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鳥類、ツル科の鳥。南シベリアから北海道の湿原に繁殖分布する。
日本のツル類の中で最も大きくて美しく、翼長66cm、体重は最大10kgもあり、オリーブ色をしたくちばしは長く15〜17cm、蹠27〜31cm。体は純白で、頭頂は裸出して赤。次列風切羽(かざきりばね)とその 後方の尾を覆う飾羽は黒いが、羽は白い。
冬に中国、朝鮮などに渡る。日本にも江戸時代までは各地に渡米したが、今日ではごくまれに宮城県、滋賀県、長崎県、鹿児島県に渡来することがあるだけ。
1967年、区域を定めず特別天然記念物に指定された。北海道釧路湿原では、1952年冬、吹雪で飢え、人家近くに出現したのをきっかけに、トウモロコシにえ付き、人に慣れるようになった。1967年には、最高200羽まで記録された。
鳥類、サギ科に属する鳥のうち、白色のものの総称。日本では15種が知られている。
ダイギと呼ばれるものは、翼長40cmで、北海道などに冬鳥として渡来するがごく少ない。
一般的には、翼長24〜28cmのコサギ、27〜32cmのチュウサギ、34〜39cmで、くちばしのかみくちにのこぎり歯状の刻みがあるチュウダイサギなどがいる。
水田、湖畔、海岸に住み、かえる、貝、魚、こん虫などを捕食する。
飾羽は婦人の帽子飾りに広く用いられたため、乱獲されて著しく減少したので、現在では多くの国が法律で捕獲を禁止している。
節足動物、剣尾類、カブトガニ科に属する。
外形はカニ類に似ているが、触角を欠き、鋏角(きょうかく)を持ち、血液の成分上クモ類に近い。
全長60cmぐらいで頭胸部、腹部、剣状の尾部からなり、頭胸部と腹部は、石灰質の甲らで覆われている。頭胸部の前面には、2個の単眼とその外側に1個ずつの複眼がある。
瀬戸内海や博多湾に産し、7月中旬ごろに海岸の砂地に来て砂中に産卵する。
カブトガニ類は、古生代ゴトランド紀に起こり、中生代に栄えた古い型の節足動物であって、現在、日本産のものを含めて世界に5種類残っているだけである。いわゆる生きている化石として、動物学上貴重であり、岡山県の天然記念物に指定されている。
両生類中最大の種類で、有尾目ハンザキ科。
全長1.4mに達し、胴が長く四肢(しし)は短く、前肢に4指、後肢に5指がある。頭は偏平で、目はきわめて小さく、まぶたがなく、鼻孔は吻端(ふんたん)にあり、鰓孔(えらあな)はない。尾は比較的短く、縦に平たく、胴部の左右には、皮膚のひだが縦走する。体は暗かっ色で黒色の斑点があり、皮膚には多くのいぼがあり、刺激すると、さんしょうのようなにおいのする乳白色の液を出す。
近畿、中国地方および北九州の山地の清流に住み、昼は岩石の下や岸の穴に潜み、夜になると水底を活発にはい回って、さわがに、魚、かえるなどを捕食する。
8〜9月ごろ、ほら穴の奥に長い数珠状の卵を産む。1本のひもには400〜500の卵が付く。
生きた化石として特別天然記念物に指定され、保護されている。
1965年、日本の作家の戸川幸夫により、沖縄県・八重山諸島の西表(いりおもて)島で発見された野生ネコで、新旧両大陸のネコ類動物の祖先型に最も近いといわれ、1967年、新属新類としてイリオモテヤマネコと命名された。ほ乳動物としては、20世紀最大の発見で、世界的な話題となった。
1967年1月、オス、メス各一頭が同島で生け捕りにされ、国立科学博物館で飼育、研究が続けられている。
西表島の密林に生息し、体長約60cm、尾は約20cmで、イエネコよりやや大きい。耳は丸く、先端に毛房がなく、背面にユキノシタ状はんがある。
飼育下における飼料は鶏頭、魚類などである。
性質が荒く、あまり鳴き声を発しない。
1967年、天然記念物に指定され、保護を受けている。
ニホンイヌのうち最北系統に属する大型犬で、秋田県大館(おおだて)地方を原産地とするので大館犬ともいわれる。
肩高はオスで67cm前後、メスはやや小さく60cmぐらい、体重40kg前後。耳は小さくて立ち、頭は幅広く吻(ふん)がとがり、尾は巻き、骨格頑丈(がんじょう)で筋腱(きんけん)がよく発達している。体毛はやや長く、色は白、黒、かっ色などさまざま。動作が重厚、性質は素ぼく、善良で落ち着きがあり、飼い主の親切をよく感じ、番犬に適している。
10年間も駅頭で主人を待ち続けた忠犬ハチ公は、その代表的な一例である。1931年、特別天然記念物の指定を受けた。
また1954年にはイギリスおよびアメリカにおいて、秋田犬標準(Standard of the AKITA)が承認された。
