家電のデザイン拠点を集結
世界に通用するクリエイティブ組織へ
「Panasonic Design Kyoto」

写真:Panasonic Design Kyoto オフィスエリア

多様化と流動化を牽引するヘッドクオーターオフィス

2018年4月、Panasonic Designの家電分野を担当しているアプライアンス社デザインセンターは、大阪と滋賀に分散していた拠点を京都に集結、「Panasonic Design Kyoto」として始動した。

写真:Panasonic Design Kyoto オフィスエリア

同じ場を共有することで、格段にクロスバリューが生まれやすくなる。

2つの拠点の一元化により、多様な人材がそこに集結、デザイナー同士の交流や流動性が図られて、個々の商品のクオリティが高まる。そして事業部の枠を超えた新たなモノ・コト・サービスづくりなどクリエイティビティが加速する。

京都である意味

京都はグローバルに向けた日本の文化発信都市である。
多くの海外クリエイターも憧れ、海外企業も注目する。世界に向けて日本というブランドを発信するという点からも魅力にあふれている。また、京都は人口当たりの大学生数が日本でいちばん多く、若くて多様な知が集結する場所でもある。そして、注目したのは、伝統とイノベーションを同時に育んできた、その風土。京都には、100年以上の歴史を持つ老舗が600以上あるといわれている。伝統は、同じことの繰り返しでは生まれない。そこには、時代に合わせ、さまざまな情報を取り入れ、イノベーションを繰り返してきた、モノづくりの哲学が存在する。パナソニックは京都という土地の持つポテンシャルから、デザイナーがインスパイアされることを期待している。

写真:Kyoto Kaden Lab:未来のカデン

Kyoto Kaden Lab:
https://www.youtube.com/watch?v=054_vcUqD70

情報から価値へ変化させるフロアコンセプト「DRIP」

デザインのプロセスには「気づく」「考える」「つくる」「伝える」の4ステップがある。
「Panasonic Design Kyoto」は、単に一つの場所にデザイナーを集めただけでなく多層階フロアの特徴を活かし、その流れをフロアの流れに当てはめている。クローズドで自分たちだけで行う開発から、オープンスタイルの開発を進めるためのフロア構成である。上階層から良質な情報を社外から吸収、外部の知見を積極的に取り入れ、中層階でデザイナーのフィルターを通し、情報を具体的なカタチへと変化させそして発信していく。
フロアコンセプトは、コーヒーが滴り落ち美味しくドリップされるイメージから「DRIP」と名付けた。


写真:Panasonic Design Kyotoのフロアコンセプト「DRIP」を説明した概念図

最上階の9階は、オープンスペースとして情報を集めるフロア。社外の方を招いたセミナーやワークショップなどを開催し、最新のトレンドやコンセプトを吸収する。8階はミーティングスペース。社内外とのより密接な関係を築く場となる。6・7階はデスクスペースとして、デザイナーが上層階から降りてきた情報をアイデアへと変換。5階は、可動式の壁を備え、アジャイルな開発と検討ができるラボ空間。4階ではより精密なモデルを製作するなど、最終アウトプットへと落とし込んでいく。上層階で得た情報を下層階へとフロアを降りながら、新しい価値へと変化させていく。

写真:最上階のオープンスペース「GARDEN」

9階「GARDEN」
最上階オープンスペースは、3面ガラス張りの270度ビューと柔らかな自然光が溢れる開放的な空間。京都タワーや祇園祭の山鉾巡行、五山の送り火も望める

写真:ガラス扉のオープンスタイルな会議室に囲まれた8階「HUB」

8階「HUB」
ガラス扉のオープンスタイルな会議室に囲まれた中央ラウンジは会議前・後の新たなコミュニケーションも生み出す

写真:フリーアドレスのワーキングスペース6-7階「STUDIO」

6-7階「STUDIO」
フリーアドレスのワーキングスペース

写真:プロジェクトに合わせアジャイルな空間が作れる5階「LAB」

5階「LAB」
プロジェクトに合わせアジャイルな空間が作れるラボ

オープンイノベーションを加速させる「Panasonic Design Kyoto」は一人ひとりのデザイナーが自らのクリエイティブを存分に発揮できるステージになった。いままでにない情報と出会い、さまざまなクリエイターと共創する中で、これからのくらしに、憧れやいままでにない体験といった、新しい価値を次々と提案していく。