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防滴・耐振。タフなビジネスパソコン
TOPへ 第一話 壊れないPCを作りたい! 第二話 タフなツールの代名詞を探せ 第三話 潜入!タフブックの実験棟

第二話 タフなツールの代名詞を目指せ
“タフ”を名乗れるスペックとは

山田氏、原田氏をはじめとするスタッフ全員の熱意と根性でもって、1996年「タフブック」シリーズの第一号機となる「CF-25」は世界デビューを果たした。念願の独自コンセプト商品の立ち上げである。その性能は?市場の反応やいかに!?と、はやる私に、デザイナーの堀木氏はこんな質問を投げかけてきた。
 
「“タフなモノ”と言われて、何を思い浮かべますか?」
 
“タフなモノ”・・・。と、いきなり言われても、私の頭の中はもうすでに「タフブック」で一杯。強いて思いつくのは、「G-Shock」や「ゼロハリバートン」などだろうか?堀木氏は私の答えに大きく頷いた。
 
「そうなんです、そういう“タフ”の代名詞になっているようなブランドと、肩を並べられるくらいのプレゼンスをタフブックも持てるように、そんな思いでこのシリーズに関わってきました」
 
かけがえのないデータを堅牢ボディで守り抜く「タフブック」。そのコンセプトに説得力を持たせ、「タフの代名詞」の仲間入りをさせるに値する具体的なスペックはどんなものだったのか?堀木氏によれば、従来「取り扱い注意」の代名詞のように思われていたノートPCを、人々に「タフなモノ」と言わしめるためには次の4つが欠かせない。耐衝撃耐振動防滴防塵だ。
 
「まずは落下などの衝撃に強いこと(PCが壊れる原因の第一位は、“運搬中の落下”。第一話のコラムを参照)。CF-25は、その耐落下高度が70cmでした。当時、ノートPCでこの高さからの落下に耐えられるものはなかったんじゃないでしょうか」
 
70cmというと、ちょうどオフィスの机上から床までの距離。脚でうっかりコードを引っ掛けて本体ごと床に直撃!という悲惨なことが起きても、最悪の事態は避けられるわけだ。堀木氏によれば、最新の機種によっては90cm〜120cm落下にまで耐えられる。これは「ノートPCを抱えて歩いていて、うっかり落としてしまった時」の高さをターゲットにして、さらに進化させた結果だそうだ。
 
「それと同時に重要なのが耐振動性。ビジネスにおける車での移動が多い欧米では、助手席にノートPCを無造作に放り出して長距離を移動することもザラです。車の振動というのは不規則かつ持続的で、精密機器には結構負担が大きいんですよ。そんな細かい揺れにさらされ続けても、動作に影響が出てはいけません」
 
さらに重要なのが、防滴性、そして防塵性
 
「トラブルの原因を調べると、オフィスでもキーボードの上にコーヒーをこぼしたり、屋外で突然の雨に降られたりといった理由も多かったんですね。ですから、水や塵が入り込む余地を作らない、ということには気を使いました」
 
私も実際にCF-25をチェックしてみた。側面を見ると、各種ポートやジャックなどの開口部は全てカバーで覆われている。最新モデルのCF-18では、開口部一つ一つにラバーのシーリングが施され、より個々が保護されるようになっている。でも、キーボードにはたくさん隙間があるみたい・・・。
 
「上の部分を取り外せばわかりますが、キーボードの上に水がこぼれてもキープレートの下に入るだけで、CPUやハードディスクがある肝心の内部構造とは完全に遮断されているんです(詳細は第3話でご紹介)」
 
なるほど、「タフブック」は全身まさにアリどころか、水滴の入り込む隙間もない、のであった。

取材・文=西村 奈津子

取材・文=西村 奈津子
ノートPCを抱え、日々奔走するコピーライター。
PCにコーヒーをこぼし、取り返しのつかない事になった知り合い多し。このたび出会った防滴・防塵・耐振設計の堅牢PCに興味津々。


「タフブック」シリーズ第1号機となったCF-25。

「タフブック」シリーズ第1号機となったCF-25。

パナソニック AVCネットワークス社 副社長 山田喜彦氏

● 山田 喜彦氏
パナソニック
AVCネットワークス社副社長
当時の海外営業部長として「タフブック」というブランドの立ち上げに尽力した、まさにシリーズの生みの親。


ITプロダクツ事業部 原田 秀昭氏

● 原田 秀昭氏
ITプロダクツ事業部 海外法人PC事業担当 カテゴリーオーナー
イギリス、アメリカでの営業経験を通じて「タフブック」の目指すべき方向性の確立に貢献。製品が使用される世界中の現場を、自らの足で体験して周る。


意匠技師 堀木 敏生氏

● 堀木 敏生氏
パナソニックデザイン社 パナソニックデザイングループ プロ&ビジネスデザインチーム 意匠技師
入社2年目にして、シリーズ第一号となった「CF-25」のデザインを手がける。「デザインは、あくまでもファンクションを表現するものであること」という彼の信念が、現モデルの意匠にも脈々と受け継がれている。


全てカバーで覆われているCF-25の側面。

CF-25の側面。全てカバーで覆われている。

最新モデルのCF-18。

こちらは最新モデルのCF-18。
開口部一つ一つにラバーシーリング付きのカバーがある。

アメリカ横断!パトカーハイテク化作戦

いわゆる精密機器が苦手とするものに対して、ここまで真っ向から挑んだ商品を私は見たことがない。私が経費削減に勤しむ経営者なら、即採用したいところである。でも、実のところはどうだったのだろうか。営業部隊を引っ張ってきた原田氏に、そのあたりを聞いてみた。
 
