パナソニックの社史 |
収納品リスト | 自然科学分野 | 社会分野 | 芸術分野 | EXPO'70 資料 |
ここから本文です。
収納品のSAM弁は、東京女子医科大学の榊原仟、新井達太の開発になるもの。
固定されたケージがなく、基底リングを除いて弁全体が動き、弁の運動は単純な上下動で、開閉が円滑で容積が小さいため、心筋を傷つけたり、刺激伝導系に当たることがなく、移植後の心音はきわめて小さい。また僧帽弁、大動脈弁、三尖(せん)弁いずれにも使用でき、多くの治療例を得ている。
弁には特殊ステンレス鋼22AT、弁座にはフッ素樹脂が使用されている。タイム・カプセルEXPO'70の本体に使用されている材料は、これと同一種類のものである。
1985年以来名古屋大学の橋本義雄、神谷喜作らの協力のもとに、中尾善宜が多年にわたる、ろ布製造技術を生かして、開発に成功した移植用の人工動脈である。
すでに1,000例以上の手術が行われて好成績をあげている。
材料にはポリエステル繊維、テトラフロルエチレン繊維を使用して、継ぎ目なしに可撓性(かとうせい)の管状に織布したものである。これを加熱して、ひだをつけた後、テフロンコーティングを施して、撥水性(はっすいせい)をもたせ、織り目からの血液の漏れを防ぐ。さらにテフロンがきわめて組織反応の少ない物質であることから、血小板の粘着を阻止し、血栓形成(けっせんけいせい)の予防にも役立っている。
※本ページの内容は、タイム・カプセルEXPO'70記録書(1975年3月発行)を引用して掲載しています。社名や組織名など現在とは異なる場合がありますのでご了承ください。
© Panasonic Corporation 2011