ZEHって何? 省エネ・創エネ・蓄エネの違いを知っていますか?

東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年(平成32年)以降、日本の住宅における省エネ事情が大きく変化することが予想されています。
2013年(平成25年)に改正された省エネ基準が、2020年には義務化され、新築戸建の50%をZEH(ゼッチ)とすることを政府が目標としているからです。

でもその前に・・・2013年の改正省エネ基準とはどういうもの? ZEH(ゼッチ)とは? そもそも省エネとは?
省エネと同様によく聞く創エネ、蓄エネとはどういうもの?

よく聞く省エネの話題ですが、疑問は尽きませんよね。そこで、さまざまな情報を整理してご説明します。

ZEHって何? 省エネ・創エネ・蓄エネの違いを知っていますか?

2013年改正の省エネ基準とは?

日本で省エネルギー、省エネに関する法律が制定されたのは、1979年(昭和54年)のこと。
続いて1993年(平成5年)に「新省エネ基準」が、1999年(平成11年)には「次世代省エネ基準」が制定されました。
そして2013年、省エネ基準が改正されました。
段階を追って、住宅に求められる省エネ性の基準が高くなっていることが分かります。
この、一番最近改定された基準が「2013年の改正省エネ基準」と呼ばれています。

これまでの改正の内容は、主に次のとおりです。

制定(改正)年 制定(改正)内容
1979年(昭和54年) 断熱性の基準新設
1993年(平成5年) 断熱性の基準強化
1999年(平成11年) 断熱性の基準強化
日射遮蔽性の基準新設
2013年(平成25年) 断熱性・日射遮蔽性 +
一次エネルギー消費量の基準新設

この省エネ基準は、2013年4月1日から非住宅建築物に、同年10月1日から住宅の建築基準にも適用されています。

ZEH(ゼッチ)の基準とは?

それでは、ここ数年の家づくりでよく聞くようになった「ZEH」(ゼッチ)という言葉は何なのでしょうか?

ZEHとは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略で、省エネ基準の一つです。

簡単にいうと、
「省エネ」によって使うエネルギーを減らし、「創エネ」によってエネルギーを生み出し、エネルギー収支を実質ゼロ(もしくはゼロ以上)にする
ということ。

つまり「使うエネルギーよりも、創るエネルギーの方が多い家」ということです。

政府は住宅のCO2(二酸化炭素)排出量を削減するLCCM住宅(ライフサイクルカーボンマイナス住宅)を最終目標に、「低炭素化住宅」を促進しており、ZEHもその中の1つの基準です。

また、「低炭素化住宅」の取り組みの中で、「ZEH」だけでなく「2013年改正省エネ基準」も含めていくつかのレベルに分かれて省エネ基準が設定されています。
低炭素化住宅は、次のレベルでイメージしていただくとよいでしょう。

レベル 一次エネルギー消費量の基準
一般住宅 断熱性能基準レベル
一般住宅 2013年改正省エネ基準レベル 外皮性能 + 一次エネルギー消費量
認定低炭素住宅 外皮性能 + 一次エネルギー消費量マイナス10% + 選択的項目
ZEH(ゼッチ) 一次エネルギー消費量がゼロ以下
LCCM住宅 トータルエネルギー消費量がマイナス

この表でいうと、2020年には、「2013年改正省エネ基準レベル」が義務化され、さらに高い水準の「ZEH」が半数になるという状態を国が目指している、ということになります。

表の中にもあり、ZEHの基準でも記載のある「一次エネルギー」についても説明しましょう。

一次エネルギーとは

「一次エネルギー」とは、自然界から得られるエネルギー源のことです。
自然界から得られるエネルギー源には、主に次のものがあります。

  • 石油
  • 石炭
  • 天然ガス
  • 水力
  • 太陽光
一次エネルギーとは

対して二次エネルギーとは、一次エネルギーを変換・加工して得られるエネルギーのことを言います。
二次エネルギーとしては主に以下のものが挙げられます。

  • 電気
  • ガソリン
  • 都市ガス

私たちの生活に身近なのは二次エネルギーですが、電気やガソリンなど、それぞれのエネルギーで単位が異なるため、共通の指標として一次エネルギーに換算した指標が使われているのです。

省エネ・創エネ・蓄エネの違いとは?

それではZEHの説明の中で出てきた、「省エネ」「創エネ」、そしてこちらも最近よく聞くようになった「蓄エネ」の違いについてご説明しましょう。

省エネ

「省エネ」とは「省エネルギー」の略で、エネルギーを効率良く使用することを言います。
石油、石炭、天然ガスといった一次エネルギーは、無限ではありません。
一次エネルギーが枯渇してしまうと、その一次エネルギーから生み出される二次エネルギーも無くなってしまいます。

そのため、一次エネルギーを効率的に使う、つまり少ないエネルギーで大きな効果をもたらすことが求められています。
たとえば、住宅においては「省エネ設備」などが、それに当たります。

省エネ

設備だけでなく、家の断熱や間取りなどの工夫によって、省エネを実現することもできます。

このように、現代の家づくりにはさまざまな形の省エネが求められています。

創エネ

「創エネ」とは、エネルギーを創ることを言います。
住宅で言えば、太陽光発電などによってエネルギーを生み出し、家の設備に電気を供給することができます。

つまり、自然の力でエネルギーを創り出すことによって、エネルギーの自給自足が可能になるわけです。

省エネ

先にZEHの基準は「一次エネルギー消費量がゼロ以下である」とご紹介しました。
「省エネ」によって一次エネルギー消費量を減らし、「創エネ」によって生み出されたエネルギー量が消費量を上回れば、一次エネルギー消費量がゼロ以下になります。

創るエネルギー量が、使うエネルギー量よりも大きいか、おおむね同じ量になることを目指した住宅。それがZEHなのです。

蓄エネ

「省エネ」「創エネ」に続き、今は「蓄エネ」という考え方も広まっています。
「創エネ」によって生み出されたエネルギーを蓄えておくこと、それが「蓄エネ」です。太陽光発電の場合、電気を作るのは太陽が出ている昼間ですが、昼間に作った電気を貯めておけばより効率的に使うことができます。
また、もし何か事故や災害などによって電気が使えなくなった場合にも役立ちます。

まとめ

まとめ

ZEH(ゼッチ)とは、一次エネルギー消費量がゼロ以下となる家のこと。
このZEH基準をクリアするためには、省エネだけでなく創エネも必要になります。

省エネとは、少ないエネルギーで大きな効果をもたらすことであり、創エネとは太陽光発電など自然の力によってエネルギーを創り出すことです。

この省エネと創エネによってZEHが実現すると、環境にやさしいだけでなく、光熱費を削減できたり、補助金や税制優遇制度が活用できるなどのメリットがあります。

環境にも家計にもやさしい住まいを実現したい方は、ぜひZEHについて調べてみてください。