避難する人たち(エクソドゥス) 

Exode La route est longue

1948年 油彩・厚紙(板で裏打ち)

『出エジプト記(エクソドゥス)』は旧約聖書の一書で、エジプトを追われたモーセとイスラエル人の危難の脱出行を伝える。ルオーはこの物語に重ね合わせ、打ちひしがれてあてどなく歩く人々を主題とした作品を1906年頃から描いている。本作はこれらの集大成とも言える重要な1点である。この作品を風景画として純粋に位置づけることはできないが、流浪者というものが貧困や戦争などの人間社会の営みによって生み出されることを強く認識していたルオーは、人の住むこの世の姿である風景を人物たちの背後に丁寧に描きこんでいる。