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※過去に掲載された記事になります。内容は公開時のものであり、最新の情報とは異なる場合がございます。

くらしを支える道具の未来 〜パナソニックのロボット技術〜
  • Introduction
  • 1:ロボティックベッド
  • 2:薬剤業務支援ロボット
  • 3: 開発者の夢

2009年9月29日公開

パナソニックのロボットにご対面!

こんにちは、ワタクシ、デイビー日高といいます。この名前はもちろんペンネームでして、フリーの取材記者やライターとして活動している日本人です。テクノロジーだとかサイエンスがそりゃーもう大好きで、最近では、主にウェブのRobot Watchとか、雑誌のロボコンマガジンなどでロボット系を中心にしたハイテクやサイエンスなどの記事を書かせてもらっています。

パナソニック製ロボットを取材!? それはism編集部からの電話で始まった

さて、そんなサイエンス&テクノロジー大好きのワタクシに、願ったりかなったりの出来事が。ism編集部さんから連絡をいただき、「弊社のロボット開発部門を取材してほしい」と! えぇ、パナソニックがロボットを作っていたんですか!? いや、仕事の話をいただけたのも嬉しいですが、それよりもパナソニックがロボットを作っているということの方が衝撃的です!一体、どんな姿をしているのか?

ヒントをうかがったところ、「介護用」とのお返事が。なるほど、そうきましたか。確かに介護の現場では、人手と力が必要です。ロボットが大パワーを発揮して活躍してくれたら、大助かりなことはたくさんあるはず。例えば、「抱き上げロボット」とか。どれだけ体重の軽い人だろうと、人をひとり持ち上げるのは、成人男性だって結構チカラが必要ですからねぇ。いやひょっとしたら、孤独になりがちな高齢者を慰めてくれる動物型の癒し系ロボットというのもアリですね。ちなみにパナソニックの子会社であるアクティブリンク株式会社さんでは、リハビリ支援用の「アシストスーツ」なるものを開発しているというし・・・。(これはism編集部さんに教えてもらいました)

そう、一言で「ロボット」と言っても、いわゆる「人型」だけじゃなくて、見た目もさまざま、出来ることもさまざま、いろんなタイプの「ロボット」が存在し得るのです。ですので、さすがの(?)ワタクシも、今回の「パナソニックが作っている介護用ロボット」の正体はまったく予想できません。 大阪に行けば、詳細なお話だけでなく、開発現場でその実機を見させてもらえるとのこと・・・これはもう、迷っている暇はないでしょう!早速出発〜!

最先端の開発現場、ロボット事業推進センターを訪問!

というわけでやってきました大阪府門真市。新幹線を降りて、途中の乗換駅を間違えて迷子になりかかったり、「カドマシ」を「モンマシ」と読んだりしたことは内緒にしておいて・・・。

ロボット事業推進センター 写真


小林 昌市 (こばやし しょういち)
パナソニック株式会社 生産革新本部 ロボット事業推進センター ロボット企画担当 リーダ

ここが、パナソニックのロボット開発の総本山、ロボット事業推進センター。入館許可証をつけて施設内で待っていると、ロボット企画担当リーダの小林さんが登場! こんにちは!よろしくお願いします!!

案内されたのは、こちら、「Robot Open Labo」です。

ドアに「オープン」とはありますが、一般人が入れるわけではないです。マスコミだって、そうそう入れません。ここまで来た取材陣はあまりいないとのことで、非常に貴重な体験なのです。ちょっと緊張。

「ロボットオープンラボ」 写真

そこに待っていたのは・・・ベッド型のロボット!?

ロボティックベッド 写真

さて、さっそく、「介護用ロボット」について教えていただきましょう・・・って、あれ?小林さん、こ、これは一体!?

