About
VISION UX
これまでパナソニックはお客様のくらしを豊かにすることを目指し、高品質で革新的な技術開発に邁進してきました。しかし物質的な豊かさを得ることはできたものの、近年、環境問題・資源の枯渇といった、既存事業では解決しきれない、膨大で複雑な課題に直面しています。
そんな今こそ「10年後どのような未来を生きたいか?」という自らの意思や熱量を大切にし、現在の事業を超えた新たな価値を生み出す必要があります。だからこそ、私たちの北極星となるくらしのビジョンが必要でした。
このような背景から、2021年にVISION
UXという活動が始まりました。これまで家庭、職場、地域コミュニティにおける様々な理想のくらしを描き、中長期の先行開発やブランド発信につながってきています。今後も、ありたい姿の実現のため、社内外のパートナーと共創し、より幅広い活動につなげていきたいと考えています。
Mindset
これまで見えていなかった関係性に目を向ける“Becoming with”
私たちが大切にしている姿勢があります。それはDonna Haraway氏※が提唱する”Becoming
with(共-生成)”という概念です。
人間は不完全な存在です。人間以外の存在とダイナミックに混じり合っているからこそ、変わり続ける今に向き合うべきだ。という意味が込められています。
私たち人間は一人では生きられません。健康な土から野菜が育ち、人間がそれを食べ、再び苗を植え、昆虫が受粉を助け、また新しい実がなる。人間も昆虫も土もそれぞれが不完全な存在で、共に関わり合うことで成り立っているのです。
これまで、私たち人間の生活が便利になるのなら、資源を無限に消費してよいという考えがあったかもしれません。しかしそれでは私たち子供世代に豊かな生活を残すことはできません。Becoming
withは新しい概念ではなく、人間が目を向けてこなかった存在に気づき、今の行動を工夫しよう、ということなのだと思います。
パナソニックは「お客様大事」の精神を大事にしてきました。しかし社会環境の変化と共に、「お客様」の意味が広がりを見せていると感じています。家族、ペット、食を守る土や昆虫といった、お客様自身のくらしを取り巻く存在も思いやりたい、という価値観が生まれ始めているのではないでしょうか。だからこそ私たちは、”Becoming with”という姿勢を意識し、人・環境の変化に応じた「お客様大事」のデザインをしていきたいと考えています。
※Donna Haraway(ダナ・ハラウェイ)
1944年生まれ。1980年よりカリフォルニア大学サンタクルーズ校の教授として科学技術論やフェミニズム理論を推進。現在、同大学特別名誉教授。
主な著書に『猿と女とサイボーグ』、『犬と人が出会うとき』(以上、青土社)、『伴侶種宣言』(以文社)、共著に『サイボーグ・フェミニズム』(水声社)がある。
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Team
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