伝説の人事から学生へのメッセージ 伝説の人事から学生へのメッセージ

就活とは?

会社に安定性をもとめるな。

学生が就活で会社に求めるものの一位は安定性だという。安定性とは、定年まで給料がもらえてご飯が食べられることらしい。しかし、その考え方は、何もしなくても当たり前のように給料が口座に振り込まれると考える「大企業病」である。今は、大企業でさえいつ経営が傾くか分からない時代。それなのに、安定性というものは、会社に一方的に求めるだけでよいのだろうか。社員が稼ぎ、会社に成果をもたらし、貢献してこそ給料がもらえる。ましてや新卒から数年間は半人前の稼ぎしかないのだから、一人前になってから倍返ししなければならない。給料はもらうものでなく、自分の手で稼ぐもの。義務を果たし続けるからこそ、権利が手に入ることを忘れてはならない。

では、安定性とはどうやって得るものなのか。それは、会社にではなく、自分自身に求めるべきだ。自分の商品価値を高めれば、万が一会社に何かあっても生き残っていける。そういった価値ある自分になるために、磨きたい、燃やしたい、大切にしたい、と思っているものを一番磨けて、身につけられるフィールドを見つけ、「これで食べていく」と覚悟を決めることが、本来の就活の姿であるべきだと思う。

やりがいを文字化しろ。

安定性は自分自身に求めるべきだが、職種の適性や、資格にこだわるといった方向に走らないでほしい。なぜなら、資格も仕事に活かせなければだたの紙切れ。適性も、本当に職種ごとに決まっていると思うのか? 仕事はそんな単純なものではない。ゼネラリストしかスペシャリストにはなれない事実も知っておいてほしい。

つまり、自分が磨くものとは、適性やスキルではなく、根っこに持つ覚悟のことで、それが「やりがい」なのだ。その「やりがい」が会社にあるか確認する場が面接だと思う。給料を払う以上、一番「やりがい」を感じてくれて、伸びる場所に配属するに決まっているのだから、職種や勤務地を決めるのは任せてほしい。大切なことは、あなたの「やりがい」が何であるかだ。それを2行くらいの文字として概念化できているか?

限界に挑み発射角を上げろ。

私たちは、自分の限界を超えたことがある学生を採用したい。難しいことだが、限界にたどり着けた者は気づくことができる。まだ、その先があることを。そして、自分がまだまだやれることを。その時が「発射角」が上がった瞬間だ。「自分はできる」「これくらいで十分」と思っている新入社員たちに、努力する限界の枠を「まだ超えられる」と気づかせることを「発射角を上げる」と私たちは呼んでいる。入社直後はこれくらいの発射角で十分だろうと思っているところを「まだまだ」と、ぐっと上げてやる。最初に限界がないことに気づければ、その後も発射角を上げ続けることができ、放っておいてもその者は伸びていく。発射角を上げるのは、近道を覚える前の入社後3年間が勝負だ。

仕事とは?

頑張れる理由は何だ?

よく、「頑張ります」とアピールする学生がいる。でも、給料をもらう以上、頑張るのは当たり前。最悪なのは、「やる時はやる」という子どもの言い訳。では、いつが「やる時」なのか。それは今でしょ。今できてない者が決意表明しても説得力はない。アマである学生が考えるよりも、プロであるビジネスの世界ははるかに厳しい。残念なことに、この場所に立たない限りその厳しさは理解できない。せめて、なぜ頑張るのか、頑張れるのかを聞かせてほしい。ヒントは「やりがい」を根拠にできているかだ。いきいきと頑張れる理由を語ってほしい。楽しみにしている。

第一印象が武器になる。

ソリューションビジネスとは、「課題」を解決することだ。常にお客さまの立場で考えてほしい。では、お客さまは誰にその困りごとを相談するか。いうまでもなく、信頼のおける相手だけだ。実は誰を信頼するかは第一印象で決まる。さらに第一印象は9割以上は話す前に決まっている。就活を営業に例えたとき、あなたの第一印象は武器になっているといえるか。社会人になったからといって、今の第一印象が大きく変わることはない。今のままで大丈夫か。信頼されなければ、お客さまから課題解決のチャンスをいただくことはできない。お客さまに寄り添えなければ、それは致命的欠陥となることを知っていてほしい。第一印象を磨くことは、自分の専門的なテクニックを仕事に活かすためにも、不可欠な成功のポイントになることを知っておいてほしい。

バトンを受け取る覚悟を決めろ。

当社は定期採用をしてこなかったため、10年後、ベテラン社員がいなくなり、平均年齢が一気に下がる見込みだ。今入社する学生たちは、「Panasonic」という重い看板と、業界一位・年商2000億という、世界を市場とする企業を10年後には背負わなければならなくなる。世の中の人事が甘言として使いがちな「白いキャンパスに、自由に絵を描けますよ」とは決して言えない。ベンチャー企業の創業期に携わった経験から、当社のような大企業において、10年後に手渡されるバトンは相当重いことを知っている。だから、そんな無責任な言葉で学生を騙したくない。世界的企業を自分たちで牽引していくことを、夢見がちに挑戦したいと思うのではなく、厳しい現実と向き合い、苦しさや辛さも引き受ける覚悟がない者には恐ろしくてバトンを渡せない。自分の人生に責任を持ち、新たな学びを得て創造し、社会に貢献したい、そんな覚悟を持つ学生にしか渡せない。

その覚悟は「やりがい」にもつながる。松下幸之助創業者はこう言っている。「どのような仕事をしているか、それが私たちのやりがいを決めているのではない。その仕事の彼方に何を見つめているか、それが私たちのやりがいを決めている」と。つまり、「やりがい」とは、あなたの心の持ちようなのだ。あなたの覚悟しだいで、「やりがい」の中身は変わってくる。「やりがい」の大きさは、あなたの覚悟の大きさと比例する。

自分で道をつくる、これが当社の仕事の流儀だ。まずは発射角を上げて、バネをたわめてほしい。10年後、死ぬほど重いバトンを受け取り、たわめたエネルギーを爆発させてくれ。道は険しいけれど、そこにあなたの足跡が残る。30年も経てば、遥かな頂に立てている。下から見上げればそこは雲の上。その時、あなたは伝説となる。

さあ、あとは、やるか、やらないか。覚悟を決めるのはあなただ。バトンを受け取り、伝説になれ。