エネルギー効率で大空間を変える
自然冷媒の活用で実現する、省エネで快適な大空間空調
大規模施設の空調における問題点とは
大規模施設や都市空間の冷暖房には膨大なエネルギーが必要です。その結果、CO2排出や運用コストがかさみ、持続可能性への課題が浮き彫りになっています。大規模空間の空調は、快適さの裏で、地球環境にも配慮した対応を考えなければいけません。
大空間空調で空気をどう変える?
大規模施設での空調を支えるナチュラルチラー(吸収式冷凍機)。パナソニックが、50年以上の歴史を持つナチュラルチラーを取り扱っていることをご存じでしょうか。ナチュラルチラーは、自然冷媒である「水」を利用した空調システムで、特定フロンや代替フロンを使用しないため、環境に配慮しているのが最大の特長です。
パナソニックは長年にわたり大規模空間の空調を支えてきました。これからも、オゾン層破壊や地球温暖化の影響を低減するこのシステムで、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していきます。
1自然冷媒で省エネに貢献する「ナチュラルチラー」とは
ナチュラルチラーは、電動コンプレッサーを使わずに熱エネルギーで冷水をつくる大型空調システムです。最大の特長は地球上に存在する「水」を冷媒に使っている点で、特定フロンや代替フロンを使用しない環境にやさしい空調方式であることです。水が蒸発する際に周囲の熱を奪う気化熱の原理を利用し、吸収液がその水蒸気を吸収するという4段階のサイクルで冷水を生み出します。
加えてもうひとつの特長として、電力消費の大幅削減があります。ガスエネルギーを活用して駆動するため、冷房運転に必要な電力量を電気式冷凍機に比べて大幅に低減することが可能です。
このシステムによって、大きな冷房能力を生みながらも環境にやさしく、かつ電力の使用を最小限に抑えることが可能に。さまざまな大規模施設のセントラル空調として幅広く導入されています。

2巨大球場の冷暖房システムでも廃熱利用機が貢献
ナチュラルチラーはガス焚き(都市ガス、LPガスなど)はもちろん、蒸気や温水といった様々な熱源で稼働できる柔軟性を備えています。そのため、廃熱を有効活用して冷房に転換することも可能です。たとえば北海道北広島市にある「ES CON FIELD HOKKAIDO」。世界最大級(幅約166m)の可動屋根を備えた、地下2階・地上6階建で、収容人数は約3万5千人。その球場全体の冷暖房をパナソニックの大型ナチュラルチラー4基(合計2,000RT)で担っています。そして、ナチュラルチラー4基のうちの1基で廃熱を利用。観客の快適性とエネルギー利用効率化の両立が図られています。

350年の実績が支える未来への展望
パナソニックでは、50年以上にわたりナチュラルチラーの開発・提供を続けてきました。長年つちかった信頼性と実績があるからこそ、多くの施設で大規模空調として採用いただいております。
さらに近年は、制御技術の進化や機器効率の向上により、ナチュラルチラーの性能も進歩しています。これからの未来に向け、自然エネルギーや未利用熱エネルギーを最大限に生かす空調ソリューションとして、ナチュラルチラーはカーボンニュートラル社会の実現に大きく貢献していくことでしょう。大空間空調の未来は、自然の力と技術を融合したこのソリューションとともにあります。