「本日ご紹介するロボットのひとつが、この『ロボティックベッド』です。実際のところはこれもまだ開発中の姿ですので、プロトタイプということになります」

え? ベッド? ベッドって人が眠っちゃうアレですか? それがロボットなんですか?いやあ、長年ロボットの取材をしてきましたワタクシですが・・・まさか「ベッドそのものがロボット」になる日が来るなんて!はたして、どのあたりが「ロボティック」なんでしょうか。

「ロボット技術を応用して、ベッドから車いすに、そしてまたベッドに・・・と、相互に形状を変化させることができます」

なるほど〜。このロボティックベッドなら、「寝ている状態」からスムーズに「座っている状態」へ移行することができる。ベッドから車いすに移る(移乗する)ときの介護者の負担を減らせるってことですね。

「介護する方の負担だけでなく、介護される方にとっては移乗時の転落の心配も軽減できます」

「ベッド」から「背上げ」状態、そして「車いす」へ 写真

そうですよね。ベッドに居るだけで、すでにそこは、車いすでもあるんですから・・・。

「介護を必要とされる方々が『自らの意思でベッドから起き上がる』『車いすで移動し、家族の団らんに集う』などの自立した生活ができるよう支援するものでもあります」

ひとが主役で、ロボットは「アシスト役」

小林さんたちの目指す、パナソニックのロボット。それは、「人間に似た外観のものが、なにか人間に近い動作をする」といった、いわゆる「ヒューマノイド」的なものではない。主役はあくまで「ひと」。ロボットは、ひとを助け、支援する、「アシスタント」的な存在だ。

ひとをアシストする、ということは、ひとの「仕事」をアシストするということでもある。

「だから、その形状も用途によって千差万別になるはず。なによりも求められる機能がキッチリとこなせることが大前提ですから」

うーむ、なるほど。確かに、工場で活躍している産業用ロボットなんかは、用途別に特化していて、とても人型とはいえません。被災地のがれきの下を這い進んで要救助者を捜すレスキューロボットも、人型だったら逆に不便ですしね。

「当社にはすでに産業用ロボット開発の実績がありますが、言ってみれば工場は、ロボットを導入するのに非常に適した場所なんです。広い空間に、文字通り機械的な動きを盛り込むことができます。

将来的には、家庭内でひとと共生できるロボットの開発も考えていますが、一般家庭は、工場のように空間的な余裕はありませんし、間取りもいろいろ、ひとの活動パターンも千差万別です。そういう環境で問題なく動作できるロボットの開発には、まだまだ難しいものがあります。

ですので、その前段階として、まずは医療や介護の現場で活躍できるロボットを作っていこうと。医療現場は、ある種、工場のように規則正しく、機械的な仕事が求められる場でありながら、入院病棟や病室を考えてもらえればお分かりのように、ひとの日常生活が行われる場所でもある、という二つの側面を持ち合わせていて、ちょうど工場と一般家庭の中間に属する場所にあたるわけです」

工場と来て、次に医療や介護の現場、そして最終的には、一般家庭へ・・・。となると、ベッド型ロボットは、パナソニックの推し進めているロボット開発の、ほんの一部、ほんの序の口・・・ということになる。これはなかなか、奥の深い話になりそうだ!

実はこのロボティックベッド、皆さんにも実際にご覧いただけるチャンスがあるんです。2009年9月29日(火)から10月1日(木)まで東京ビッグサイトで開催される「第36回 国際福祉機器展」。そこで初めて、一般公開されるんだとか!ベッドから車いす、車いすからベッドへ・・・の「変身」の様子も、チェックできるらしい。これは見逃せない!

では今回はこのへんで。引き続き、ロボティックベッドやその他パナソニック製ロボットについて、もう少し詳しくご紹介していきます。お楽しみに!

ロボティックベッドと日高氏 写真
初めての「ロボティックベッド」!おお、こ、これは・・・!

第一話 起動!ロボティックベッド に進む

デイビー日高氏 写真

デイビー日高

1969年、東京都墨田区生まれ。
息子ふたり、娘ふたりの「子だくさん」ライター。
サイエンス&テクノロジー、自動車&モータースポーツなどが好き。
主な寄稿先はRobot WatchロボコンマガジンCar WatchResponseなど。

デイビー日高の公式HP 「スタジオティターンズ.com」
http://www.s-titans.com/

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