンガリー二重帝国皇帝フランツ・ヨーゼフを迎え、エデン・レヒネルの設計による工芸美術館の新しい建物が開館しました。初代館長ジェルジュ・ラート(1828-1905)と第二代館長イエネー・ラディシッチ(1856-1917)が築いた国内外の幅広い人脈を通して、工芸美術館は第一級の工芸品を収集することとなり、美術館のアール・ヌーヴォー・コレクションの基礎は、主に1900年にパリで開かれた万国博覧会や館内で毎年開催されていたクリスマス展覧会で買い上げた作品によって築かれたのです。 20世紀後半からは、ハンガリーの現代作家の作品を中心として収集が行われています。現在、工芸美術館は大規模な改築工事中で、リニューアル後、中央ヨーロッパで最も刺激的で魅力に溢れた美術館として再び開館予定です。ブダペスト国立工芸美術館外観

Column 本展で注目の技法~ラスター彩とエオシン彩~

陶器の器表を金属的な光沢で輝かせる上絵付をラスター彩といいます。様々な金属ラスター顔料を泥漿でいしょうと混ぜ、これを既に釉薬ゆうやくを掛けて焼成した器体きたいに塗布し、基礎釉が熔けやすく柔らかくなるまで本焼成より低い温度で再焼成することで独特の輝きが現れます。 本展の見どころである、ジョルナイ陶磁器製造所の作品の多くには、このラスター彩による装飾が施されていますが、ジョルナイのラスター彩には「エオシン彩」という特別な呼称があるのです。ヴィンツェ・ヴァルタとヴィルモシュ・ジョルナイの二人が開発し、最初の実験に成功した際の銅ラスター彩が、金属光沢のある赤色で暁の太陽の色に似ていたことから、ギリシア神話の曙の女神エオス(Eos、ローマ神話ではアウロラ)にちなんで命名されました。その後、ジョルナイの工房で施されるラスター彩の全てをエオシン彩と呼ぶようになっています。

 

第1章 自然への回帰  - 歴史主義からジャポニスムへ

展覧会の最初の章では、日本美術の影響が認められるヨーロッパの作品の中でも、最も強くその影響を受けたジャポニスムの初期段階の作品を紹介します。作品にみられる日本的な装飾や直線的で平面的な表現、大胆な構図が特徴といえます。その一方で、偶発性の美の追求にはまだ至らず、設計通りにほぼ完璧に仕上げられた作品の作りや、描かれたモチーフに一定の距離を置く姿勢、事前に入念に計算された装飾の効果の点で、これらの作品は、西洋の美術様式としては歴史主義につながるものとされます。 《菊花文花器》エミール・ガレ 1896年頃 ブダペスト国立工芸美術館蔵

第2章 日本工芸を源泉として  - 触感的なかたちと表面

西洋では陶器を覆う釉薬や顔料は一つひとつの装飾に合わせて配合し、完璧な仕上がりとなった作品が高く評価されてきました。これに対して、東洋では釉薬の芸術的な効果を達成するための条件を整えた上で、なおかつ焼成中に起こる予期せぬ事態や偶発性に自由な創作の余地を残しています。このような東洋の陶磁器の影響を受けて、多くのヨーロッパの工芸作家たちは、特別で特殊な色合いを求め、釉薬を様々に配合し、色と斑紋の組み合わせや光、美しい効果をうみだす釉薬の実験を重ねて成功します。 本章ではそれら特徴的な表面の装飾を持つ作品を紹介します。

《結晶釉花器》ジョルナイ陶磁器製造所 1902年 ブダペスト国立工芸美術館蔵

 

第3章 アール・ヌーヴォーの精華  - ジャポニスムを源流として

ジャポニスムの作品は文学や絵画、グラフィック、工芸などの分野でつぎつぎと誕生し、その考え方や表現技法は、西欧の唯美主義運動とも連動するものでした。やがてジャポニスムはアール・ヌーヴォーの源泉のひとつとなって芸術のあらゆる領域へと広がりを見せるようになります。 本章では、多数出品される陶磁器やガラス作品を特徴に基づいて、花、表面の輝き、伝統的な装飾モチーフ、鳥と動物の4つに分類して紹介いたします。 《孔雀文花器》ルイス・カンフォート・ティファニー 1898年以前 ブダペスト国立工芸美術館蔵

