お役立ち情報:建築業界向け「2022年度に活用すべきおすすめ補助金」

2022年06月15日

内容

 私は、住宅会社、リフォーム会社等の住宅系建設業のコンサルタントとして、経営改善のアドバイスを日々行っています。改善には、ある程度の資金が必要となりますが、私は、中小企業診断士としての肩書や経験を活用し、その原資に国の補助金を活用しています。今回は、私が活用している補助金の内、2022年度に活用するべきと考えている3つを紹介します。


 

1.小規模事業者持続化補助金

 小規模事業者持続化補助金は、数ある補助金の中で最も申請が簡単で使い勝手も良く、そのため認知度が高い位置づけです。小規模事業者の判定は、「業種」と「従業員の人数」によって決まるので、自社が小規模企業者になるのか中小企業者になるのかの判断のためには、「業種の判定」と「常時使用する従業員の人数の算出」を行うことで判明します。建設業なら常時使用する従業員数が20人以下(役員含まず、パートアルバイトは含む)の企業のみが対象という規定があります。
該当企業でまだこの補助金を使ったことがない会社さんは、是非活用をおすすめします。


 補助の内容は、これから力を入れたい事業や商品の販売を推進する際に使用する広告宣伝費の2/3を、最大50万円まで補助してくれる、というものです。広告宣伝費というのは、ホームページやチラシ、パンフレットの作成代やYahoo!やGoogleに支払うWEB広告代などです。補助金を申請して認められた広告宣伝に要した金額を業者に支払うと、後からその2/3を国から補填してもらえます。申請に必要な用紙はA4で2枚から4枚程度。各地の商工会議所や商工会が窓口になっており(非会員でも申請可)、そこが開催するセミナーや専門家の派遣制度を活用すれば、初めての方でも容易に申請書を作成できます。国の狙いとしては、この補助金の申請を通して事業計画の作成方法を学んでほしい、という思いで作った補助金ですので、今まで活用したことのない企業なら、なお採択率が高くなります。

 2022年度版では、事業計画に賃上げや事業規模の拡大、事業承継の取り組みを盛り込んだ場合、通常50万円の補助金が200万円まで増額されるコースも用意されています。まだ、開始時期は公表されていませんが5月頃から年3~4回公募されると予想されます。


 

2.IT導入補助金

 続いてお勧めの補助金はIT導入補助金です。こちらも有名な補助金で、2020年の採択者に関するデータでは、最も利用している業種は建設業で全体の25%、会社の規模では20人未満の企業が2/3を占めますので、このメルマガをお読みの方々の企業さんが、最も利用している補助金と言えます。

 補助金の内容は、企業がソフトウェアやクラウドサービスを導入する費用の1/2、最大450万円までを補助する、というものです。ただし、世にある全てのソフトウェアやサービスが対象になるわけではなく、次の2つの制約があります。

①IT導入補助金事務局に登録されたITツールしか補助金の対象とならない
②同じく登録されている販売業者(ITベンダー)を経由してしか申請できない

 どのITツール、ITベンダーが登録されているかは、「IT導入補助金2022」のホームページで検索できます。ITベンダーが、申請書の作成を支援してくれるので助かります。対象となる経費はソフトウェア代だけではなく、導入のための作業費や、研修費用も対象となりますので、それらの1/2が補助されるというのは使い勝手の良い補助金と言えます。


 なお、2022年度版の特徴として、導入するITツールが会計・受発注・決済・ECに用いるソフトの場合は、補助率が3/4または2/3に拡大され、さらにパソコンやタブレットの機器も対象になる、「デジタル化基盤導入類型」が用意されたことがあげられます。もし、これらを導入とお考えなら、さらにお得に活用できるでしょう。

まだスケジュールは公表されていませんが、例年では5月から複数回公募されます。採択率を上げるポイントは、①インストール型のソフトよりクラウド型システムが有利、②早い公募回のほうが有利、③ITベンダーによって採択率に差があるので過去の実績はチェック、ということがあげられますので、参考にしてください。


  

3.ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

 一般的には「ものづくり補助金」と呼ばれていますが、正式名称を見ると、ものづくりの製造業だけでなく、全ての業種を対象とした補助金であることがわかります。もちろん多くの建設業も活用しています。この補助金は4つのパターン(①新商品開発、②新たな生産方式の導入、③新サービス開発、④新たな提供方法の導入)のビジネスモデルを新たに作り上げる際に必要となる設備費、システム開発費、原材料費、外注費、専門家謝金など、幅広い経費が対象となる補助金です。

内容は各地域における新規性や革新性が求められます。実現する事業計画書を作成し申請をします。認められた内容の経費を使用すると、後から補助金が支給されます。なお、補助率と補助金上限額は次のようになっています。
  

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 例えば、その地域でまだ一般的になっていない革新的な機能やコンセプトの住宅のモデルハウスを建築する際に必要となる原材料、外注費、設備費は補助金の対象経費になるでしょう。また、仮想現実を活用したモデルハウスや、リフォームのシミュレーションシステム等を用いる営業方法なども採択の可能性があると考えます。これらのシステム開発費や既存のシステムの導入費が補助金の対象となります。
2022年度は5月11日が締め切りを皮切りに、年4回ほど公募される予定です。採択率を上げるポイントは、必ず加点要素を獲得することです。具体的には、①都道府県から経営革新計画の承認を受けること、②事業継続力強化計画の認定を受けることの2点です。

 以上、多くの建設業が活用している補助金3選を紹介させていただきました。国が補助金を用意している理由、それはこれらを活用してより強い企業になってもらいたいというメッセージです。補助金を活用するしないに拘わらず、①広告宣伝に力を入れる ②IT化で生産性を上げる ③他社と差別的な事業を開発するという進むべき方向性は全ての企業が考えるべき項目ではないでしょうか。






大幸経営有限会社 代表取締役
大石 幸紀
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早稲田大学商学部卒業後、松下電工(現パナソニック)入社。経理、営業管理、関連会社管理等を経験。
2004年退社後、中小企業診断士事務所 大幸経営研究所開設。
中小企業診断士40名を会員とする「独立開業研究会 」会長就任等を経て2010年中小企業庁長官賞受賞。
現在は、ハウスメーカー、電気工事、防災設備、設備工事業、電設資材商社等のコンサルタントとして企業の人事制度や会社のルール整備、利益管理のしくみの構築を支援している。