パナソニック エコロジカルネットワーク構想 in エコアイディア工場びわ湖

アプライアンス社の草津工場における生物多様性保全活動への取り組み

アプライアンス社草津工場は、古くから独特の自然環境を有する瀬田丘陵に位置し、周囲にはコナラやアカマツの里山林と農業用ため池が多く存在します。また、貴重な自然環境を有する琵琶湖と田上山地のほぼ中間に位置しています。

このように豊かな自然環境に恵まれた地で、当社は2011年10月に工場緑地の整備・保全を通して地域の生物多様性への貢献を目指す「エコロジカルネットワーク構想 in エコアイディア工場 びわ湖」を発表しました。


共存の森と周辺環境のネットワーク

エコロジカルネットワークとは、まとまりを持った樹林や草地、水辺など、生きものの生息地・繁殖地相互を緑地などの回廊(コリドー)でつなぎ、生きものの生息空間の確保を目指すものです。

具体的には、草津工場と周辺地域の動植物調査をおこない、どのような生きものが生息し、草津工場をどのように利用しているかを把握したうえで、生息環境として良好な条件を持つ緑地を「共存の森」として保全すると共に、則面の緑地や並木を回廊として工場周辺の緑地をつなぐ取組みをおこなっています。

草津工場と周辺環境

国、地方自治体の構想

ガン、カモ類やクジラなど国境を超える国際レベルのスケールから、タカなどの猛禽類やキツネなど地域レベルのスケールまで、様々なレベルでのネットワーク構築が望ましいとされています。

共存の森について

「共存の森」は、「地域の生物多様性への貢献」及び「景観保全」を目指すアプライアンス社「エコロジカルネットワーク構想」の重要緑地と位置づけ、生きものの生息に配慮した保全活動をおこなっている緑地です。

保全活動では、樹林や草地、水辺など複数の環境タイプを有する周辺地域の里山モデルとし、社員ボランティアによるコナラ(どんぐり)の苗木の育成・植樹活動等を推進しています。
また、維持管理には専門家によるモニタリングにより、定量的に緑地の質を評価すると共に、社員による指標生物の用いた緑地管理、特定外来生物等の監視・駆除、地域種苗を用いた保全活動をおこなっています。

≪ 緑地のゾーニング ≫

緑地のゾーニング 保全ゾーン バッファゾーン 共生ゾーン
コンセプト 緑のつながりを重視 生き物のサンクチュアリ 保全ゾーンと共生ゾーンを緩やかに結ぶ緑と水のベルト 地域の自然に触れ合う場
役割 生き物の隠れ家・繁殖地を守り、地域の生物多様性を育む 人による保全ゾーンへの影響を緩和すると同時に、生き物の営みを感じて頂く 地域の自然が持つ美しさや豊かさに触れて頂く
効果 隠れ家・繁殖地の保全を通して地域の生物多様性保全に貢献できる 生き物の営みを身近に感じて頂く 体験を通して地域の自然に愛着を持って頂く
2018年自然豊かな共存の森を予想したイラスト図

保全活動について

≪ 保全目標:瀬田丘陵(周辺地域の里山)について ≫

瀬田丘陵は、薪炭林として、アカマツやコナラを中心とする樹林が発達すると共に、灌漑用に作られた大小のため池が丘陵沿いに配置され、水辺から樹林へとつながる複数の環境タイプを有しており、地域の生態系の中で高次消費者と位置づけられるオオタカやキツネをはじめ、一生涯のうちで水辺と樹林の両方を利用するカスミサンショウウオなどの両生類やトンボ類が生息しています。

≪ 社員参加による保全活動 ≫

「共存の森」の保全にあたっては、地域の植生に対応した樹木による里山再生をベースとし、工場の敷地内に自生しているコナラからドングリ(堅果)を採取し、それらを社員の家庭で苗木に育てる「森の里親活動」を推進しています。
社員の家庭で1~2年育てた苗木は、早春に共存の森の樹林再生エリアに社員とその家族が参加して植え付けをおこなっています。

森の里親活動

ドングリから苗木へ、そして豊かな里山林へと成長させるため、従業員が家族と共に自然との共生を考える里山再生活動の一つです。

森の里親家族による植樹作業

維持管理活動について

≪ モニタリングの実施について ≫

「共存の森」における里山環境の再生状況を定量的に把握するために、植物、昆虫、水生生物を対象として、専門家によるモニタリングを継続しておこない保全計画に反映しています。

≪ 指標生物を用いた緑地管理 ≫

樹林や草地、水辺などの環境タイプに応じて、指標となる生きものを設定し、それらの利用状況や分布から、緑地の質を評価すると共に刈払いや剪定などの緑地管理に活用しています。
また、管理用に設置しているトレイルカメラ(自動撮影カメラ)や担当者の目視確認情報を専門家と共有することで、地域のエコロジカルネットワークと当社の緑地との関係を把握しています。

環境ごとの指標 シジュウカラ(樹林)、アカネズミ(樹林)、クチベニマイマイ*(樹林)、カヤネズミ(草地)
ネットワークの指標種 タヌキ、キツネ、鳥類

*:参考種

緑地の保全計画

「共存の森」では、カヤネズミの巣の分布などを参考に草刈りの時期や場所を決定し、生息に配慮した取り組みをおこなっています。

カヤネズミ

(希少種:滋賀県RDB2010年度版)

草地で見つけたカヤネズミの巣

日本最小のネズミ(体長6cm程度) 主にイネ科の植物の葉を利用して直径10cm程の球形の巣を作り、休息・子育てを行なう特徴があります。

≪ 特定外来生物等への対応 ≫

現在、「共存の森」で確認している外来生物の中には、ウシガエル(特定外来生物)やアメリカザリガニ(要注意外来生物)など、地域本来の生態系に大きな影響を与えるものが含まれており、これらの生きものは、維持管理の中で適宜捕獲をおこなっています。また、植物においても影響度合いを勘案し、同様に対応をおこなっています。
なお、アライグマ(特定外来生物)の生息が周辺の里山で確認されていることから、これらの侵入を監視すると共に、発見した場合は行政機関に通報するなど、適切な対応をおこなっています。

≪ JBIB いきもの共生事業場ガイドライン(土地利用通信簿の活用) ≫

工場内緑地の維持管理にあたっては、JBIB いきもの共生事業場ガイドラインを活用する共に、土地利用通信簿による評価を継続しておこないます。

生物調査について

アプライアンス社では、『いきもの共生事業場推進ガイドライン(JBIB)』の活用など、生物多様性の視点で草津工場における環境整備を進めると同時に、その影響や効果を評価するために、専門家による動植物調査と社員によるモニタリング調査を実施しています。

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