2020年10月2日

「分離派建築会100年展 建築は芸術か?」 2020年10月10日(土)~12月15日(火)

パナソニック株式会社の企業美術館、パナソニック汐留美術館は「分離派建築会100年展 建築は芸術か?」2020年10月10日(土)~12月15日(火)まで開催いたします。

■ 開催趣旨

大正時代、日本の建築界に鮮烈なインパクトをもって現れた新星たちがいました。日本で最初の建築運動とされる分離派建築会です。明治以降に日本に移入された西洋の様式建築の学習は、明治末期にはほぼ達成され、最新の建設技術にふさわしい新しい建築のあり方が模索されていました。 そうしたなか、1920(大正9)年、東京帝国大学(現・東京大学)建築学科の卒業をひかえた同期6名、石本喜久治、瀧澤眞弓、堀口捨己、森田慶一、矢田茂、山田守は分離派建築会を結成します。 彼らは「過去の建築圏からの分離」を宣言し、学内の第二学生控所で習作展を、続いて白木屋で第一回作品展を開きます。その革新的な内容は同世代の建築家や学生たちの注目を集めました。 さらに大内秀一郎、蔵田周忠、山口文象が加わり、1928(昭和3)年の第七回まで作品展を重ね、出版活動を展開していきます。そして1922(大正11)年に東京・上野公園を会場に開催された平和記念東京博覧会での展示館の設計からはじまり、次第に住宅、公共的建築、商業建築などの実作を通し、彼らの考える建築の芸術を世に問います。 結成から100年目の2020年。本展は、図面、模型、写真、映像、さらには関連する美術作品計160点によって、変革の時代を鮮やかに駆け抜けた彼らの軌跡を振り返ります。分離派建築会が希求した建築の芸術とは何か。 日本近代建築の歩みのなかで果たした彼らの役割を、新たな光のもとに明らかにしていきます。

■ 企画展概要

名称
「分離派建築会100年展 建築は芸術か?」
会場
パナソニック汐留美術館東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4F JR「新橋」駅より徒歩約8分、東京メトロ銀座線・都営浅草線・ゆりかもめ「新橋」駅より徒歩約6分、 都営大江戸線「汐留」駅より徒歩約5分
会期
2020年10月10日(土)~12月15日(火)
主催
パナソニック汐留美術館、朝日新聞社
後援
一般社団法人日本建築学会、公益社団法人日本建築家協会、
一般社団法人DOCOMOMOJapan、建築史学会、港区教育委員会
協賛
株式会社 アール・アイ・エー、株式会社 石本建築事務所、株式会社山田綜合設計
協力
一般財団法人デジタル文化財創出機構
学術協力
分離派100年研究会
会場構成
木村松本建築設計事務所
休館日
水曜日
開館時間
午前10時より午後6時まで(ご入館は午後5時30分まで)
入館料
一般:800円/65歳以上:700円/大学生:600円/中・高校生:400円/小学生以下無料 20名以上の団体:各100円割引 障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料でご入館いただけます。

*会期中、一部展示替えします。前期10月10日~11月10日、後期11月12日~12月15日。  11月12日以降に再入場の際は、前期半券ご提示で100円割引となります。  展示替えの詳細はHPにて10月10日以降発表いたします。 ◎本展は京都国立近代美術館に巡回します。[2021年1月6日(水)~3月7日(日)]

お問い合わせ先

報道関係者様
パナソニック汐留美術館 倉澤、杉本  (電話:03-6218-0078
お客様
ハローダイヤル03-5777-8600
関連サイト
https://panasonic.co.jp/ls/museum/

■ 展覧会の見どころと特徴

1.100年後のいま、分離派建築会を再検証!

分離派建築会は、明治時代の様式建築と1930年代以降のモダニズム建築をつなぐミッシング・リンクを解き明かす大正時代の建築運動です。 100年後のいま、分離派建築会の日本近代建築史上の位置づけを再検証する展覧会です。

2.1920年代に出現した9人の新星たちを一挙紹介!

将来を嘱望される東京帝国大学卒の6人の立ち上げメンバーと、あとから加わった新メンバー3人。いずれも散会後はそれぞれ設計事務所の社長や大学教授といった要職につき、日本の建築界で重要な役割を担いました。 本展は、全員にスポットをあて彼らの活動と作品を紹介します。

3.会場は「紙」から着想を得て分離派建築会の「創作」と「実作」が交錯する空間

分離派建築会の会員たちが展開した作品展と出版活動を象徴する「紙」から着想を得て、京都を拠点とする木村松本建築設計事務所が会場構成を担当します。

 

※ご来館のみなさまに安心してご鑑賞いただけますよう、本展も新型コロナウイルス感染症の  拡大防止策を行った運営をしてまいります。詳しくは当館ホームページをご覧ください。

