お祝いで赤飯を食べるのはなぜ?

現代の赤飯はもち米に小豆やささげ豆を加えて炊きますが、かつては赤米を蒸したものだったようです。赤米とは、縄文時代に初めて中国大陸から日本に伝わってきたお米(インディカ種)で、炊きあがるとちょうどお赤飯のような色をしています。日本では古くから赤い色には邪気を祓う力があると考えられており、加えてお米が高級な食べ物であったことから、神様に赤米を炊いて供える風習があったと言われています。そこから災い避けや、魔除けの意味でお祝いの席で振舞われるようになりました。庶民の多くは赤米を江戸時代になる前頃まで食べていましたが、稲作技術の発展による品種改良で、味が良く収穫量が安定する現在のお米(ジャポニカ種)に変わってきました。しかし、赤い色のご飯を供える風習は根強く残っていたので、江戸時代中期の頃、代用品として白いお米を小豆で色づけしたものがお赤飯(あるいは小豆飯)として広まったと考えられます。

参考書籍:雑学大全 東京雑学研究会