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選手たちの礎を築いた野球人生での「忘れられない、あの試合」を紹介!
自身初の甲子園の舞台!一打、サヨナラ負けのピンチを迎えたその時…。

#25 坂田一平

延長13回裏の悲劇
~第85回選抜高校野球大会 「広陵高」対「済美高」~

2021年04月20日

坂田選手

私が一番心に残っている試合は、高校3年生で出場した春のセンバツ甲子園での一戦です。初めての甲子園出場に、いろいろな気持ちが入り混じっていたのをよく覚えています。ワクワクし、「早く試合がしたい!」と思う反面、緊張もありました。

対戦相手は済美高校。現在、東北楽天ゴールデンイーグルスに所属する、安楽投手が擁するチームでした。同じ高校生とは思えない速球を前に、なかなか点を奪うことができず、3点ビハインドのまま9回を迎えました。

もう後がない――。ここにきてわがチームは、やっと打線がつながり、起死回生の3点を奪い返して試合を振り出しに戻し、延長戦に入って行きました。

延長戦もなかなか点が入らず我慢の展開が続きました。

13回裏、守備の場面。不覚にも1アウト満塁となってしまいました。一打サヨナラ負けがよぎる、絶体絶命のピンチです。この場面で相手バッターの打った打球は、ファーストを守っている私のところに向かって来ました…。それを私は、取ることが出来なかったのです。試合はサヨナラ負け。公式記録上ではヒットとなっていますが、あれは私自身のエラーだと今でも思っています。

「せっかくチームが同点に追いついてくれたのに、自分のエラーで負けてしまった…。」
「こんなにたくさんの人が応援してくれていたのに、自分のせいで負けてしまった…。」

あの日から私は、ボールを捕ること自体にも怖さを感じるようになって、野球のことが少し嫌いになっていました。しかし、チームの皆は、一切、私を責めたりしませんでした。いつも通り、何事もなかったかのように接してくれて、とても救われたことを覚えています。お陰で、「もう一度このメンバーで夏の甲子園に行くぞ」と、気持ちが奮い立ってきました。皆が私を、もう一度、野球を好きにさせてくれたのです。当時のメンバーには本当に感謝しています。

今も大好きな野球ですが、私はこれまでのキャリアで、日本一のタイトルを手にしたことが、まだ一度もありません。都市対抗野球大会、社会人野球日本選手権大会で優勝して、たくさんの人に勇気と笑顔を届けられたらと思っています。

画像:坂田選手
画像:坂田選手
坂田 一平
・所属:インダストリアルソリューションズ社 メカトロニクス事業部 営業統括部
・球歴:広陵高-大阪商業大
・プチ情報:公式Instagramにはモデル顔負けのポージングで登場!ぜひ、ご注目!
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