渡り鳥とは、季節によって定期的に往復移動をする鳥のことで、食糧や繁殖などの事情に応じて何千キロという長い距離を移動します。毎年同じコースを飛び、北半球では北の地域で繁殖し南の暖かい地域で越冬しますが、迷わずに去年と同じ場所に戻ってくるのが、また不思議ですよね。実のところ、何を道しるべにして迷わずに飛んでいるのかは、はっきりと解明されていませんが、基準にしているのは人間と同じ方向感覚・地理感覚ではありません。現時点の研究では、鳥の脳内に体内時計があり、昼間は太陽の位置、夜は星座の位置を頼りにして、方位を補正しながら一定の方角に飛んでいると考えられています。また、地球の磁気や風向き、日照時間なども、渡り鳥の道標になっていると言われています。毎年繰り返される鳥の渡り。台風に巻き込まれたり、時にはハヤブサなどの猛禽類に襲われて命を落とすこともあるでしょう。春と秋、時には空を見上げて、渡り鳥たちの安全な旅を祈りましょう。
参考書籍:雑学大全 東京雑学研究会