第4章 建築の中の装飾陶板  -1900年パリ万博のビゴ・パビリオン

陶器は数千年前から壁や屋根の建築資材として、あるいは壁を装飾するカバータイルとして使われてきました。19世紀末になると、この歴史に新たな章が加わります。工場生産の導入によって、より大きなサイズの陶板の製造が可能となり、柱や支柱、アーチ、アティック(上屋うわや)などを飾る陶板や、壁のカバータイルなどとして様々な陶器が作られ、鉄筋コンクリート構造の建造物を装飾しました。 本章で紹介する作品は、フランスでの陶芸においても極めてユニークな建築用陶器群、いわゆるビゴ・パビリオンの建築装飾の一部です。1900年に開催されたパリ万国博覧会のために建築家ジュール・ラヴィロットが設計し、建設されたパビリオンで、この万博でグランプリを受賞した後にブダペスト国立工芸美術館館長が買い上げました。他方、ハンガリーのジョルナイ陶磁器製造所は、芸術的な装飾品の製造において第一級であったばかりか、数百種に上る建築用装飾陶器も製造していました。それらは傑出した建築家や彫刻家の作品であったのです。 ここでは、ジョルナイ陶磁器製造所が製造した陶器の中からフリーズ用タイルの一部もご紹介します。 《牡牛図フリーズ装飾陶板(ビゴ・パビリオンの一部)》 デザイン:ポール・ジューヴ ビゴ社 1898-1900年 ブダペスト国立工芸美術館蔵

第5章 もうひとつのアール・ヌーヴォー  - ユーゲントシュティール

アール・ヌーヴォーはヨーロッパにおける最後の普遍的美術様式と見なされており、ふたつの潮流から成っています。ひとつは、植物的アール・ヌーヴォーないしはフロレアル・アール・ヌーヴォーと呼ばれるもので、もうひとつは幾何学的アール・ヌーヴォー、いわゆる「ユーゲントシュティール」です。後者は、主にドイツ語圏で発展しました。ユーゲントシュティールの作品は、直角や幾何学的なディテールが特徴で、シンメトリーや様式化された植物モチーフがしばしば使用されています。 本章で展示される蘭の花で豪華に飾られたティーセットは、植物的な要素と幾何学的な要素を併せ持つ両様式の境界上にある作品ですが、背景に描かれた縞模様や格子模様からは日本美術の影響もみることができます。 《植物文花器》ベルリン王立磁器製作所 1910年頃 ブダペスト国立工芸美術館蔵

第6章 アール・デコとジャポニスム

本章ではアール・ヌーヴォーに続く様式のアール・デコに典型的な作品を紹介します。アール・デコにおいて、アール・ヌーヴォーの植物モチーフは変化し、著しく抽象的なものになります。くっきりとしたフォルムが現れ、しばしば色彩が重要な役割を果たします。豪華でエレガントなスタイルのアール・デコには数多くの新しい素材が使われます。 本章で紹介される作品は、日本の影響がアール・ヌーヴォーを超えて存続したことを教えてくれるでしょう。例えば、ガラスの層の間に薄い金箔が裂けたように美しく広がる器は、蒔絵の漆芸品に着想を得たきわめてモダンな作品といえるでしょう。 《多層間金箔封入小鉢》ドーム兄弟 1925-1930年 ブダペスト国立工芸美術館蔵

 

■関連イベント

開催記念講演会
講演テーマ:「日本工芸とジャポニスムおよびアール・ヌーヴォー」

 講 師 : 木田拓也 氏 (武蔵野美術大学教授、本展監修者)  日 時 : 2021年11月3日(水・祝) 午後2時~午後3時30分  定 員 : 50名(要予約)  会 場 : パナソニック東京汐留ビル 5階ホール

 

「講演会」の予約方法

《お申し込み方法》 ●ハローダイヤル(050-5541-8600)へお電話にてお申し込みください。 ●10月9日(土)より受付開始(受付時間:午前9時〜午後8時) ●必要事項 ①イベント名 ②参加人数(一度に2名までお申し込みいただけます)    ③氏名(全参加希望者) ④住所 ⑤電話番号 *聴講は無料ですが本展の観覧券(半券)と予約が必要です。 *ご予約の際は簡単なアンケートにご協力いただきます。 *当日は予約時にお知らせする整理番号を活用してご入場いただきます。 *お申込み時にいただいた個人情報は、本イベントの受講管理の目的でのみ使用し、  参加希望者はこの目的での使用に同意したものとします。 *予約受付は先着順で、定員になり次第締め切ります。 *定員に達しなかった場合、当日受付をする場合があります。 *未就学児はご遠慮ください。 *イベント実施につきましては、事前にホームページにてご確認ください。

 

オンラインギャラリートーク「展覧会のツボ👍」

【配信予定日】  10月31日(日)午後3時~  11月2日(火)昼12時30分~  11月4日(木)午後7時~ ご自宅のパソコンやスマートフォンからご視聴いただけます。 詳細は公式ホームページからご確認ください。

 

ご参考

■ パナソニック汐留美術館 概要

展示室: 面積:333㎡ 天井高さ:3.7m ルオー・ギャラリー:フランスの画家ジョルジュ・ルオーの作品を常設展示。           ルオーは独特の太い描線、厚く塗り込められた絵の具、ステンドグラスを想わせる光り輝く色彩で、           道化師や裁判官、聖書風景などを描き続けました。           当館の所蔵作品よりテーマ展示を行います。(ジョルジュ・ルオー所蔵作品数:約240点) ミュージアムショップ: パナソニック汐留美術館オリジナルグッズをはじめ、各展覧会に合わせた関連書籍、グッズなどを販売。           ショップのみのご利用も可能です。