スイッチの気配をデザインする 
ADVANCE SERIES

写真:アドバンスシリーズスイッチに指で触れている写真

スイッチやコンセントは、毎日の暮らしの中であたり前に触れている、いわば無意識の存在である。それらをインテリアに溶け込ませながら人の暮らしに寄り添うものにする。これがアドバンスシリーズのコンセプトである。精緻なデザインの工夫を徹底的に積み重ねることで、美しい佇まいのスイッチが実現できるのではないか。これからのスイッチは、住宅のスマート化を見据え便利なくらしを実現するスペックを兼ね備えるべきだ。そのような想いで、デザイン性・操作性・機能性を追求したのが本シリーズである。

写真:アドバンスシリーズスイッチを真横から撮影 無意識に感じる心地よさ

コンセプトの実現に向け、まず空間に溶け込むかたちを追求した。スイッチの出しろを抑えた極力薄いフラットな形状。しかしフラットでありながら手が心地よさを感じられるよう、なだらかな丸みをもたせている。その最適なバランスを導き出すため、3Dサーフェスのつくりこみと試作モデルでの検証を繰り返した。また、スイッチ部分の形状は、実は1:1.618の黄金比である。ここにも人が無意識レベルで心地よいと感じられる「かたち」を潜ませている。

写真:アドバンスシリーズスイッチのクローズアップ手と目で感じる質感

壁面への調和と心地よい手触りを具現化するために、表面はマット仕上げとした。しかしそこで問題になったのが “汚れ”。通常、ツヤのある表面の方が汚れを落としやすく、マットな表面は黒ずみやすい。そこで一般的なシボと比べ、へこみの部分がなだらかで、汚れが落としやすい新たなシボ加工を探し出した。さらにそのシボの繊細な表情は、壁面に負けない質の高さを感じさせる。

写真:アドバンスシリーズスイッチの全景 静謐な存在感

構想着手から6年、試行錯誤を繰り返しながら2014年、アドバンスシリーズは誕生した。現在もHEMSやスマートフォンと連携し、よりスマートなコントローラーへと日々進化している。その存在感はあくまで控えめでありながら、無意識レベルで上質を感じられる姿を追求している。その質感を画像だけで伝えるのは難しく、機会があれば是非実際にご覧いただき、また触れてみていただきたい。

毎日使うものこそ、上質に。これからもこのアドバンスシリーズを通して、心地よい空間づくりに貢献していきたい。