「サバを読む」と言うのはなぜ?

日常でよく耳にする「サバを読む」という慣用句は、“都合のいいように数をごまかす”という意味でよく用いられますが、江戸時代にはすでに使われていたと言われています。語源は諸説ありますが、鯖の数え間違いから使われるようになったことが有力とされています。鯖は大量に捕れるものの、外見に変化はなくても腐っていることがあるほど他の魚に比べて傷みやすい魚です。現在のような冷凍技術がない時代、漁師や魚屋が鯖を数える時は、なるべく鯖が傷まないうちにと早口で数えていました。しかし、そのせいで目分量の適当な数になってしまい、実数と合わないことが多かったそうです。このことから、いい加減に数を数えることを「鯖を読む」といい、これが転じて現在の「数をごまかす」という意味になったといわれています。

参考書籍:雑学大全 東京雑学研究会