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#Week15

2021年12月23日

シーズン2度目の合宿を宮崎県で行ったワイルドナイツ。
静岡ブルーレヴスと行った2つの強化試合はともに勝利を収め、好調を維持している。

今合宿からは、日本代表も合流。1ヵ月後に控えたリーグワン開幕に向け、いよいよ最終段階に入った。

★★★ 今週のピックアップ ★★★

内田啓介選手&下釜優次選手

筑波大学の同級生である2人は、大学時代から共に多くの時間を過ごしてきた仲。
卒業後は一度別のチームに離れたが、いま再び同じチームで頂点を目指す。
「一緒にグラウンドで日本一を迎える」という互いの目標と、少し先の未来について話を聞いた。

画像:下釜選手
画像:内田選手

――JAPAN RUGBY TV(JRFU公式YouTubeチャンネル)の「矢野武のラグビー語ろうぜ!」でも大学時代の思い出を語っていたお2人ですが、そもそも仲良くなったきっかけを教えてください

下釜特にこれといたきっかけはないんです。お互い人見知りで、話をしているうちに「一番話が合うな」「面白いな」っていう所から、仲良くなりましたね。1年生の初めの頃、入学関連の事務手続きをしているうちに気が付いたら一緒にいた、という感じです。

――下釜選手にとって内田選手はどのような存在ですか

下釜ウッチー(内田選手)は、大学時代本当に毎日一緒にいました。練習終わった後も一緒に夕飯を食べに行ったり、どちらかの家で鍋をしたり。ずっと一緒にいた、身近で一番仲の良い存在でしたね。

――では内田選手にとって、下釜選手はどのような存在でしょう

内田(下釜)優次が言ってくれた通り、というか僕も一緒の印象なので付け足すことも特段ないのですが・・・自分にとっても一番仲の良い存在でしたね。
卒業後は一度別のチームでお互いプレーしていましたが、また同じ場所で一緒にプレー出来ていることに喜びを感じています。

■ともに目指すはラグビーの伝道者
――運命の出会いだったのですね。お2人ともいずれはラグビーを教えたい、という目標があると伺いました。内田選手は先日教育自習を終えられたのですよね?

内田はい、9月末に終了しました。

――目指すカテゴリーは高校の教員、そしてラグビー部の監督、でしょうか?

内田そうですね。僕はどちらかというと、高校生にラグビーのコーチングをしたい、ということが最初でした。高校の先生になればそういうチャンスもあるのでは、と考えたことがきっかけで高校の教員を目指しています。

下釜僕は社員選手として働いているので、どのような形になるかは分かりませんが、ラグビーの後進育成に携わりたいと思っています。学生の頃から今までずっとラグビーを続けてきた中で、ラグビーを通して選手たちを人間的に成長させられるような人になりたい、という思いが芽生えました。地元・鹿児島県のラグビーの発展も含め、少しでもラグビー界に恩返ししたいと思っています。

――ぜひ、お2人が目指す指導者像を教えてください

下釜選手からしたらちょっと怖いけど、慕われている。そんな指導者になりたいですね。僕が高校の時にもそういう先生たちがいらっしゃったんですけど、そういう方々は絶対生徒に愛情を持って接してくださっていたんですよね。
上に立つ者としての威厳は保ちつつ、だけれども慕われる存在になれるように、ということはイメージしています。

――具体的に目指す人はいらっしゃいますか?

下釜イメージとしては、高校の時の監督ですね。当時の筑波大学監督の教え子だった、ということで、僕の大学進学についてもアドバイスをくださって。高校の監督が「筑波に行けよ」と言ってくれなかったら、筑波大学にも行かなかったと思います。そういう、人の人生に関われるような存在になりたいな、と思っています。
特に自分は大学卒業後、一度九州電力に就職し仕事をしながらラグビーをしていました。ワイルドナイツに入団してからは、社員選手としてパナソニックに勤めています。社会人として民間企業に勤めた経験、というのは自分の財産でもあるので、そういう経験を伝えながら、選手たちにも今後の進路についてアドバイスしていければと考えています。

――内田選手が目指す先生像も教えてください

内田僕もラグビーを通して様々なコーチに出会ってきました。今優次が言ったように、怖さの中にも親しみやすさ、フレンドリーな部分があることによって惹きつけられる所も大きいと思うんですよね。フレンドリーな一面というのは絶対どこかに持っていたい、と思います。
だけど、締める所はきちんと締める。メリハリを持って、伝えるべきことはしっかりと伝えたいです。
イメージとしては、中学校のラグビー部で指導して頂いた稲田先生です。正直、現時点では稲田先生の足元にも及んでいません。人を相手にしないことには分からないことも多いので、まだまだなんだろうな、と。経験しながら、自分なりの先生像を見つけていければと思っています。

画像:内田選手
画像:下釜選手
■選手として良いパフォーマンスをしっかり見せること
――内田選手は2016年にハイランダーズへ留学されていました。その時書かれていた留学日記
「1番驚いたことは、練習試合にもかかわらず多くの観客がいたこと。日本でもこうなって欲しいし、その使命は自分たちにあるのだと責任も湧きました。」と綴られていました。
その後世界中で様々なラグビー環境を見てきたと思いますが、あの頃感じた気持ちと現在とでは、どのように変化されていますか

