プロジェクトで見る研究開発

写真:パナソニック エレクトリックワークスの研究開発プロジェクトメンバー

音環境可視化

音環境可視化技術とは?

「音源位置推定アルゴリズム」を活用し、騒音の発生位置や種類、原因をリアルタイムで分析・特定する音環境センシング技術です。
近年、オープンオフィスの普及やウェブ会議の増加に伴い、「オフィス内の騒音が気になるが、どのように対策すればいいかわからない」という声が多く寄せられています。そこで、オフィスなど実空間の音データを可視化し、レイアウトの見直しなど具体的な改善策を提案することで、多様な働き方を支援し、騒音問題に応えるソリューションの実現を目指しています。
将来的には、オフィスだけでなく、設備の異常検知や原因の特定・通知など、工場への展開も視野に入れています。

-ご経歴を教えてください。

大学では基礎工学を専攻し、立体音響の研究に取り組んでいました。音の広がりや奥行き、どこから音が鳴っているのかを再現し、VRやゲームで活用される三次元的な音響を実現する技術です。音響というとイヤホンなどのエンタメ領域をイメージしやすいかもしれませんが、私はこの研究を通じて、音空間そのものに関するソリューションに強い興味を持ちました。
就職活動ではさまざまな企業を調べる中で、家電のイメージが強かったパナソニックが、実は音環境改善のソリューション提案にも取り組んでいることを知り、意外性と可能性に魅力を感じました。「今までやったことのないこと、想像のつかない領域に挑戦したい」という思いから、2022年に新卒でパナソニックに入社しました。

写真:パナソニック エレクトリックワークス 筧 裕介さん
-研究を進める中でどのようなことを意識していますか。

意識していることは大きく二つあります。
一つ目は目的意識です。プロダクト開発は仕様や機能がある程度決まっている中で改善・追加していくのに対し、ソリューション開発は顧客課題に合わせてゼロから設計するため、ヒアリング中にゴールが変わっていくなど、曖昧になりがちです。だからこそ「誰のために、何を解決するのか」を常に意識しています。
二つ目は顧客目線です。技術者は新しい技術に惹かれがちですが、それだけでは自己満足になってしまうこともあります。そこで私は、社外の声を直接聞ける場を積極的に活用し、「本当に役立つものは何か」を考えられる機会を増やすよう心がけています。

写真:パナソニック エレクトリックワークス 筧 裕介さん
-音響可視化技術により実現したい世界など展望がありましたらお聞かせください!

私たちパナソニック エレクトリックワークス株式会社は、ウェルビーイングを軸に、誰もが快適に働ける空間づくりに向けた研究に取り組んでいます。音の問題をデータで正しく把握し、集中できる場所や声漏れしにくい会議スペースなど、働く人のニーズに応える環境改善の実現が目標です。
音源推定技術は研究として一般的ですが、実験室のような整った環境で検証されることが多く、実際のオフィスへの適用には課題があります。ノイズの多い実環境に対応し、アルゴリズムを最適化して実用化することは、技術的に挑戦性の高いテーマです。
音だけでなく、光や空気質など多角的に快適な空間を提案できるのは、幅広い事業領域を持つパナソニックならではの強み。将来的には、分析・診断から改善提案、設計、施工まで、一気通貫で提供できる仕組みを実現したいと考えています。

筧 裕介(かけい ゆうすけ)​
研究開発
2022年入社 基礎工学研究科卒​

大学ではAI×空間音響技術を研究し、「快適な音空間」を生み出す仕事に携わりたいという思いから、「くらしの空間」構築に強みを持つパナソニック エレクトリックワークスに入社。趣味はカメラや軽音楽で、自分自身を表現したり創造したりする活動が好きです。このクリエイティブな姿勢を強みに、新しいソリューションの創出に挑戦しています。​

アグリゲーション技術

電力系統安定化のためのアグリゲーション技術とは?

