パナソニックインパルス
2年連続22回目のグリーンボウル制覇
5月28日、神戸市王子スタジアムで行われたパナソニックインパルスとエレコム神戸ファイニーズのグリーンボウルは40対14でインパルスが大勝。2年連続22回目の優勝を遂げた。
総獲得439ヤード対229ヤード。シリーズ更新23回対16回、インパルスが持ち前の力強さを発揮した。
新人WR#83山下宗馬の好キックオフリターンで自陣44ヤードから最初の攻撃を始めたインパルスは、RB#42立川玄明、新人RB#27岩月要のランで3度シリーズを更新しゴール前16ヤードまで侵攻。しかし、TDを狙ったパスをはじいてしまい、インターセプトされてチャンスを逸してしまった。
この悪い流れを瞬時に断ち切ったのが守備だった。エレコム神戸の3プレー目、エンドゾーンの中からパスを狙っていたエレコム神戸のQBをDB#20齋藤健太がブリッツで急襲してセーフティによる先制点を挙げた。
直後のキックオフリターンではLB#9小西憂がエレコム神戸陣42ヤードまで戻す好リターンでチャンスを作ると、2プレー後にQB#8石内卓也がWR#88木戸崇斗へのロングパスTDを決めてモメンタムを掴んだ。次の攻撃機会には石内からのパスを捕球したWR#81小倉豪が競り合った相手を弾き飛ばして48ヤードを一気に前進し得点圏に迫り、K#16佐伯眞太郎の31ヤードFGにつなげて12対0とした。
第2Q早々にDB#37魚谷海仁のインターセプトで得た自陣48ヤードからの攻撃は、QB#12荒木優也を起用。相手のラフィング・ザ・パサーの反則によって大きく前進。WR#2 Leonsha Fieldsへの7ヤードTDパスで加点。さらに、前半残り1分39秒、自陣25ヤードから始まった攻撃は、WR#82大塩良至への2度のパスを足がかりにゴール前5ヤードに迫ったが、TDを狙ったパスをインターセプトされて、19対0で前半を折り返した。
第3Qは開始早々に飛び出した守備のビッグプレーが試合の主導権を守り続けた。後半最初の相手のパスをDB#23 Joshua Coxがインターセプトに仕留めて攻撃にチャンスを提供すると、RB#19小泉誠実が計6回ボールを持って前進し2ヤードTDランに繋げた。
第3Q中盤からは積極的にブリッツを仕掛けたインパルス守備の裏をとったエレコム神戸の攻撃に前進を許し、7分5秒におよぶボール支配をされた末にTDを奪われた。しかし、第4Q早々にQB石内からWR木戸へのロングパスTDですぐに突き放した。
第4Q中盤のドライブは、RB#26藤本拓弥、TE#6成田光希らが活躍し1TDを追加した。
グリーンボウルを制したインパルスは、6月10日に神戸市王子スタジアムで開催される神戸ボウルで、ライスボウル2連覇中の富士通フロンティアーズと対戦する。
試合後コメント
監督インタビュー
監督 荒木 延祥
Q:試合は大勝となりましたが内容について、良かった点、悪かった点を教えて下さい。
A:守備は積極的に仕掛けて最初にセーフティをとったこと、ターンオーバーを4つ奪った事が評価できます。攻撃はラン・パスともにコミュニケーションが良くなり、この2週間で精度が上がりました。ディレイオブザゲームやパーソナルファールなど不必要な反則、不用意なインターセプトはしっかり反省しなくてはいけません。
Q:MVPを受賞したQB石内選手の監督の評価は?
A:練習を含め、前節よりも内容が良くなりました。プレッシャーがかかる中でもポケットの中でギリギリまで粘れたのは良い傾向です。
Q:守備は相手にかなりプレッシャーをかける戦略が見受けられましたがどんな方針でしたか?
A:3DLでいかにランプレーを止められるか等、秋に向けて色々試しているところです。
Q:新しいコーチも加わりましたが、2試合を通じて、ベンチワーク、連携について収穫はありましたか?
