結婚式、アカデミー賞の授賞式など、公式のセレモニーのゲストを歓迎するための通り道として敷かれるレッドカーペット。なぜ赤い絨毯が用いられるようになったのかご存知でしょうか?最も古くは、紀元前458年に詩人アイスキュロスが書いた、オレステイアという本に登場するアガメムノンという、ギリシャ神話の英雄のエピソードが残っています。この物語では、戦争に参加したアガメムノン王が、赤い道を通るように言われ、彼は「そのような道を歩けるのは神々のみだ」と、断わります。赤い道=高貴な人々や神々が通るものとされ、炎や太陽を神聖なものとして捉えていたという史実が残っています。これは日本でも共通する部分があり、赤は太陽や火の色であり、邪気や不安を払う聖なる色とされていました。このことからレッドカーペットに限らず高級なものは赤というイメージが定着していき、催事・神事において重要な立場の人物が通る道には、赤い絨毯が敷かれるようになりました。
参考書籍:雑学大全 東京雑学研究会