アグリゲーション技術は、VPP(バーチャルパワープラント)を活用し、「お客様の電気代削減」と「社会全体の電力安定化」を同時に実現するための技術です。
電力は、常に「需要」と「供給」が一致していなければなりません。近年、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーが急速に普及していますが、電力の供給(発電量)が天候に左右されるため、需給バランスが不安定になりやすいという課題があります。
その解決策となるのがVPPです。一般家庭や企業が保有する蓄電池、エコキュート、EV充電器などの分散型エネルギーリソースをネットワークでつなぎ、必要なタイミングで電力の需要(消費量)を減らしたり増やしたりする制御を行うことで、あたかも一つの発電所のように機能させます。
電気代削減と電力安定化を両立するには、「いつ、どの家庭の、どの機器を、どれだけ動かすのが最も効果的か」を判断し、制御計画を立てることが欠かせません。そのための制御アルゴリズム開発が、私たちのテーマです。

家庭:太陽光発電 家電 エコキュート 電気自動車 蓄電池/法人:太陽光発電 空調 照明 蓄電池/アグリゲーター:各機器の制御・最適化 再エネ消費最大化 電力市場取引による収益獲得/電力事業者:送配電事業者 小売電気事業者
-ご経歴を教えてください。

学生時代は工学部で機械理工学を専攻し、AI関連の研究に取り組んでいました。もともとAIやデータ分析の技術に興味があり、将来は学んだ知識を活かせる仕事に就きたいと考え、製品をつくるメーカーを軸に就職活動を進めました。その中で、生活に身近な製品を幅広く手がけるパナソニックに魅力を感じ、入社を決めました。
2022年の入社後は、住宅向けエネルギー機器の制御に関する研究開発テーマに一貫して携わっています。具体的には、電力データの分析や制御アルゴリズムの開発、実験住宅を使った実証実験などです。AIやデータ分析、統計、最適化技術など、学生時代に学んだ知識を活かしながら開発に取り組んでいます。

写真:パナソニック エレクトリックワークス 西村 浩人さん
-研究を進める中でどのようなことを意識していますか。

研究を進めるうえで常に意識しているのは、「お客様の生活が本当に良くなるのか」という視点です。開発した技術が、日々の暮らしの中でどのような価値を生むのかを重視しています。
そのため、シミュレーションだけに頼るのではなく、実際のデータに基づいた知見を大切にしています。例えば、構内の実験住宅を活用し、机上の検討だけでは捉えきれない実際の生活環境に近い条件での評価も行っています。
また、自分自身も一人の生活者として、「もし自分が使うならどう感じるだろうか」という視点で、お客様の要望や生活のリアルを想像することも心掛けています。このように、技術と生活の両面から考え続けることで、暮らしに寄り添った価値を生み出す研究に取り組んでいきたいと考えています。

写真:パナソニック エレクトリックワークス 西村 浩人さん
-DRアグリゲーション技術により実現したい世界など展望がありましたらお聞かせください!

将来的には、自社の事業を通じて、脱炭素社会の実現と暮らしの経済性を両立できる仕組みを構築したいと考えています。
蓄電池やEVといった分散型エネルギーリソースは、適切な制御によって大きな価値を生み出す可能性を秘めています。
一方で、制御対象となる機器が増えるほど満たすべき条件や制約も増加するため、より複雑な課題に対応可能な高度なエネルギー制御技術が不可欠です。私は、これらをいかにシンプルかつ構造的に設計し、新たな技術によって価値を創出していくかに強い関心を持って取り組んでいます。
こうした取り組みを通じて、地域全体の電力安定性と脱炭素化に貢献するとともに、電気代の高騰を抑えることで、誰もが自然に導入できる環境を整えていくことを目標としています。

西村 浩人(にしむら ひろと)​
研究開発​
2022年入社 工学研究科卒​​

大学では、AIを用いたインタビュー分析を通じて暗黙知の言語化について研究し、データ分析でくらしに新たな価値を生み出す仕事に魅力を感じてパナソニック エレクトリックワークスに入社しました。趣味の野球では分析の知見は活かせず打率は低空飛行ですが、業務ではデータ分析スキルを活かしてお客様の役に立てることを楽しんでいます。​​

社員インタビュー

開発研究

未来に向けたさまざまなイノベーションを牽引する仕事。人々のくらしを、社会を、地球環境を変えていく、最先端のフィールドです。国内外の産官学と積極的に連携しながら、最先端のテクノロジーを創り出していきます。

詳細を見る