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日本の京都・西陣で作られる高級絹織物。
応仁の乱(1467年〜1477年)に山名宗全が(やまなそうぜん)西の陣を張ったところから、西陣の名が起こり、応仁の乱後、この地で織られるものを西陣織と呼ぶようになり、現在の基礎が確立した。
帯地、着尺地(きじゃくじ)が多く、金襴(きんらん)、ビロード、綴(つづ)れなど、高級美術工芸品に属するものが生産されている。
現在、量産品は機械で、手の込んだもの、多色のものなどは、昔ながらの手機(てばた)で織られている。
鹿児島県奄美(あまみ)大島で作られる民芸品的絹織物。
テーチ木染めと泥染めの丹念な繰り返しによる黒かっ色の色調と、毒蛇ハブの背模様の絣柄(かすりがら)が特徴。
耐久性とはだ合いで、婦人和服に愛用されている。
茨木県結城市を中心に作られる藍(あい)染めの絣柄(かすりがら)を主とした、日本で最古の歴史をもつ非常に高級な絹織物。
昔ながらの居坐機(いざりばた)で織られ、細かい亀甲柄(きっこうがら)の経緯絣(たてよこがすり)などになると、絣くくりだけに数十日を要するものもある。
生地が柔らかく、ふっくらとして、独特の光沢をもち、湯通しを重ねるたびに渋みを増す特長がある。
型紙捺染(かたがみなっせん)による和服の模様染めの一種。
18世紀(江戸時代中期)、裃(かみしも)や小袖(こそで)、単衣羽織などに用いられ発達した。以後、細かい模様の型染めを総称して単に小紋と呼んでいたが、1954年(昭和29年)文化財保護委員会が、特定の模様構成のなされている小紋型染の技法を、重要文化財に指定するために、他と区別して、京都の友禅染に対して、江戸(東京)で盛んだったことから、この名を付けた。
型紙を切る技術から、鮫(さめ)小紋、縞(しま)小紋、角通し小紋に分けられる。
東京都八丈島で作られる絹織物。織物の長さが八丈(1丈は約3.3m)であったことから、この名がある。
現在も、わずかであるが、伝統の技術が忠実に継承され、高機(たかはた)によって織られている。黄、鳶色(とびいろ)、黒が主調色の草木染は、変色がなく、洗う ほど渋い色艶(いろつや)が冴(さ)える特長がある。
特に“かりやす”で染める黄色は、晴天の日で40日ほどもかかり、非常に手が込んでいる。
主に群馬県桐生市、新潟県十日町で、撚(ひね)りの強い糸を使い、独特のもじり織という技術で織ったもので、紗の一種。
すき間を作ってあるので木目のように浮き出して見え、汗をかいてもべとつかず、絶対にへばらない特長がある。
絹織物の中で、見た目も、感触も最もしゃりっとした涼感に富んでおり、軽くて薄いので、盛夏の着尺地(きじゃくじ)、羽織地などに使われている。
新潟県塩沢地方で作られるお召縮緬(めしちりめん)。織る前に糸の段階で製練し、先染めした後、織り上げた先練(さきねり)織物。
徳川11代将軍(1786年〜1837年)家斉(いえなり)が召したことから、お召と呼ばれるようになった。
着尺地(ちじゃくじ)、帯地、羽織地などに使われる。
明治時代から実用呉服として一般に用いられるようになったウールの着尺地(きじゃくじ)の一種で、1951年(昭和26年)ごろから作られるようになった高級品。
緯糸(よこいと)に紬(つむぎ)糸を混織し、結城(ゆうき)の風合(ふうあい)を出している。
夏以外いつでも着用できる、衿元(えりもと)が崩れない、薄いものができるなどの特長がある。
京都市加茂川染として盛んに行われた多彩な模様染め。17世紀(江戸時代中期)、京都の絵師の宮崎友禅斎(みやざきゆうぜんさい)が考案した染法。
この染法により、従来まで絞りや 刺繍(ししゅう)に頼っていた、人物、花鳥など多色の色模様を自由に染め出すことができるようになり、日本の着物の美しさが、一段と進歩をみせた。
いっさいの工程が手描(てが)きで行われる高級品と、19世紀末以後量産されるようになった型紙使用の型友禅がある。
7世紀前半(飛鳥(あすか)時代)に中国から伝わった染色法で、描いた蝋(ろう)が、 防染作用をして、その部分だけ染まらず残る染め方。ジャワ更紗(さらさ)の影響も受けている。
8世紀の遺品が現在も奈良の正倉院御物(しょうそういんぎょぶつ)の中に残っている。
手描(てが)きの素朴なおもしろみで、着尺地(きじゃくじ)、のれん、座布団、ネクタイなど小物類に広く使われ、その技法は女性の趣味として、家庭でも楽しまれている。
植物の天然染料で染色した木綿の布に、手描(てが)き、ま たはプリントで、えんじ色、あい色、緑色などに模様を蝋染(ろうぞ)めしたもの。本場はインドで、他にタイ、ジャワ更紗がある。
現在、プリントものは大量に生産されて、布団地などに用いられ、更紗模様は羽織裏や帯、スカーフ、ネクタイなどの柄としても好まれている。
日本で8世紀ごろから行われている織物加工である“しぼり染”の一種。
江戸時代に生まれたもので、4回結びを目結(めゆい)の技法に用いるため、角張っていて目の荒いのが特徴。
けんらん豪華な衣装に用いられるが、製作に手数がかかるため、非常に高価である。
16世紀中ごろ(天文年間)に創始され、福岡市の博多一帯で作られる先染練絹(さきぞめねりぎぬ)織物の一種。
経(たて)に細かい撚(ひね)り糸、緯(よこ)にやや太い片撚り糸を用いて固く織り込み、平織りとしたもの。
琥珀(こはく)地で、粗剛な手触りと、独特な幾何学模様に代表される帯地が有名である。
その他、財布、バッグ、帯締め、装丁用などにも使われる。
約300年の歴史をもち、新潟県小千谷市付近で織られる麻織物。緯糸(よこいと)に独特の撚(ひね)りをかけて作られる“しぼ”に特徴がある。
サラッとした感触の良さで盛夏用の着尺地(きじゃくじ)として使用されている。
近ごろでは、手紡(てつむ)ぎの苧麻(ちょま)糸の代わりに、ラミー紡績糸を用いて大量生産されており、純粋の小千谷縮は、ほとんど作られていない。
福岡県久留米市を中心として織られている紺木綿の絣織物。
紺地に白、または青抜きの小柄な絣柄が特徴で、きりっとした着やすさ、丈夫さで、現在も農村の実用着として愛用されている。
近ごろでは、その製造工程が機械化され、純粋に手工芸的な技法は非常に限定されている。
木綿の単衣(ひとえ)仕立てで、夏の夕刻から夜にかけて着る着物地。
盆踊りや、祭りには、そろいの浴衣姿が涼を添え、夏の風物詩になっている。
そのほかの用途として、現在、日本のホテルや旅館、一般家庭でも寝巻きとして用いられる。
※本ページの内容は、タイム・カプセルEXPO'70記録書(1975年3月発行)を引用して掲載しています。社名や組織名など現在とは異なる場合がありますのでご了承ください。
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