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3章 魔法のハコ

予告
3章 魔法のハコ ナビゲーター 安藤アン真樹
ナビゲータープロフィール
プロローグ 1章 2章 3章 4章
全国のお水  
「沖縄の水ですか?」
とたまらず身を乗り出した島好きの僕。
 
「そうなんですよ。
沖縄の水道水にはカルシウムやマグネシウムといった
ミネラル成分が多く含まれているんです。
そうなると電気分解の効率が高くなる、
つまり電気が流れやすくなるのです。
沖縄の水の場合、それがあまりにも高いので電気分解をし過ぎてしまい、
電極板にすぐにカルシウム等が付着してしまう
といった事態が起ったんです」
 
その一因として、沖縄はサンゴ礁の隆起した島ゆえ、
サンゴから溶け出したカルシウム等のミネラル成分が
土壌や河川に溶け出すこと。
また周囲が海に囲まれているため、
海中のミネラル成分も影響を与えるといった理由が考えられる。
 
こういった島の気候や風土なんかは
僕アンとしても取材で特集することが結構多いので、
割りと詳しいジャンルなのだ(テヘへ、ちょっぴり誇らしげ)。
 
「ですから開発当初は沖縄の水道水を
うまくアルカリイオン水に生成することが、我々の課題となりました。
これをクリアしないと沖縄では販売できない、
言うならば、“打倒・沖縄の水”って感じでしょうか」
 
愛する沖縄の話に僕も興味津々。
それでは一体どのようにして、
彼等はこの電気分解し過ぎる水を攻略したのだろうか?
 
ここで小早川さんが“ここだけは君が答える?”と言わんばかりに、
“整水の達人”白水さんに目で合図を送った。
 
ということは、さてはデンキブンカイが関係してるな……?
 
「わかりました。では私がお答えしましょう!
ポイントとなったのは逆電、つまり電気を逆に流す方法です。
電気を逆に流すと、電極板の−極と+極が入れ替わりますよね。
 
するとそれまで−極板に付着、または付着しようとしていた


 
技術グループ 主任技師 小早川 和也 氏
浄水の達人こと
技術グループ 主任技師
小早川 和也 氏
“浄水”の達人は、全国の水質調査やろ過のシステムのことを、水への愛情たっぷりに話してくれた。

カルシウムイオン(Ca2+)や
マグネシウムイオン(Mg2+) などの+イオンは、
−極から+極に入れ替わった電極板と反発して、
反対側の電極版の方へ動いて行きます。
 
それと同時に電極板の周りを強い酸性雰囲気にして
付着したカルシウムやマグネシウムを溶かしてしまうんです。
 
その際の電流の強さや時間はどの位が適しているのか、
電気を逆に流す回数やタイミングはどうすれば良いのかなど、
様々な要素を考慮に入れて、何度も何度もくり返し実験を重ねました。
 
苦労の甲斐あって、カルシウム等のミネラル成分が
電極板に付着してしまうのを極力防ぐことができ、
こちらの意図するpH値のアルカリイオン水を
生成することができるようになったのです。
そう、ついに沖縄の水を攻略したんですよ!!」
 
「沖縄の他にもですね……」と、今度は小早川さんが切り出す。
 
「例えば四国のある地域の水も、
アルカリイオン水を生成するのに苦労しましたね。
とても清涼感のある水なのですが、
炭酸成分が含まれていてpH値が上がりにくい 。
水質的にアルカリ性になりにくいんです。
ここの水も舌触りがよくて、個人的には好きなんですけどね。
 
全国の水質を調査・研究すればするほど、
我々は難問にブチ当たっていったのです」

何度も何度も実験を繰り返し、意図するpH値のアルカリイオン水を生成することができるようになった
全国の水質データ ここで小早川さんが調査&研究をまとめた
全国の水質データを見せてくれた。
ブ厚いファイルに膨大な量のデータが取りまとめられている。
これでもデータはほんの一部というからビックリだ。
 
「ですから日本全国、いろいろな場所に出向いて水質調査を行いました。
それこそ駅の構内から、公園の水までね。
 
水って時間が経過すると揮発性の成分が抜けたり、
空気の影響を受けたりして水質が変化してしまうので、
水質調査はできるだけスピーディに行わなければならないのです。
時にはポータブル分析装置を携行して、
その都度、採水現場にて分析したこともあります。
 
