ブルターニュの風景

Paysage de Bretagne

1915年 油彩・紙(麻布で裏打ち)

真っ青な海を背景に切り立つ丘と家々が描かれ、灰色の空には薄日が差している。画面上部に水平線をもってきたことで、海が目の前に迫ってくるようだ。手前の丘陵を登っていく道は、画面に広がりと奥行きをもたせている。陽光あふれる明るい南仏の海ではなく、ルオーは厳しいブルターニュの海景を好んだ。ウルトラマリンに深い灰色味がかった海と赤褐色の大地の対比には、ルオーの色彩とマティエールへのこだわりが見える。後年、ルオーの作品に度々登場するモティーフ−海岸、画面奥へ伸びてゆく道、塔など−がすでに現れており、ブルターニュの光景が聖書風景への源泉となった可能性が高い。