空間をアートに導く
「Art & Interior」
4K OLEDテレビ

4K OLEDテレビの正面

これまで薄型テレビのデザインは、インテリアとの調和性の中で語られてきた。躯体の存在を空間のなかでどう目立たなくさせるかが焦点であった。しかし、極限の薄さと軽さを備えた有機ELの誕生によって、デザインの世界に新たな扉が開かれた。それは重量感や圧迫感を気にすることなく、リビング空間のさまざまなポジションに設置してみたくなる自由を秘めている。有機ELビエラという一枚のアートがあることで空間が濃密になったりインテリアに軽快な動きが生まれる。それこそが私達の求める新しいインテリアデザインであり、「Art & Interior」という思想である。

4K OLEDテレビを斜め上から見下ろしたカット

映像と音を宙に浮かせる

有機ELの魅力は、自発光というデバイスの特性を活かした画質表現の豊かさである。しかし画面への没入感が高まるほど、音の響きにもナチュラルさが求められる。例えば、森の中で小鳥の澄んださえずりが響いている。しかしながら音のありかはわからない。そんな音と映像がリアルに宙に浮かんでいる感覚を実現するために、さまざまなアイデアを追求した結果、パネルと前面スピーカーを一本の細いフレームでつないだデザインを考案。その実現にあたり、テクニクスの音響理論を駆使して、有機ELパネルと組み合わせても遜色がない超薄型で高音質な16個のスピーカーを開発した。画質の進化によって、音響システムとデザインの両面が進化を遂げた。

4K OLEDテレビスピーカー部クローズアップ

色感と手触りのエレメント

リビング空間の中で目に入ってくる素材として、ガラス、金属、ファブリック、レザーなどが挙げられる。高級家具のほとんどが、これらのマテリアルで構成されている。「Art & Interior」というデザイン思想で大切にしたのは、色感においても、手触りにおいてもインテリアと不協和音を起こす素材を使わないこと。例えば、スピーカーのフロントは、金属の糸を編み込んだミックス・テクスチュアでブラックを表現。モダンな高級ソファの張り地の色感に近づけている。また樹脂で作られたパーツの表面は革の型押しをエッチングし、手で触れた時の質感もレザーの風合いを再現した。

4K OLEDテレビが置かれたインテリア

360度の美学

デザインの巨匠が制作したソファを眺めるように、あらゆる角度からのデザインを鑑賞してみてほしい。パーツの継ぎ目ができることを嫌い、無垢の金属を一体成型することにこだわった結果、美しき線を破壊する凹凸が極限まで消されていることに驚くはずだ。また、遠くから眺めるとブラックの単色のように見えるが、近くで見ると、金属のヘアライン、樹脂のマット仕上げ、複雑な糸が編みこまれたファブリックなど、少しずつ表情の違うブラックが表現されていることにも気がつくだろう。
便利さ、楽しさを追求するだけでなく、空間そのものの質を高める存在へ。「Art & Interior」の思想は、映像ディスプレイとインテリアとの関係をさらに深めていく。