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SECOND NATURE

自然と暮らす

私たちの空間、都市、子育ては、自然との結びつきを取り戻すことができるのか?

セカンドネイチャーは、人の創造性と自然とのつながりを探求するプロジェクトです。この100年間、人類は周りの環境を劇的に変化させてきました。“自然”を、私たちを取り囲む生命あるものと定義するならば、私たちは自然の大部分とのつながりを断って生活しています。

このプロジェクトを通して、子どもたちが手を泥だらけにして、生物多様性や身近な微生物について学び、私たち人間の味方である微生物が住みやすい住宅やインテリアを提案し、生物多様性と人間の健康的な生活を推進します。



さあ、外へ出よう

子どもたちはゲームやコンピュータ画面に向かう時間が増え、また、しきりに手を殺菌消毒するようになりました。 屋外で過ごす時間がは減り、多様な微生物が存在する環境とのつながりが益々薄れています。 そうなると免疫力が弱まるだけでなく、微生物との接触がもたらす人間の健康面、精神面への恩恵を受けることもできません。 そこで私たちは、微生物を求めて渋谷の様々な場所を探し回るワークショップを開催しました。

微生物と自然へバイオダイビング in 渋谷 (2020年)

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(左)バラ園の土、菌類 (右)道玄坂、木に生えた苔、線虫

微生物のいるインテリアデザイン?

多様な生物が生息する環境とのつながりを回復するには、微生物を家に取り込むという方法があります。 一番簡単なのは窓を開けることです。しかし都会では、アレルギーの問題や、厳しい暑さや寒さ、大気汚染や騒音のせいで、窓を開けることも難しくなっています。 そんな場合には、自然を家に取り入れ、それが繁栄するのにために必要な条件を整えるというやり方もあります。

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家の中に小さな森をつくろう

テラフォームプランターは、一般的な花瓶とは異なり、多様な草木とその根、バクテリア、菌類、そして土壌の間につながりを形成します。 このプランターは、様々な在来の植物を組み合わせて植えることができます。 植物の多様性により、土壌に生息するバクテリアや菌類も増殖します。

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モジュール式栽培システム

種類の異なる植物の、水の管理ができるモジュール式栽培システム。

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光や風も利用して、植物や土壌、微生物のための健やかな環境を作ります。

健やかな環境

植物やそこに生息する細菌や菌類など、新しい仲間を部屋に迎えることは、インテリアや家電について見直すきっかけにもなります。 私たちはコンピュータによるシミュレーションを行い、植物の配置と空調との関係を調べました。

またサンプルを採取し、コンピューターシミュレーションを用いて、テラフォームプランターがある部屋の空気中の微生物バイオマス量の変化を予測しました。

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(左) シミュレーションの結果、空気清浄機の使用により、良性のものを含むほとんどの微生物が、私たちが多くの時間を過ごすリビングルームからいなくなることが分かりました。
(右) 空気の循環をよくし、玄関など機能本位の空間に絞って空気清浄を行うのも一つの方法です。