CF-25の完成と時期を同じくして、アメリカで“警察車両をPCで情報化する”、という国をあげてのプロジェクトが立ち上がったんですよ。あまりのタイミングの良さに、最初は信じられませんでしたね」
 
アメリカでは当時、パトカーと本部のコミュニケーションは無線だけで行われていたそうだ(そういえば、昔テレビで見た刑事ドラマでも、無線でやり取りするシーンは定番だった)。しかし、年を追う毎に犯罪は多様化・増加する一方。そこで当局は、パトカーの機動力向上によって対抗を図る事にした。その具体策がPC搭載によるパトカーのハイテク化である。
 
「パトカーが情報武装することで得られるメリットは数え切れないほどあります。不審車両のナンバーや現場急行時の地図といった情報が瞬時に確認できるわけですからね」
 
そういうわけで当局が探していたPC像に、CF-25はピタリとはまった。「このチャンスを逃す手はない!」顧客との距離が一番近いのが信条の原田氏ら。早速、現地米国販売会社と共に警察専用の営業部隊を立ち上げた。そんな自由な動きが許されたのも、「現場主義」を貫こうとする彼らの熱い信念あってのことだった。
 

「アメリカは連邦制ですから、各州警、自治体警察それぞれ個別にアプローチするんです。朝から晩まで、毎日毎日。アメリカ全土で2000箇所以上は売り込みをかけたんじゃないでしょうか」
 
2000箇所以上!?しかもアメリカの広大な土地を横断しながら、である。私は想像しただけでバテてしまった。ともかく、原田氏らの緻密かつそれこそ「タフな」営業活動のおかげで、CF-25はあちこちの警察で採用され始めることになる。そして次のような言葉に、私はまたもや度肝を抜かれることになった。
 
「タフブックに、銃撃戦の跳弾(他の場所に当たって、跳ねかえった弾丸)がヒットしたが、それでもちゃんと動作した!・・・嘘かホントか、こんな評判が広まりましてね」
 
第一話横転したパトカーの写真をご覧いただいたが、「タフブック」は弾丸までも浴びていたのである!!
 
「その評判のおかげで、警察だけに留まらず、FBIなど、国家機密レベルの情報を扱う政府機関にも続々とタフブックの採用が決まっていきました」
 
まさに、「頑丈PC」を求める潜在マーケットの可能性に賭けた、原田氏らの読み通りの結果となったわけである。

白バイやポリスバイシクルにも搭載されている、タフブックのコンパクトモデル。

近年は白バイやポリスバイシクルにも、タフブックのコンパクトモデルが搭載されている。

ああ無情…の「アウト宣告」に奮起

しかし、喜んでばかりもいられない。モデルチェンジの激しいPCの世界。他社の追随を許さないためにも、顧客先への入念なリサーチが続けられた。原田氏らは次期モデルの開発を進め、2年後に後継機種のCF-27が世に出ることになる。その頃には、「タフブック」という名前は、文字通り「タフの代名詞」ブランドとして欧米に認知され、各地で引っ張りだことなったのであった。めでたしめでたし・・・と行きたい所だが、ヒット商品の例にもれず、発展の影に涙あり。納入先が多岐に渡るほど、PCが使われる環境も千差万別となり、時には開発陣の想像もしなかった事件(?)が生じてしまうものだ。原田氏は、米国警察と商談を進めていた時のウラ話を教えてくれた。
 

CF-25の後継機種、CF-27。

CF-25の後継機種、CF-27。

メンテナンス性・セキュリティ性も向上したCF-27。

ドライバー無しでバッテリー交換やHDDの取り出しができるなど、メンテナンス性・セキュリティ性も向上した。
「パトカーによる闇夜の張込み時でもPCが使えるように、“バックライトで光るキーボード”を開発した時のことです。きっと喜ばれるだろうと思っていたら、彼らは一目見るなりダメ出し。“手元がこんなに明るく光ると、張込み中に狙撃されちゃうよ”。さすがにそこまでは想像ができませんでしたねえ」
 
ここで聞かせてもらうには面白おかしい話だが、確かに彼らにとっては、命に関わる問題である。「タフブック」が活躍するフィールド=最前線という意味を改めて再認識させられるエピソードといえよう。そして2号機CF-27がデビューしてしばらくたったころ、原田氏はまた大きな問題にぶつかった。
 
「ある政府機関に納入させてもらうために、製品の採用試験を受けていた時のことです。場所はアリゾナの砂漠地帯。それが想像以上に過酷だったんですねえ」
 
アリゾナ州では、夏場の気温が40℃を軽く越える。その日も地上には灼熱の太陽光が照り付けていた。炎天下の中、何時間にも渡ってテストを受けていたCF-27、その液晶画面が突然真っ黒に変色してしまい、何も見えなくなってしまった。液晶がオーバーヒート(?)してしまったのだ。
 
 
「“ユー・アー・アウト!”なんて言われちゃいましてね。これはまたやり直しだな、と」
 
だが原田氏は、すぐにこう付け加えた。どんな結果であれ、お客様の反応を自分で直接見聞きできることが、我々が確立してきたダイレクトな営業スタイルのメリットだと。

バックライトで光るキーボード。

車載用にモディファイされたタフブック。ちなみに「光るキーボード」は、地下道など手もとが暗い場所で作業するワーカー達にも好評を博している。

 
「その時も、液晶がなぜ変色してしまったのか、すぐ日本に結果を持ち帰って改良の手立てを考えました。もちろん、そこで頼りになるのが我々の技術陣です」
 
高温下で液晶がブラックアウトするというハプニングに見舞われた「タフブック」。次回は、その問題を見事解決してのけた技術スタッフをご紹介。そして日々モーレツな開発テストが行なわれている実験棟へ、いよいよ潜入!
 
第三話 「潜入!タフブックの実験棟」に続く。
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