 

Ⅰ 迷える日本の建築様式

明治から大正、自由主義の機運が高まるなか、西洋の様式建築の習得は一段落し、日本独自の建築とは何か、と模索が始まります。 当時の教育資料や、同じように過去様式からの分離をめざした欧州における芸術運動の受容である「セセッション式」の流行を反映する建築に関する資料や家具の展示を通し、分離派建築会の結成前夜を概観します。

 

Ⅱ 大正9年「我々は起つ」

分離派建築会を旗揚げした東京帝国大学の卒業生6人は、建築を実用とみなす論調に対して、建築は芸術だと訴えます。卒業時の設計課題のテーマは学生に任されていたため、彼らが自らの主張を表現する好機となりました。 大正9(1920)年7月、東京の白木屋における第一回作品展で彼らが発表した卒業設計から、当時の人々を圧倒した迫力ある大作を紹介します。 山田守 卒業設計 国際労働協会 正面図 1920(大正9)年 東京大学大学院工学系研究科建築学専攻 [展示期間 : 10月10日−11月10日]

 

Ⅲ 彫刻へ向かう「手」

欧州の新時代の彫刻は彼らの創作意欲をかき立てました。 白樺派によって紹介されたロダン、それに続く表現主義の彫刻を、石本喜久治がヨーロッパから持ち帰ったW.レームブルックやO.ヘルツォークによる彫刻などで紹介します。そして彼らの先輩にあたる岩元禄による「旧京都中央電話局西陣分局」他、彫刻に触発され制作した建築の習作の数々を紹介します。 瀧澤眞弓 《山の家》 模型 1921(大正10)年 再制作:1986年、瀧澤眞弓監修

 

Ⅳ 田園へ向かう「足」

都市の大衆文化から離れた農村に、彼らは新しい暮らしの夢を見ました。 「田園」をテーマに、堀口捨己による茅葺屋根を持つ洋館「紫烟荘」や、『近代英国田園住宅抄』を執筆した蔵田周忠が手がけた住宅作品を紹介します。 また瀧澤眞弓が同郷の画家、山本鼎の農民美術運動のために設計した研究所も、農民美術の作品と併せて紹介します。 堀口捨己 紫烟荘 1928(昭和3)年 『紫烟荘図集』(洪洋社)所収、東京都市大学図書館

 

Ⅴ 構造と意匠のはざまで

関東大震災からの復興を目指す東京で、分離派建築会会員も実制作の機会に恵まれます。山田守が逓信省※で設計した東京中央電信局、石本喜久治による東京朝日新聞社などの公共的建築、森田慶一による京都大学楽友会館他を紹介します。 構造の合理性と建築の美しさは一致するのか―新たに生まれた葛藤は、建築の本質に迫る問いでもあります。 ※現・日本郵便、日本電信電話、総務省 山田守 東京中央電信局竣工 1925(大正14)年 郵政博物館

 

森田慶一 京都大学楽友会館 1925(大正14)年 撮影:2020(令和2)年、若林勇人

 

Ⅵ 都市から家具、社会を貫く「構成」

昭和になり、白木屋百貨店など都市的スケールの建築をも手がける一方で、彼らはモダニズム思想を吸収し、実生活への関心も深めます。 本章では、堀口捨己による小出邸や、蔵田周忠による旧米川邸で用いられていた家具を紹介します。建築と家具、両者に見られる線や面を強調したデザインに通底する「構成」に注目します。 石本喜久治、山口文象 白木屋百貨店 透視図 1928(昭和3)年 石本建築事務所

 

Ⅶ 散開、それぞれのモダニズム建築

彼らの展覧会活動は、1928(昭和3)年の第7回が最後となりました。 結成から8年、実社会に根ざした建築家となった9人は、ナショナリズムと社会主義とのはざまで建築の原点を自問します。 山田守、蔵田周忠、山口文象はあいついで渡欧し、最新のモダニズム建築と出会います。 分離派建築会が散開し、次のステップへと旅立って行く彼らの1930年代の各作品を紹介します。

 

ご参考

■ パナソニック汐留美術館 概要

展示室: 面積:333㎡ 天井高さ:3.7m ルオー・ギャラリー:フランスの画家ジョルジュ・ルオーの作品を常設展示。           ルオーは独特の太い描線、厚く塗り込められた絵の具、ステンドグラスを想わせる光り輝く色彩で、           道化師や裁判官、聖書風景などを描き続けました。           当館の所蔵作品よりテーマ展示を行います。(ジョルジュ・ルオー所蔵作品数:約240点) ミュージアムショップ: パナソニック汐留美術館オリジナルグッズをはじめ、各展覧会に合わせた関連書籍、グッズなどを販売。           ショップのみのご利用も可能です。