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Panasonic Visuals Lab

2017/03/16

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制作スタッフが語る!4K Ultra HD Blu-ray版「シン・ゴジラ」はここがスゴい!

昨年夏公開され、興行収入82.5億円を記録した映画「シン・ゴジラ」。3月22日遂にそのディスク版が発売。今回発売されるのはDVD版やBlu-ray版など全4種類。 そのひとつ「シン・ゴジラ Blu-ray特別版4K Ultra HD Blu-ray同梱4枚組」には4K対応の次世代ブルーレイ規格のディスクが同梱されている。 パナソニック映像では4KHDR化の作業を担当。そこでUltra HD Blu-rayの制作に係わったスタッフに4K版の見所や制作秘話を語っていただいた。

最初にお話を伺ったのは映画版でもカラーグレーディングを担当した株式会社ピクチャーエレメントの齋藤 精二氏。

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カラーグレーディングってどんなお仕事ですか?

CMなどの業界では「カラコレ」というのが一般的ですが、僕は映画では「カラーグレーディング」という言葉を使わせて頂いてます。色は一つの大事な道具ですが、それ以外の様々な技術と組み合わせて、監督やカメラマンの希望する「世界観」をどうやって構築するかが、カラーグレーディングの役割だと思ってます。「世界観」の例としては、昭和の雰囲気にしたいとか、近未来にしたいとかですかね。

今回監督から求められた「世界観」とは?

そうですね、一番大事だったのは今の日本にゴジラが現れたらという「ライブ感」だったんです。今回アイフォンもカメラとして採用していますし、色々なカメラを全部で25台ぐらい使っています。ですから色も統一されているわけではなく混在しているんですが、それは狙いな部分が多いんです。色んな人が色んな所でゴジラを見上げて「わー!」となっているところをしっかりと腰すえたカメラで撮るのではなくて、もうガンガン振り回しているような映像が中に入ったほうが、その喧騒感とかが当然表現できるので。ライブ感を一番大事にしたときにどのカメラがライブ感を出せるか?を監督は大事に考えていたと思います。

監督の「世界観」を表現する上で、グレーディング作業で大変だったところは?

監督の希望は「撮ったままでお願いします」ということでした。撮影は色々な条件下で、時間帯も含めてバラバラなんですけど、それを敢えて整えないで欲しい。そのときのライブの感じをそのまま出したいということでした。僕はその意図はすごく理解できたんですよね。カットごとに色んな条件の画が出てくることで映像のライブ感やリズムが生まれる。そこを整えるとそれらが失われてしまう。なので、これは整えないほうがいいなって思いました。僕が一番意識したのがスクリーンの向こう側の世界としての統一感を意識することでした。撮影条件はバラバラのままでいきたいんですけど、この映画の世界観の統一感は保たなくてはいけない。映像の質感のズレが観客に「違う映画が始まった?」みたいな感覚を一瞬でも思わせたら、物語が止まっちゃうんです。違うカメラ、違う条件で撮っているんですけど。あくまでスクリーンの向こう側の物語って言う世界観を保たないといけない。だからすごくデリケートな作業でしたね。実はカラーグレーディングで、「あの色良かったです」とか「グレーディング良かったです」とか言われると複雑なんですよね。僕は観客は物語の中に入っていて欲しいので。色が前に出すぎてその邪魔をしてはいけないという意識が僕にはあって、あくまで観客が見終わったときに、印象に残ったシーンの要素のひとつに色が入っていたという結果論でありたいです。

映画とUltra HD Blu-rayとでグレーディングの際、大きな違いはありましたか?

Ultra HD Blu-rayのスペックを最大限に出そうとしたら、本来は撮影から計算して撮らなくてはいけません。今回は2K-DCIからのアップコンのため、4K-HDRという、与えられた大きなバケツの中にこの作品の品質をどうやって展開していこうか、どこまでUltra HD Blu-rayのスペックを引き出せるかというさじ加減が必要でした。前述の通り、この作品は整えるグレーディングではなかったので、ワンカットワンカットがどういう狙いでやっているかっていうことが分かっていないと判断が難しかっただろうなと思います。どこからが超えちゃいけないラインなのか?作品の演出を壊さないようにするため、テクニカルなジャッジだけではなく、クリエイティブなジャッジも重要でしたね。

Ultra HD Blu-ray版でのお勧めシーンは?