鳥類、キジ科に属するニワトリの一品種。
オナガドリ、チョウビケイとも呼ばれ、江戸時代に高知で愛玩(あいがん)用に作り出された鶏。
尾羽が抜け変わらずに伸びるため、6mにもなる。これは、突然変異によって獲得した形質で、明治時代さらに改良が加えられ、現在、白藤、白色かっ色、黒色の四色型に固定され、特別天然記念物として保護を受け、繁殖が図られてている。
新旧両大陸の北部の高山地帯で生息する鳥類・ライチョウ科の一種。全長30cm、翼長17〜19cm、夏羽は背面とのど、胸は黒と茶色の細かい横はんがあり、目の上に赤い小さな肉冠がある。秋になると、茶色の羽毛は抜けて白色の羽毛に変わり、冬羽では外側の尾羽とオスの眼先部に黒色を残すのみで、他は純白になる。また脚は、指の先端まで白色の羽毛に覆われる。
日本では、本州中部の2,400m以上の高山のはいまつ林やお花畑付近にのみ生息する。
雌雄1対または小群で生活し、昼は、はいまつの中や岩陰に潜み、朝夕出歩き、草木の新芽、菜、花、果実、こん虫などを食べる。巣は地上に窪(くぼ)みを作り、草の葉を敷いた簡単なもので、6〜7月の繁殖期には5〜10個の卵を産む。
留鳥で冬も高山から下りない。氷河時代に、日本まで南下したものが高山に残留したものと思われる。
生息数が非常に少なく、また比較的人間を恐れない習性のため、容易に捕獲され、絶滅の恐れがあるので、天然記念物に指定され保護されている。
隅蹄目(ぐうていもく)、ウシ科のほ乳類で日本の本州、四国、九州および台湾の特産種。
普通1,500〜2,500mの亜高山帯の森林に多い。体長1〜1.15m、肩の高さ70cmくらいで、雌雄ともわずかに後方に曲がる、8〜15cmのとがった洞角(どうかく)を有する。体には、白色の綿毛が密生し、さらにこの上を黒かっ色で7〜10cmの上毛が覆っている。目の下と蹄(ひずめ)の間には 特殊な臭気のある液を分泌する腺(せん)があり、倒木、岩などに眼下腺(がんかせん)をこすりつけるのをよく見かける。おそらく道しるべとするのであろう。
昼行性で食物は、しゃくなげ、つが、ひのき、杉などの葉や若芽、種子など。6月ごろ1児を産む。
毛皮は防寒防湿用にすぐれ、角(つの)はかつお漁用のかぎ針にされるため乱獲されて、一時非常に減少したが、1955年、天然記念物に指定されて以来、かなり増加した。
鳥類、コウノトリ科の渉禽(しょうきん)。
コウヅルともいい、ヨーロッパ南部、小アジア、ソ連のウスリー、中国、朝鮮半島に分布し、日本には亜種が生息する。
翼長61〜67cm、外形はツルに似ているが、首とくちばしは太い。体は純白、翼は大部分が黒で、脚と眼の周囲は赤。
日本では江戸時代(17世紀〜19世紀)までは各地にいたが、現在は、わずかに兵庫県と福井県に残存するだけにすぎない。このため、捕獲して禽舎(きんしゃ)に飼い、農薬に汚染されない飼料で飼育しているが、農薬禍のため、ひなは産まれない。
特別天然記念物に指定されている。
ソ連のウスリー、中国の東北部、朝鮮に分布する。
サギに似た鳥で、鳥類・トキ科の一種。翼長は40〜43cm、尾長15〜18cm、黒色のくちばしは長く15〜20cmで下方に曲がり、先端と基部は赤い。頭部の前半は裸出して赤く、羽毛は白く、後頭から首の羽毛は長く、羽冠を形成して、やや、とき色(淡紅色)を帯びている。
日本には江戸時代、多数生息していたが、乱獲を受け、一時姿を消した。
1970年3月現在、佐渡の7羽と、飼育中のもの2羽の合計9羽が、日本の総数である。
特別天然記念物、国際保護鳥として厳重に保護されている。
北太平洋最大の海鳥で鳥類、アホウドリ科に属する。
翼は細長く次列風切羽(じれつかざきりばね)は30枚以上あり、翼長約56cm、翼を広げると3mに達し、体は白く、肩羽、翼、尾の先端のみ灰黒色である。
伊豆七島の島島、小笠原諸島、台湾付近の島で繁殖するが、羽毛を取るために乱獲したので、現在、繁殖記録の確証は、鳥島が唯一である。
鳥島の場合、19世紀末までは、数百万羽が繁殖していたが、1964年には、52羽とひな11羽を記録したのみである。
魚、いかなどを捕食し、12月〜3月の繁殖期にのみ、島に上がり産卵する。
1962年に、特別天然記念物と同時に、国際保護鳥に指定された。
※本ページの内容は、タイム・カプセルEXPO'70記録書(1975年3月発行)を引用して掲載しています。社名や組織名など現在とは異なる場合がありますのでご了承ください。
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