それでも金属イオンや有機物などは現地では分析できませんので、
会社に送って分析することになります。

クール宅配便等で発送するわけですが、
場所によっては配送を取り扱っているお店がなかったりしてね。
こうなると、どんどん荷物が重くなってくるんですよ」
 
そう言いながらも、小早川さんはニコニコとまんざらでもない表情。
水のことを愛情タップリに語る彼を見ていると、
なんだかこっちまで微笑ましくなってくる。
 
でも……僕アンにはどうしても納得できないコトがあった。
それは一台のアルカリイオン整水器が
全国で使用できるという摩訶不思議な事実。
 
だってこれだけ各地で水質が異なるのに、
北海道とか沖縄バージョンのアルカリイオン整水器があるわけじゃない。
ならばどうやって同じアルカリイオン整水器で、
水質やpH値の異なる水道水を
こちらの意図するpH値のアルカリイオン水に生成することができるのか?
小早川さんに尋ねてみた。
 
「それにはアルカリイオン整水器に内蔵された

生成された水のpH値を感知するセンサー
生成された水のpH値を感知するセンサー
pHセンサーが一役買っています。
センサーは電気分解システム部と密接にリンクしていますから、
生成した水のpH値を設定の値にするために、
瞬時に電気分解システム部に働きかけて、
電流電圧の大きさなどを調整するのです」
 
ちなみにセンサーが感知して、
電気分解システム部がpH値を調整する時間は
わずか一秒以内というから、かなりのハイテクだ。
 
ただし、このpHセンサーは、
ハイスペック機種のみに搭載されている。(PJ-A78:2004年8月現在)
それ以外の機種でも電流電圧の大きさなどを調整し、
設定の値に近づけているとのこと。
 
僕は始めにアルカリイオン整水器を“魔法の箱”と称した。
その機能を知れば知るほど、
この表現は決して間違っていないと思った。
はたらく水  
「ところでアンさん。
水道水が電気分解によってカラダに優しい
アルカリイオン水に生成されると白水君から聞きましたよね(2章参照)。
でもカラダにイイだけではないのです。
 
アルカリイオン水はカルキ臭や金気(カナケ)臭などもありませんし、
有害物質も除去された安全性の高い水なのですよ。
ここでちょっと実験をしてみましょう。」
 
“待ってました!”
僕は小さくガッツポーズをした。
もちろんアルカリイオン整水器の理論も興味深いのだが、
何より彼等が繰り出す実験の数々が僕は大好きだ。
化学の授業もこんな風だったら、
僕の点数ももう少し良かったのになぁ……。
 
「最初にグラスに水道水をそそぎます。
 

ここに試薬を入れてみますね。
これは水中のカルキ(遊離残留塩素)濃度を測る試薬です。
 
すると色はピンク色に変化、
つまりカルキが含まれているということになります。 
それでは、ここにお茶の葉を入れてみると……」
 
「ありゃりゃ、何故か透明になったぞ!」
またもやビックリ仰天の僕アン。
 
「水が透明になったのは、
カルキがお茶の葉のビタミンCなどを破壊すると共に、
それ自体も破壊されたからなんです 。
こうなると水道水に野菜を浸すのも、ちょっと考えてしまいますよね。

カルキが含まれているピンク色の水にお茶の葉を入れてみると、水が透明になる
ムービーを見る

 
勘違いして欲しくないのは、
水道水にカルキが含まれていることは決して悪いことではないのです。
浄水場から我々の家まで、
水は給水管の中を長い時間かけて旅するわけですから、
衛生的に一定の水質を確保するには非常に効果的な手段だと思います。 
でも、ビタミンCが破壊されたりカルキ臭がするのは嫌ですよね。
 
そこでアルカリイオン整水器登場! となるわけですが、
その際、電気分解システム部と共に、
安心して飲める水を生成してくれるパーツが、
水道水をろ過する浄水カートリッジなのです」
 
小早川さんの目が一瞬眼鏡越しにキラリと光ったのを僕は見逃さなかった。
彼は“浄水”の小早川と称されているぐらいだから、
これこそ、まさに彼の専門分野のはずだ。
 
「まずは簡単に説明をしましょう。
浄水カートリッジ アルカリイオン整水器に搭載している浄水カートリッジは
4重ろ過構造になっていて、
各フィルターは素材が異なり、除去する対象物も違います。
 
最初のフィルターは水道水の濁りを、
2番目で総トリハロメタンと溶解性の鉛を
3番目までで遊離残留塩素(カルキ)と赤水を取り除き、
最後のフィルターで微細な濁りをろ過します。
カルシウムなどのミネラル成分はイオンとして水に溶け込んでいるので、
これらのフィルターでは除去されず、
浄水の中にちゃんと含まれたままです」
  アルカリイオン整水器に搭載している浄水カートリッジは4重ろ過構造になっている
  友達で浄水器を使用している人がいるので、
僕もこのテのカートリッジは見たことがある。
「これは浄水器に使用されているカートリッジと
まったく同じものなんですか?」
 
