プロジェクト紹介

環境設備×建築「私たちの取組み」

高度経済成長のけん引役にもなり、いまなお世界第二位の日本経済を支えている、重化学工業。その重化学工業にとって重要な役割を果たすアイテムの一つに、クレーンなどの搬送機械があります。私たちは今回、大手重機械メーカーの大型搬送機械工場内塗装工場の、設備と工場建設を一括で請け負いました。


塗装換気設備

「地球環境と生産環境」二つの環境の改善は企業の責任

重化学工業に欠かせない鉄製品は、錆び止めなどの役割を担う適切な“塗装”の行程を経て完成品になります。
しかし塗装に使用する溶剤には、VOC(揮発性有機化合物)などの有害物質を排出する場合があり、「改正大気汚染防止法」(2006年4月施行)ではVOCの排出量を、2010年までに自主規制も含めて約30%(2000年度比)削減する事が定められているため、これを受けて様々な製造業で、VOC排出への対策が進められています。塗装作業環境も、地球環境もクリーンであることが求められているのです。

「ゼネコン&サブコン」当社だけの強み

さて、皆さんは「ゼネコン(General Contractor)」という言葉を知っていますか?
工場建設時に建物の工事関連すべてをとりまとめて一括請負する企業のことをこのように呼びます。
そして、工場内部に設備を設計施工するのが「サブコン(Subcontractor・Specialist Contractor)」と呼ばれる専門業者です。
私たちはサブコンとして、様々な分野で環境設備の設計、施工を担うかたわら、“環境建築”という独自の概念を確立し、環境に配慮した空間の創造、建物の提案を行ってきました。
そう、私たちはゼネコン&サブコンの役割を同時に持っている、珍しい会社なんです。
今回、大手重機械系企業の大型搬送機械工場の塗装工場建設にあたり、その独自性が評価され、建物から設備までの工事を一括で請け負うことになりました。
確かな設備技術と多くの実績を持つ当社だからこそ、この斬新なプロジェクトは成功したのです。


品質と信頼。私たちの現場力。

パナソニックグループのイメージはメーカーである。製品の設置やメンテナンスに関連する工事以外で、このような環境設備の設計施工、工場建設に携わっていることを知る人は少ない。しかし、業界は違ってもパナソニックに求められる品質への期待と信頼は変わらない。その期待と信頼を裏切らないためにも、私たちは建設現場のプレハブ小屋に駐在して寒い日も暑い日も、雨の日も風の日もヘルメットに安全靴で何十キロも現場を歩き続ける。

苦労を重ねた現場に完工の灯りが見えた時、
青木も西本も口を揃えてこう言った。

「自分の考えたことを、様々な協力会社の皆さんと協力して形にする。施設が立ち上がった時の感動はなにものにも代えられないし、お客様に感謝の言葉を頂いた時は強いやりがいを感じました」


プロジェクトリーダーの現場力

環境建築事業グループ 環境建築EBU 青木正夫 設備工事と建設工事の融合

理想は、建設業者も設備業者も、さらにお客様も、みんなが「家族」のようになること。

建屋を作るゼネコンと、設備を入れるサブコンとの間には、お互いの利害や専門性によって明確に仕事の棲み分けがあり、そのために非効率が生じることもある。このような非効率をなくし、安価かつ短工期で施工する、このことが建物と設備を一括で請負う我々の最大の強みである。
現場代理人(現場での総責任者。社長の代わりに現場の一斉を執り仕切る)として建築分野を受け持った青木の理想は、建設業者も、設備業者も、さらにお客様も、みんなが「家族」のようになることだった。

工事も後半にさしかかったある日、青木は、悩んでいた。稼動中の工場敷地内での工事だったため、お客様の生産活動を優先させるため、予定した作業が行えないことがあり、工期に遅れが出ていたのだ。
そこで青木は、建屋建設を進めながら同時に設備を設置するという荒技にでた。ここでも設備と建設の一括請負が功を奏したのだ。もし別々の業者が請負っていたらそれぞれの立場で譲れない条件があって、こんな無理を通すのは至難の技だったかもしれない。このようなことをスムーズに実行できたのも、「家族」であったからこそだった。

建築屋、設備屋、それぞれの利益を追求すると、お客様の負担は大きくなるんですよね。

「お父さんやお母さんの願いって、息子としてなんとか叶えてあげたいと思うもんじゃないですか?だから一生懸命取り組める。設備屋、建築屋、それぞれの利益を追求すると、お客様の負担は大きくなるんですよね。たとえば打ち合わせだって、各業者と個々にやっていくと大変ですよね。私に任せて頂いたら、すべて私がやります。言いたいことは一人に言うのが気楽でしょう?」


工事現場(建屋建設を進行しながら設備を設置している様子)


環境・水事業グループ 生産環境EBU 西本雅史 求められる環境設備

綿密な情報交換でひらめいた解決策を具現化

様々な物件に対応してきた当社のエンジニアでも、初めての対象物に遭遇する事がある。
設備設計を担当した西本はこの物件の設計にあたって、被塗物、機器、工場の空間などあらゆる理解を深めながら詳細設計を進めた。事前に綿密な打ち合わせを行い、客先の工場で何が求められているのかを的確に汲み取ることは、設計者として何よりもまず先に求められる条件だ。
また、与えられたあらゆる条件に合うシステムを考案できるかどうかが設計者のセンスの見せどころであり、最も苦労するところでもある。試行錯誤して図面を作っていく中で、綿密な情報交換でひらめいた解決策を具現化すること、そしてそれをお客様に認めて頂くことが、プロの設計者にとって必須のスキルなのである。

“進化していくプラント”を設計するということ

プラントとは、様々な設備の集合で成り立つ。一品完結して世の中にでていく「商品」(あなたが今操作しているパソコンや携帯電話、ノートなど)と違って、簡単に買い替えることのできないものだから、将来の状況変化に柔軟に対応できることがポイントになる。たとえば増改築の必要が生じた時や機器が経年劣化してしまった時に、「生産を止めて工場を作り直しましょう」では、話にならないのだ。

設計者は、
同時に営業マンかもしれませんね。

「設計者は、ただ机に向かって考えているばかりではないんです。自分の設計をお客様に認めてもらうためにはどう説明すればいいのか自問自答して、ひとりでこっそりお客様にプレゼンする練習をしたりしました。設計者は、同時に営業マンかもしれませんね」

「初期設計のおかげで増改築がスムーズだった」という結果になれば嬉しいですね。

「お客様の事業や市場を充分に理解する事で、よりよいアイディアを図面化する助けになります。これから5 年後、10年後、たとえ私が担当しなくても『初期設計のおかげで増築、改築が柔軟に対応できて助かった!』という結果になれば嬉しいですね」