キリストと漁夫たち

Christ et pêcheurs

1947年 油彩・紙(板で裏打ち)

キリストがたたずむ水辺に大勢が集う。ある者は舟上で漁に勤しみ、ある者はこの平和なひと時に静かに身をゆだねる。地域的に特定できない想像上の景色だが、漁師だった者を使徒としながらキリストが布教をおこなったガラリヤ湖畔が想起される。第二次大戦前後の時期、ルオーの色彩は一段と鮮やかに変わっていった。この作品の基調色である青も、1910年前後に水彩で追求した青色よりもいっそう輝きを増し深いものとなっている。黒の輪郭線を境に深緑の海の色、濃紺色や薄緑といった様々な青系の色と陸地の茶褐色とが互いを損なうことなく配置されている。色彩表現におけるルオーの類まれなる才能を示す1点といえよう。