内田正直、そんなこと書いていたな、と今思い出しました(笑)。
でも、あの頃とは全然違う景色を今日本で見られていますね。今では毎日の練習にも多くの方が見学に来てくださっています。特に2019年のワールドカップ後からは、ずっとそんな状況が続いていて。一気に日本のラグビーの姿が変わったな、と実感しています。

――さくらオーバルフォートに、日常の中にラグビーが入り込んだクラブハウスが出来ました。そういう意味では、ニュージーランドに近い環境が整備された。これから先、ソフト面ではどのような変化が必要でしょうか

内田2019年のワールドカップで日本代表の選手たちが頑張ってくれて、大成功して、ラグビーの価値を日本の中で上げてくれました。そこで掴んだファンの方たちを逃がしてはいけないですし、もっと増やしていきたいという思いがあります。
そういう意味で、選手が出来ることというのは良いパフォーマンスをしっかり見せること。選手がプレーで魅せることで、新しいファンを獲得出来ることもあると思います。
これから始まるリーグワンで毎試合しっかりと良いパフォーマンスを見せて、ラグビーの魅力を広めていきたいです。
あとはせっかくこういう環境があるので、もっとファンの方々を巻き込んで出来るイベントも、コロナが落ち着いたら出来るといいですよね。試合の時にスタジアムが盛り上がることを、これまで以上に出来たらと思います。チームとしても個人としても、そういうことを考えていきたいです。

画像:内田選手
画像:内田選手
■3列の運動量を持ったまま1列へ
――鹿児島ご出身の下釜選手。九州・宮崎での合宿は、いかがでしたか?

下釜同じ南九州という位置にあるので、仲間意識のある場所ですね。食事面でも、九州で食べ慣れた味のものが出たので、懐かしい気持ちで頂きました。11日の試合には両親や友人が見に来てくれました、嬉しいですね。

――下釜選手はフランカーからセンター、そしてフッカーへとポジションを移されています。大学や社会人でもフランカー経由でフッカーになられる選手を多く見かけますが、フランカーを経験したからこその強み、はどのような所ですか?

下釜ワイルドナイツでいうと、堀江さんや坂手、島根もそうですね。みんな3列(フランカー、No.8)出身です。
本当はみんな、3列がしたかったと思うんですよね。でもやっぱりサイズがなかったり、何かしら理由があってフッカーに転向しているんだと思います。3列は運動量がある選手が担うポジションなので、その運動量を持ったまま1列(プロップ、フッカー)に行ける、というのが強みだと思います。

――「生まれ変わってもフランカーをやりたい」と別のインタビューでお話されていました。様々な事情で、希望するポジションが出来ないラグビー選手も多いと思います。ぜひ、そんな悩みを抱える学生たちへアドバイスお願いします

下釜色々なポジションを経験することは、自分のプレーの幅を広げてくれます。自分が希望しないポジションだから嫌だな、と最初から決めつけるのではなく、与えられたポジションをまずはやってみて。それでも違うと思ったら、何かしらアクションを起こせばいい。
希望しないポジションを任された時でも、まずは真剣にやってみる、ということが大切です。

画像:下釜選手
画像:下釜選手
■このチームで、2人一緒にグラウンドで日本一の瞬間を迎えたい
――いよいよリーグワンの開幕まで1ヵ月を切りました。今シーズンの目標を教えてください

内田僕は優勝しか見ていません。ワイルドナイツというチームが本当に好きなので、このチームで優勝したい、というのが一番にきます。
入団してから8年間、ずっとワイルドナイツでプレーしてきました。忠誠心ももちろんありますし、チームカラーやチームカルチャー、選手・監督全てが自分の家族と言える存在です。
だからこそ、このチームで勝ちたいです。
正直、昔は優勝したいとは思えどここまでの気持ちではなかったように思います。今はとにかく、このチームで優勝したい、という気持ちが強いです。昨シーズンの優勝をもう一度、いやずっと、ワイルドナイツで味わっていきたいです。

下釜チームとして優勝することを目標としています。学生の頃から日本一になりたいとずっと思ってラグビーをしてきましたが、高校で叶わず、筑波大学の時にも日本一を目指しましたが届きませんでした。昨年優勝することが出来ましたが、次は筑波の時に叶わなかった『ウッチーと一緒にグラウンドに立って日本一になる』ということを達成できるように、今シーズン頑張っていきたいと思います。

――楽しみにしています。では最後に、お2人からファンの皆様にメッセージをお願いします

内田日頃からワイルドナイツをサポートして頂きありがとうございます。これからも選手たちは楽しいラグビーを見せ続けるので、選手が頑張っている姿が、少しでもみなさんのモチベーションになればと思います。ぜひ楽しんでください。

下釜試合に見に来てくださっている方々は良くご存じだと思いますが、テレビで見るのと実際に試合会場で見るのとでは迫力が違います。何より選手たちの熱い気持ちが伝わると思います。
見ている方を熱い気持ちにさせるような、「わたしも頑張ろう!」と思ってもらえるようなプレーをしていきたいと思います。ぜひ今シーズンも応援、よろしくお願いいたします。

(&rugby/原田友莉子)

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