多くの人が普段あまり意識せずに使っている車の「助手席」という言葉ですが、この言葉の由来をご存知でしょうか?そもそも助手席というのは日本独自の表現で、英語では「Passenger Seat」や「front seat」と言います。これは「乗員席」もしくは「前の座席」を意味しており、「助手」と表現することはありません。ではなぜ「助手席」と言われるようになったのか。由来には諸説ありますが、タクシーの業界用語が最も有力な説とされています。日本にタクシーが誕生したのは、今から100年以上昔の大正時代。和服が主流だった当時、ドアを開閉したり座席に座ること自体が窮屈であったため、乗降の手助けをする必要がありました。また、当時は道路環境が今ほど整備されておらず、走行中に不便が起こることもしばしばあり、そうした際の運転手のアシスタント的な役割も行えるよう、運転手の隣に座る「助手さん」が乗車していたことから、のちに「助手席」という言葉が残り定着していったとされています。
参考書籍:雑学大全 東京雑学研究会