「凄くイイ質問ですね。
確かに外観的には同じなのですが、
浄水器で使われているカートリッジを
そのままアルカリイオン整水器に搭載する、
というわけにはいかないんです。      
アルカリイオン整水器内の水通路が違ってくるので……」

 
 
 


「水通路……? 水の流れる管のことですか?」と僕アン。


「ええ、アルカリイオン整水器内の水通路は浄水器のそれに比べて、
長さも結構ありますし、屈曲部も多いために、
水が流れる際に大きな抵抗がかかるのです。
また電気分解システム部や各種センサーも水流の妨げになります。
 
結果、浄水器と同じカートリッジでは
流量が30〜40%も低減してしまいます。
ですからアルカリイオン整水器に搭載する浄水カートリッジは、
いかに水抵抗を与えないように開発するかが課題となりました」

優しげな目元が特徴の小早川さんは、その口調もまた穏やかなトーン。
白水さんが湧き出る泉なら、
彼はゆったりとした川のせせらぎといった感じ。
 
「特にキーとなったのがフィルター内の活性炭です。
アンさん、この顕微鏡で活性炭を覗いてみて下さい。
粒の大きさが異なるのがわかりますよね?」
 
ほんとだ! こんなに違うんだ〜。
シロウトの僕の目から見ても、活性炭の粒の違いが一目瞭然。
 
「粒をよりきめ細かくすれば、ろ過能力は高くなりますが、
同時に水に対する抵抗も大きくなって通水流量が下がってしまう。
逆に粒が粗いと除去能力は低くなる反面、通水流量は上がるのです。
 
粒の性質だけでなく、量もまた大切な要素で、
活性炭の充填する量が少な過ぎると、ろ過の性能が落ちてしまうし、
多過ぎると今度は抵抗が大きくなり、流量(流速)が低下してしまいます」


つまりフィルター部のろ過機能を向上させると、
水の抵抗が大きくなり、
電気分解システム部に効率的に水が流れなくなってしまうらしい。
かといって水の流れを重視して、
ろ過機能が落ちてしまうのでは
浄水カートリッジの意味がないし……。
確かにこれは困った問題だ。


粒状活性炭拡大写真
黒色の粒状活性炭は、カルキ(遊離残留塩素)や総トリハロメタン等の有機不純物を吸着除去する役割を担う。原料は天然ヤシ殻。一方、白色の微粒子は溶解性の鉛を除去してくれるろ材。原料はセラミック(ケイ酸チタニウム)。

鉛・トリハロメタンとは

「さらに近年、水道水中に含まれる濁り物質やカルキだけでなく、
総トリハロメタンや溶解性の鉛を除去する機能が
お客様にも望まれるようになりました。 
 
浄水器であれば、多少構造が大きくなっても、
それら有害物質を除去するために活性炭等のろ材を
ふんだんに搭載して解決することが可能です。
 
でもキッチン回りの設置スペースのことを考えると、
浄水器の3倍以上も大きいアルカリイオン整水器を
安易にサイズアップするというわけにはいきません。
 
これらの課題をクリアするのが、浄水面では最も苦心した部分です。
そのために自社実験室内であれこれと試行錯誤を重ねて、
独自のろ過構造を採用することで、
カートリッジ内の活性炭の性能を向上させることができました。
 
またこのところ話題となっている有害物質に関しても、
活性炭に特別な熱処理を施して
総トリハロメタンの除去効果を高めると共に、
イオン交換機能を持たせたセラミックろ材を配合することで、
溶解性の鉛も除去することに成功したのです!!」


こう語る小早川さんの表情は、当時の成功した瞬間を思い出したからか、
まさに満面の笑みだった。
さらに彼によると、商品の仕様によって、
活性炭の種類や粒の大きさを選択し、充填量を調整するとのことだ。
 
話が一段落すると、
小早川さんの案内で実験室の中を見学させてもらった。

ビーカーやフラスコなど理科の授業でもお馴染みの実験器具から、
何やら精巧そうに作られた大掛かりな機械まで、
この空間には彼等の研究器具がぎっしりと詰まっていた。
 
「一度実験でフラスコやシリンダーを使用すると、
それに付着した微量な金属イオンや薬品などを
きれいに洗浄しなければなりません。
中性洗剤での洗浄、酸洗い、水洗い、仕上げに純水を使用してまた洗浄、
目には見えない物質だけに念入りに洗う必要があるのです。
 
つまり分析するサンプルの数が多ければ多いほど、
事前の準備作業が大変なわけで、
フラスコひとつ取ってもこうなのですから、
まったく困っちゃいますよね。
よく実験室を通りがかった人に洗い物をしている姿を見られ、
『なんしょーと(何やってるの)?』と不思議がられましたよ(笑)」
整水器の?