A:矢部(寛之)コーチは練習、試合ともに多くのアイデアを出してくれているので選択肢が広がっています。
Dee(Maggitt)コーチは選手とよくコミュニケーションをとって、DBのスキルアップに貢献してくれています。
Q:次の神戸ボウルの目標は?
A:勝敗よりも選手が失敗を恐れず積極的にチャレンジして成長のきっかけを掴める内容にしたいです。
選手インタビュー
QB#8 石内 卓也
Q:MVPを受賞された率直な心境を教えてください。
A:素直な気持ちとしては内容に満足いってないので複雑です。チームメイトが自分以上に喜んでくれたことはとても嬉しかったです。
Q:この試合に個人的には勝敗以外にどんなテーマを持って臨みましたか?
A:判断を早くすること、シチュエーション・プレーコールの意図をくみ取り相手の弱点をつくことを意識しました。
Q:今日の試合で出来たこと、できなかったことを教えて下さい。
A:相手の守備を冷静にリードしプレーすることはできました。ロングパスを決めることができたのも成果だと思っています。一方で、不用意なインターセプトがあったこと、狭いスペースでもパスを決めきることが今後の課題として残りました。
Q:富士通戦にはどんな意気込みで臨みますか?
A:試合の流れを作っていけるようなテンポのいい攻撃をみせます。自分たちを信じ合いプレーをしっかり遂行することを意識して勝ちに行きます!
選手インタビュー
LB#1 青根 奨太
Q:試合の内容的にどんな評価をしていますか
A:全員に対して1プレー目から自分たちのペースで試合を進めることをテーマに臨みました。一回戦の福岡SUNS戦では攻撃は最初のシリーズは3ダウン&アウト、守備はTDを許してしまい、結果として勝利したものの大きな課題が残りました。エレコム神戸戦では攻守蹴に関わらず1シリーズ目、1プレー目から、自身がどんなマインドで相手と戦うのかをテーマとして明確に持った結果、全員が徹底して攻めたプレーが出来ました。反面、攻めた中でもまだまだ修正できるところ、反則の多さなど、たくさんの課題が残りました。チームとしてもまだまだ高いレベルを求め続けるように、頭を切り替えて取り組んでいます。
Q:ご自身のLBとしての出来はどう自己評価していますか?
A:自身としては春季のトレーニングの効果が発揮できており、昨年よりも平均してプレーの無駄が減ったと感じています。
しかし、スピードが出すぎた分をコントロールしきれていない面や、タックルで仕留めるにしても、もう1歩奥に踏み込んで相手を倒すことなど、まだまだ課題があるなと感じております。また、今年は守備リーダ―のDB齋藤健太さんを筆頭に、守備の中でたくさんコミュニケーションを取ってくれており、DL、DBとの連携もうまくできているので、迷いのない状態でプレーできております。
Q:今季背番号を1番に変更した理由を教えて下さい。
A:兄の智広が昨シーズン限りで引退したため、兄の分まで頑張ろうと思い、兄のつけていた1番に変更しました。兄のおかげで今の自分があるので、1番をつけてプレーすることには様々な思い入れがあります。
Q:富士通戦にはどんな意気込みで臨みますか?
A:今年は主将を務めさせていただき、スローガンに『PASSION』を掲げました。
プレーはもちろん、フィールド外での行動のすべてに日本一になるという情熱を注ぎこむことで今年こそ日本一を掴み取ろうという思いで、今季のチームはスタートしました。まだ春シーズンの段階ですが、選手だけでなく監督・コーチ・スタッフ全員が同じ方向を向き、PASSION全開で取り組んでくれていると思います。そんな中で春に富士通と試合ができることは、インパルスにとって非常に良い機会と捉えています。これまで積み上げてきたものを出し惜しみなく、富士通戦で発揮したいと思います。目の前の富士通戦で、どんな試合をしたいのか、どんなプレーをしたいのか、どんなチームでありたいのか、チーム全体に問いかけ続け、より一層PASSION溢れるインパルスをお届けできればと思います。
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