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unravel color

CMF R&D Project
感情のように変化する色という可能性を模索してみること

CMF とは、Color=色、Material=素材、Finish=仕上げを指し、
工業製品デザインにおける重要な領域のひとつです。

工業製品のCMFは機能・ブランド・サステナビリティ・マーケティングなど、
様々な役割を担い、長い間培われてきた確かなロジックが存在しています。

一方で、人を動かすのは感情という不確かで多彩なもの。

デザイナーは、常にこの相反する要素に向き合い、
製品と人の関係性を考えつづけています。

本プロジェクトでは実験のプロセスとプロトタイピングを通じて
CMF、特に人の感情に繋がる Color について紐解き、未来のデザインの可能性を探ります。

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「あなたがみている色は他の人と同じでしょうか?」
Unravel of colors unstableness

色はそもそも光の屈折と目の関係性で存在している
ことから、すでに曖昧さを内包しています。
さらには「悲しい色」や「匂い立つ色」のように
見る側の感情で伝達する意味はもちろん、色合いさえも
違って見えるもの。
とはいえ、工業製品のカラーバリエーションには
その揺らぎの片鱗は一見存在しないように思われています。
しかし、たとえばうっすらと水滴がついた瞬間から
赤みを帯びたり、浅くなったり、むしろ別な色に見えるものなど
その可変性を描き始めます。
色は固定されたものではなく、変化的要素であるという
美しい気づきがそこにあります。

「未来に必要な色を描くために必要なこと」
Unravel for future standard

赤土をこねて纏った起源から、現在の着彩やプリントに
至るまで、人間は時代の変化すなわち価値観の変化に
ともなって色・素材・技術を進化させ続けてきました。
すなわち次の時代、新しい価値観には新しい色の存在が
必要です。
自然や人の生き生きとした営みを捉えるべく生まれた
画材があるように、少し先の未来で形にしたい美を描くには
今の素材や仕上げではないかもしれません。
新しい時代の新しい色のために今始めること、
それが unravel = 色の持つ意味とそれを構成する
マテリアル、技術の関係性を見直すことです。

「Panasonic design だからこそ」
Unravel origin

新しい技術が暮らしを変え、人を幸せにできることを信じている、それがパナソニックです。
技術は一朝一夕で生まれない、だからこそ、少し先の未来の価値観や美意識を見つめ続け、技術に向き合ってきました。
さらに、Panasonic は「みんなが確かな品質と安心を得られること」を大切にしています。だから製品は均一である必要があります。

しかし現代、そして少し先の未来では「みんな」が「ひとりひとりそれぞれ」の集合体であること、
同じものを提供するのではなく同じ美意識や感情を共有することがより大切になりそうです。
千差万別な人たちの感情に寄り添う技術、そしてカラーデザインが必要です。

Dialog

他分野のエキスパートと色について議論する

Research

Etching of Condensation

「Etching of Condensation」は、結露を人工的にコントロールし、環境や素材 (material) により変化する質感や模様(finish)をつくり、変化する色を見るための試みです。

自然現象の美しさによって、余白(偶発性・変化シロのようなもの)をもたせ、人の想像を喚起する。
人とものと空間の関係によってうつろう CMF 表現です。

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Basic Experiment

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Material Prototypes

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Final Prototypes

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