ここで僕アンは、とある衝動に駆られてしまった。
それは……    
“アルカリイオン整水器の内部が見たい!”というもの。
 
だってこれだけ、小早川さんや白水さんに
浄水カートリッジや電気分解システム部のことを
レクチャーされれば、
実際にこの小さなアルカリイオン整水器の中に、
それらがどう組み込まれているかが、気になるというもの。
 
「わかりました。

 
それではアルカリイオン整水器をバラしてみましょうか」
 
顔色一つ変えずに(むしろ楽しそうに)
快諾してくれた心優しき小早川さん。
 
彼はドライバーを使って、
手際よくアルカリイオン整水器のカバーを外し、
その内部を見せてくれた。
 
「まず水道水はアルカリイオン整水器の中で、
アルカリイオン整水器の内部

私が説明しました浄水カートリッジ〈右図 1〉でろ過されます。
次に流量センサー〈右図 2〉で水の流量を測定します。
流量が多過ぎたり、少なすぎたりすると、
きちんと電気分解が行えませんので。
 
流量測定された水はカルシウム添加筒〈右図 3〉を通って
電気分解槽〈右図 4〉へ。
カルシウム剤(グリセロリン酸カルシウム製剤)を投与するのは、
水に電気をより流れやすくするためです。
地域によっては電気の流れにくい水質のところがありますので、
確実に電気分解を行えるようにしてるんですよ」
 
ちなみにこのカルシウム剤は、食品添加物として
パンや麺類等にも使用されているものらしく、
安全性も極めて高いモノとのこと。
 
「白水君が解説した
電気分解システム部で生成されたアルカリイオン水は、 
pHセンサー〈右図 5〉で測定されて、
電気分解システム部にフィードバックされるのです」
 
ほぉ〜、例のセンサーは、ここに設置されているのか……。 
 
「最後は吐出口から
設定しているpH値のアルカリイオン水が出てきます。
その際、電気分解によって同時に生成された酸性水は
酸性水専用口から流れ出ます。
 
弱酸性水を生成するときは、水通路切換弁が〈右図 6〉働き、
吐出口から弱酸整水が、
排水口からアルカリイオン水が流れ出ます 。
余談ですが排水口からは時折、
電気分解システム部を洗浄した水も排出されます」
 
彼は話の終わりにこうつけ加えた。
「私が研究している“浄水”部、
白水君が手掛けている“整水”部、
そして佐藤君の“アルカリイオン水と調理”の研究、
それらがバラバラに良いだけではダメでして、
三位一体となってうまく融合してこそ、
ハイレベルのアルカリイオン整水器が完成するんだと思います。
ですから我々も、
頻繁に意見を交わして調査研究・開発に取り組んでいるんですよ」


小早川さんのお陰でアルカリイオン整水器の構造についても、
その基本的な仕組みを知ることができた。
先の佐藤さん&白水さんのコメントを合わせると、
ここに来るまでに僕の中にモヤモヤしていた
アルカリイオン水、およびアルカリイオン整水器の謎は
ほとんど解明したといっていいかもしれない。

PJ-A78イメージ図
図 アルカリイオン整水器の内部。矢印は水の流れ。
※イラストはPJ-A78でのイメージ図(2004年8月現在)PJ-A78の詳細はこちら
グリセロリン酸カルシウム製剤
 

アン、マイスターになる?
3人のレクチャーを終了して、
僕は再び大津工場長のところへ向かった。
 
大津工場長は僕の自信ありげな表情を一目見て、
いつものように笑顔でこう語った。
「おめでとうございます、アンさん!
見事にアルカリマイスターになられたようですね」
 
僕は指で鼻の下をこすった。
なんだか少し照れ臭い。
さすがにマイスター = 達人というのはおこがましいが、
とりあえずビギナー卒業レベルには達したと思う。
 
「アルカリイオン整水器は一朝一夕で、
現在のカタチに至ったわけではありません。
それでは最後に
アルカリイオン整水器のヒストリーなんぞをお話しましょうか。
ちょっとした裏話もあるので興味があれば……」
 
“ウ、ウラバナシ……?”
城島工場の人達のトークは、いつもながら僕の心を巧みにくすぐる。
“もったいぶらずにハ・ヤ・ク!”ってな気持ちになるのだ。
 
「もちろんですとも!!」
僕は元気な声でこう答えた。

4章 過去と未来 へ

城島工場長 大津 朋信 氏
城島工場長 大津 朋信 氏
  予告ムービー

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