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夜のゴジラのシーンですね。ゴジラの発光のピークが、まさに見せたいところなんです。実は、監督は光線には非常に拘りがあるので、色も質感も判断が慎重になりましたね(笑)。ここでは一番まぶしくなっていく段階までに一緒に表現されている紫の色も効果的に表現されています。4KHDRになって色域が変わり、Rec.709からBT.2020になったことで、劇場用のマスタリングで使用していた色の数がそのまま渡せるようになったんですよ。これは僕にとって一番大きなことですね。ですから全体的にも普通のブルーレイで見たときより映画館の印象にほぼ近いです。狙っている印象に確実に近づいてます。

齋藤さんが個人的にお好きなシーンは?

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やはり第4形態で上陸してきたところですかね。このシーンで初めてゴジラのテーマ曲がかかるんで、「お待たせしました!」という感じで。ゴジラファンとしても「お帰り」って感じですね。

オーサリングを担当したのは、パナソニックAVCディスクサービスの白木健一氏。

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ブルーレイからUltra HD Blu-rayになったことで何が大きく変わりましたか?

圧縮方式がMPEG4-AVCからHEVCという新しいコーデックに変わったことと、映像データで使えるビットレートが最大で、40Mbpsから100Mbpsに変わったことがあります。そしてビット深度が従来のBDの8ビットから10ビットに変わったことにより、色の再現性が数段良くなり、エンコード素材のマスターに近い色が再現できるようになったというのが大きな違いですね。

オーサリングで大変だったところは?

エンコード素材用に、4Kにアップコンする段階で3回程データを作り直しています。シン・ゴジラでは、(邦画の)普通の作品と比較してテロップが多用されていますが、単純にアップコンすると、ジャギーが出て文字の滑らかなカーブがギザギザになってしまいます。今回はジャギーを出さず解像感も落とさないよう作業しています。Ultra HD Blu-rayで販売される邦画の実写作品としては初めての作品なので、色々な方が見られるというプレッシャーを感じながら作業しました。

白木さんお勧めのシーンは?

齋藤さんと同じですね。チャプター15から18までのタバ作戦からゴジラが一旦止まるところまでがお勧めです。特にチャプター18の、暗い背景と対比してゴジラの吐く光線や背びれの発光のコントラストがかなり迫力ある映像になっていると思います。それから衝撃的だったのがゴジラが火を吐くシーンで、あごが左右に割れるんですよ。あれがメカニックな感じですごいなあと。そこが好きです。マニアックかもしれないですけど。

4KHDR化の画作りを担当した、パナソニック映像の石黒一哉氏。

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4KHDR化の作業をするときに心がけていることは?

今までに数作品担当していますが、大きく分けるとアニメーションの時と実写で違いますね。例えば、実写の時にあまり効果をつけすぎるとCG等の合成シーンで違和感が出る可能性もあるんです。以前「るろうに剣心」の時に一度齋藤さんとお仕事させていただいていたので、今回は比較的スムーズに作業に入れました。最初の打ち合わせのときに、映画の「世界観」を生かすようなHDR化ということで作業を進めていきました。

作業で苦労された点は?

監督さんや担当される方によっても違ってきますが、基本的には作品ごとに画作りが違うので、その度に何パターンか作ってみています。今回の「シン・ゴジラ」だと、大まかにシーンを分けて全部で20~30パターンぐらい作りましたね。そのうち厳選した数パターンを齋藤さんに見ていただき、方向性を決めました。作業時間も人が多くいる会議室のシーンからいきなり戦闘シーンになったり、急にカットが変わったりして。シーンのパターンが多いとそれだけ時間もかかりますね。

見どころ満載。是非Ultra HD Blu-rayで見ていただきたい作品だ。

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関連情報

「シン・ゴジラ」公式サイト

パナソニックAVCディスクサービス株式会社

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