デザインは目に見える「モノ」だけがすべてじゃない。目に見えない「コト」を生み出すのも、デザインの重要な役割だ。
スマホアプリと連携し、買った後もメニューが増やせるビストロNE-BS2600。美しいプロダクトデザインだけでなく、目には見えない「サービス」や「体験」といった新しい価値をも創出している。
ユーザーの豊かな食体験を共に育む、アップデータブルな調理家電
従来の機器開発では、機器の中にどれだけの価値を詰め込めるか、前の機種や他社製品よりも何がどれだけ優れているかという軸で価値提案が行われていた。しかし、機能が豊富になればなるほど、ユーザーにとっての使いやすさからかけ離れてしまうという課題もあった。
毎日の献立づくりをラクにし、食生活をもっと楽しく、豊かなものにしたい――。ユーザーの家族構成やライフスタイルに合わせて使いやすく進化していく調理家電。ネットワークとつながりアップデータブルになったビストロが、その夢を実現する。
いつ、どこで、どんなふうに
人は「いつ」「どこで」「どんなふうに」献立を決め、食材を調達し、調理するのか。デザイン設計にあたり、ユーザーの行動パターンをあらゆる角度から検証し、ユーザーが求めている体験価値を考えた。
たとえばビストロNE-BS2600では、通勤途中にアプリで夕飯のメニューを検索し、ビストロに送信。仕事帰りにスーパーで必要な食材を買い、帰宅後は軽く下ごしらえするだけでかんたんに調理ができる。そういったシナリオを複数想定しながら、そのシーンにふさわしい見せ方やアプリと機器の画面遷移、デザインを設計していった。
ユーザーにとって最適で豊かな食体験を共に育んでいく。それがビストロにおけるUXデザインの重要な役割だ。
見えない価値をデザインする
機器のインターフェースやアプリ画面、webサイトまで、すべてを含めたユーザー体験をつくるため、全体の世界観を統一した。アプリをダウンロードした際、最初に目にするウォークスルー画面では、「このアプリで何ができるか」ではなく、「どんな生活が送れるか」というビジョンの部分を伝えることに注力し、ユーザーシーンが想像できるビジュアルづくりを目指した。
ただ調理するだけではない。見えない価値を提供しユーザーとつながり続けるビストロが、日本の食文化を醸成させ、一人ひとりのくらしをアップデートし続けていく。