バンブーラ踊り(『ユビュおやじの再生』)

Bamboula from Réincarnation du Père Ubu

1928年 銅版に、エリオグラヴュール、オーフォルト、アクアティント、 ルーレット、シュガー・アクアティント他・紙

画商ヴォラールの依頼を受け、彼の書いたテキストに挿絵を描いた豪華本『ユビュおやじの再生』は、記念すべきルオー最初の版画集である。1917年頃から下絵や版画制作に取り組み、1932年に最終的に刊行された。ヴォラールの本文の他、ルオーによるオリジナルの単色銅版画22点と彼の下絵による木口木版画104点が収載される。ルオーは、当時出版を切望していた版画集『ミセレーレ』をヴォラールが引き受けることを条件に、画商の申し出を承諾した。物語は、フランス植民地を舞台に品性下劣な人物「ユビュおやじ」が荒唐無稽な言動を繰り広げる珍奇なもので、社会風刺や皮肉もたっぷり含まれる。自発的に関わった仕事ではなかったとはいえ、ヴォラール創作の非西欧的な世界を視覚化する作業は、ルオーの造形性とイマジネーションに新たな展開をもたらした。ルオーは熱帯地方やアフリカへ旅したことはなく、『ユビュ』に登場する異国的光景は完全に想像上のものである。おそらく当時の雑誌や大衆娯楽が彼のイマジネーションを広げる素材になったと考えられる。《熱帯の風景》(cat.no.41)は、地平線に向かって収斂する一本の道が中央に描かれる。ルオーの風景画における典型的構図のもっとも早い作例として注目されよう。