小さな女曲馬師(『流れる星のサーカス』)

La petite écuyère from Cirque de L'Etoile Filante

1935年 シュガー・アクアティント、アクアティント

ルオーが最も好んだ主題の一つであるサーカスを描いた詩画集「」流れる星のサーカス」は、サーカスの踊り子や道化師という主題には、先例としてトゥールーズ=ロートレックやスーラの作品があるが、生き生きと動く人や動物を描く口実として選ばれることが多い。しかし、ルオーの描く人物たちは、むしろ舞台裏で静かに佇んでいるように見える。シュガー・アクアチントによる華やかな色彩と対照的に、彼らの表情は寡黙である。本作において、ルオーが社会の底辺に生きる彼らの人間としての新の姿を描くことを主題としていたことが窺える。