今回のデザインが目指したのは、クリーン、シンプル、そして普遍的な心地よさ。 欧州の家庭で伝統的な空調設備として多く使われる壁面固定型のオイルヒーターは、暖房専用であり、形状が複雑で汚れが溜まりやすく掃除もしにくい。この伝統的な古いオイルヒーターを、冷暖房ともに可能でシンプルな造形のユニットに置き換えることができれば、一年を通して清潔かつ快適な暮らしを提供できるのではないかと考えた。 メイン市場である欧州の美意識にかなうよう、インテリアにエレガントに溶け込む、幾何学的でシンプルなデザインを目指した。
インテリアとしての存在
今までの床置きエアコンと比べると外観は斬新なほどにシンプル。可能な限り吸気孔や分割を減らし、フロントパネルを徹底的にフラットに。木製家具の精緻なディテールを参考にし、2枚のフラップは、多くの家具の継ぎ部分がそうであるように、45度の角度で接合するよう設計された。可能な限り要素を削ぎ落とし水平垂直の直線で構成された、マットな質感の外観は、極めてシンプルで、シームレスに壁面へと溶け込む。家電製品という枠を超え、その存在はインテリアへと昇華する。
シンプルな美しさが示す性能
上面と正面に配置されているのは、気流を制御するための2枚のフラップ。暖房モードでは、フラップが温風を下向きに吹きだし、足元から温かな空気で部屋を満たす。一方、冷房モードでは、フラップが冷気を可能な限り上向きに吹きだす。この両方の気流制御が、快適な空間を提供する。さらに、片方のフラップが風の流れを遮ることなく効率よく送りだし、もう一方が吹きだす空気の方向をコントロールすることで冷暖房に最適な気流をつくりだし、各性能を引きだしている。2枚のフラップは直角に組み合わせられており、停止時にはスクエアな本体の一部としてきれいに収まるようデザインされている。
想いは細部に宿る
シンプルかつフラットなデザインは、細部にまで徹底されている。
コントロールパネルを本体上部に配置することで、操作しやすく、且つ、空間調和に重要な本体正面のシンプルでフラットなデザインを実現している。機能で色分けする表示を避け、本体表示は白色LEDで統一した。光による煩雑さを低減し、操作体験を向上させるUIデザインを追求した。
エレガントにそっと空間に溶け込むことで、主張することなく存在する美しさを表現。「世界中で共感されるような暮らしやすい空間をつくる」というパナソニックのデザインに対する思いを形にした、新しいスタンダードである。
上記は2019年の情報です。