隣の人間と身体が接したりするような、混雑した電車やエレベーターの中では、確かに不快に感じることが多いですよね。蒸し暑いわけでも、酸素不足でもないのに、なんとなく不快なものです。あるいは、ガラガラにすいている電車で、ほかに席がたくさんあるというのに、すぐ隣に席を取る人がいたら、これもなんとなく居心地が悪い。誰でもこんな経験はあると思います。これは、心理学用語で「パーソナル・スペース」と呼ばれる空間に、人が侵入してきたため。この空間は自分の身体の周囲にあって、ほかの人の侵入を拒む、いわば見えない「なわばり」「自我の延長」のような空間を誰もが持っているのです。

参考書籍:雑学大全 東京雑学研究会