この国の自然と風土、歴史と文明のなかから生まれ、育まれてきた庶民の住まい「民家」。モダニズムの建築や今日の住宅を考える上でも、私たちの原点といえるでしょう。一方で快適で合理的なライフスタイルを優先する現代的な感覚にはそぐわなくなり、いにしえの民家は日本の風景から確実に姿を消しつつあります。
1957年から59年にかけて発行された『日本の民家』全10巻は、日本が国際的な経済発展に向けて飛躍しようとしていた頃に、あえて民家の最期の美しさにカメラを向けて、世間を瞠目させました。大地とつながる民家の力強さ、そしてそこに蓄積された民衆の働きと知恵をとらえた280点のモノクロ写真は、現在、国際的に高く評価される二川幸夫が20歳前後に撮影したものです。文章は当時新鋭の建築史家、伊藤ていじ(1922-2010)が著しました。
二川幸夫は確かな評価眼を通して見たものを建築写真として定着し、自ら主宰する出版社を中心に発表してきました。優れた建築を追って世界中を駆け巡り、比類のない作品を精力的に残してきた彼の建築の旅の原点は、この『日本の民家』にあります。
本展は1955年にさかのぼって、若き日の二川幸夫がとらえた貴重な民家の姿、そして日本人の本来の逞しさと しなやかさを、選び抜いた約70点の作品にご覧いただきます。ここに見るような建築のあり方を、これからの 日本で再構成することはできるのでしょうか―そんな想像がふくらむ展覧会です。
当館学芸員が展示内容を解説します(申込不要)
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国際的に愛読されてきた建築雑誌『GA』=Global Architecture の書名の通り、
世界中を旅し、名建築を追い続けてきた二川幸夫氏が、現代の若者に伝えたいこと
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2012年のヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展で金獅子賞受賞、
いま、最も注目されている若手建築家が自身の作品を語る。
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日本の民家研究のなかで、実証的、芸術的、思想的な側面で独自の体系を築いた
建築史家・伊藤ていじの再評価を試みる。
11月1日(木)10時から申し込み開始。
受付は先着順、定員になり次第締め切らせていただきます。
下記(A)(B)(C)のいずれかの方法で お申し込み下さい。
問い合わせ:ハローダイヤル 03-5777-8600
ご来場いただいた皆様にもれなく本展オリジナル・ブックマーク(PP製)を差し上げます。