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他力研究所

目に見えない神秘的な力(他力)を計測・活用する研究所

他力研究所は、「他力(目に見えない神秘的な力)」の計測・採取を行い、その活用方法を探求する研究所チームである。
他力の存在を可視化し、活用することで、これまで因果関係が不明瞭だった現象を捉え直すとともに、
現代の産業へ応用する手段を研究している。

従来、精密な制御を求める量産工業においては、「他力」のような自然の不確定要素は誤差や障害と見なされ、排除されてきた。
しかし、私たちはその不可視の力を敵ではなく、共に活かすべき存在として捉え直す。
自然現象や未知のエネルギーの流れを検知し、それらと調和する技術を開発することで、これまでにない産業の可能性を拓くことができるのではないか。
研究員たちは、未知の力の特性を分析し、既存の工業技術と融合させることで、新たな価値を創造する道を模索している。
この研究は単なる技術開発にとどまらず、これまで制御すべきものとされてきた「揺らぎ」や「偶然」と手を取り合い、
未来の産業のあり方を再構築することを目的としている。
他力は偶然の産物なのか、それとも体系化できる技術なのか。
本研究所は、科学と信仰の狭間に立ち、目に見えぬ力と人類の知恵を掛け合わせることで、これまでの常識を超えた新たな価値創造の可能性を探求し続ける。

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他力研究所
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他力とは

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風が吹けば木の葉が揺れ、波が立てば舟が揺れる。
そこには目に見えぬ力が作用しているが、私たちはそれを「風」や「波」と名付けることで、あたかも理解した気になっている。
しかし、その背後にある力の本質を捉えられているのだろうか。
「他力」とは、目に見えぬが確かに作用する力である。
もともとは浄土真宗において阿弥陀仏の救済の力を指す言葉だったが、私たちの世界に普遍的に存在する現象とも言える。

他力研究所では、「他力」を意図や計画を超えて作用する不可視の力と定義する。
それは既存の論理や技術では捉えきれない要素を含む。
制御し得ないものとして排除されることもあれば、受け入れることで新たな価値を生むこともある。
見えないが確かに存在する「他力」を捉えることは、未知なるものとの関わりを深め、未来の可能性を拓くことにつながるのではないか。

他力の計測

センシングデバイス

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他力の正体はまだ明らかではなく、何をどう測定すればよいのかも定まっていない。
例えば、音を記録するためにマイクを用いれば、確かに音声を取得することはできる。
しかし、それは音という一つの情報に限定された断片的なものであり、その背後にある他力の全体像を捉えるには不十分だ。
音だけでなく、空気の流れや温度、光の変化、さらには匂いといった、さまざまな目に見えない要素が絡み合っている可能性がある。
本研究では、できる限り多様なセンサーやカメラを組み合わせることで、この不可視の力をより複合的に捉えることに挑戦した。
採用したのは、360度カメラによる視覚的な変化の観測、気象センサーによる温湿度や気圧の測定、ハイパースペクトルカメラによる光の波長ごとの分析、嗅覚センサーによる匂いの検出、さらに超音波マイクと低周波マイクを用いた、通常の可聴音域を超えた音の取得である。
これらの多様なセンサーを駆使することで、従来の単一的な観測では見過ごされていた要素を拾い上げ、他力の存在をより立体的に捉えることを目指している。

拡張子「.trk」

他力から.trkへ

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.trkは、目に見えぬ神秘的な力である「他力」を採取し、データとして蓄積・解析するために、他力研究所が独自に開発した拡張子である。
従来の画像や音声のように具体的な形を持たない他力を、記録・変換するためのフォーマットとして設計されている。
JPEGが視覚情報を圧縮し静止画として保存し、MP4が時間軸を持つ映像や音声を記録するように、.trkは他力の流れや影響をデータ化し、解析や応用を可能にする。
これにより、偶然と見なされていた現象や、人間が認識しきれない力を体系的に扱うことができる。
他力研究所では、この取得のためにセンサー技術、アルゴリズム解析、環境データの統合など、多様な手法を駆使しながら、.trkフォーマットの精度を高めている。
他力の新たな用途を模索し、未知の力を可視化し、現代の産業への応用を目指している。

他力エンカウンター

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他力エンカウンターとは、採取した他力を基に算出した.trkを活用するために開発された装置である。
他力の影響を可視化し、体感することを目的としており、.trkの応用可能性を探るための実験装置として位置づけられている。
今回は、ペットボトルの原型である「プリフォーム」に着目し、これをボトル成形する過程に.trkを取り入れる試みを行う。
通常、ペットボトルは金型を用いたブロー成形によって大量生産されるが、本装置では、.trkを最大限に活用し、その変化を体感できるよう、金型を使用しないフリーブロー成形装置を設計・制作した。
本装置では、加熱温度、送風量、回転の角度といったバロメーターに.trkのデータを反映させ、従来の規格化された成形方法とは異なるプロセスを実験的に試みる。
これにより、他力が形状変化に及ぼす影響を観察し、未知の可能性を探ることを目的としている。
今後も.trkの活用を深化させる装置として他力エンカウンターの開発を継続し、新たな産業技術への応用を模索していく。