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※過去に掲載された記事になります。内容は公開時のものであり、最新の情報とは異なる場合がございます。

世界の授業を変える!電子「白板」 〜エリートパナボード〜

  • プロローグ : 
電子黒板、いまむかし
  • 前編 : これが最先端電子黒板だ!
  • 後編 : 世界に挑戦するキーテクノロジー

2010年12月7日公開

取材・文 / 田中実典 (たなかみのり)

前編 : これが最先端電子黒板だ!

世界の教育の場で活躍し始めているパナソニックの最新電子黒板。その詳細を知るべく、パナソニック システムネットワークス株式会社の福岡事業所にお邪魔しています。

ここで出会った最新の電子黒板がこちら、インタラクティブタイプの「エリート パナボード UB-T880」。主に教育シーンでの使用を想定して開発されました。

それではさっそく、モノづくりに携わった皆さんに、詳しくお話を伺おうと思いますが、その前に・・・

まずはこちらの動画(英語で語られています)をご覧ください!

エリート パナボード 写真

※動画内の商品は欧州モデルです。他社ソフトウェアや周辺機器を使用した説明も含まれています。
※商品や周辺機器,ソフトウェアの仕様は、販売地域によって異なる場合があります。詳しくは販売店までお問合せください。

こちらの方は、パナソニック システムネットワークス ヨーロッパ社で、インタラクティブタイプの営業を担当されている、ブレナン・ペイトンさん 。UB-T880の様々な特長を語ってくれています。動画を見ていただくと、この電子黒板がどれほど便利なものなのか、ざっとおわかりいただけると思います。

私がこの動画を見て思ったのは、「思いのほか直感的に書いて、操作できるんだな」ということ。文字だけではありません。画像を大きくしたり小さくしたりツールを選択したりする動作も、指でつまんで拡げたり狭めたりする動作でOK。ちょうどスマートフォンのような感覚で操作できます。 また、3本の指で線を書くデモでは、別々の線が重なってもちゃんと認識されることに驚きました。このあたりにUB-T880の技術のキモがありそうです。


ブレナン・ペイトン
パナソニック システムネットワークス ヨーロッパ社 ゼネラルマネージャー

さらに詳しく! UB-T880

ここで、「動画でご紹介したようなデモ画面が実際にご覧いただけるので」と、斉藤さんに連れられて、敷地内のショウルームへ移動です。

ショウルームのパナボード 写真

私も実際に操作しながら、UB-T880の主な特長について教えていただきました。

指を使って、直感的操作ができる

動画にもあったように、この商品の最大の特長は、「電子ペンだけでなく、指でも文字が書ける」ということですよね。

斉藤:
「そうです。従来のインタラクティブタイプでは、文字を書けるのは、専用の電子ペンのみでした。また、文字を書く時と、マウス操作をする時では、つどモードの切り替えをする必要があったんですね。つまりは一つ余計な動作が増えることになるので、先生にはご不便をおかけすることになっていたんです」

たしかに、学校の先生を思い返してみると、黒板になにやら書きながら、たまに子ども達のほうを向いて語りかけるような人が多かったです。そんな授業の仕方に慣れている先生方にとっては、黒板に対して何か余計な指示をしたり、設定を変えたりすることは、ジャマな作業でしかないのかもしれません。先生達が本当に向き合いたいのは、マシンではなくて、子ども達。アナログの黒板を扱うように、ごく自然に、 直感的に文字が書けるUB-T880は、その気持ちに応えることができる、というわけです。

指で操作する田中氏 写真
指操作で画像の大きさを変える斉藤さん 写真

画像の拡大・縮小や移動、メニューウィンドウで行うモード切り替えも指でできる。マウスの代わりに画面上の操作をしたり、同じく画面上の仮想キーボードで文字入力をしたり。手書きを書体に置き替える文字認識機能もあります。これならパソコンが苦手な人も、ずっと操作しやすいでしょう。

電子ペン 写真

一方、電子ペンでは・・・
直線の線の種類、太さを選べたり、図形を置いたり、星やハートなどのパターンを使った線が引けます。指での操作同様、文字認識機能もあります。

斉藤:
「ペン操作している場所にどこにでも自由に表示できるメニュー も、他社製品にはない長所ですね。使いたい時に、ボード面の好きな場所をタッチすれば、その部分に現れます。先生だけでなく、背の高い子も低い子も、自分が使いやすい場所に表示させることができるんです」

メニュー表示の様子 写真

3人まで同時に書ける

斉藤:
「従来は、電子黒板側で検知できる描画ポイントは1ヵ所だけ、つまりボードに書き込めるのは一度に一人だけでした。でも実際に教室で使う際、例えば黒板に並んだ計算式に子ども達が答えを書く時、一人ずつ順番待ちをしているのでは効率が悪いですよね。そこでUB-T880では今までにないマルチタッチパネルを開発し、最大で 3人が一緒に書けるようになりました。他社の製品にも複数の人が同時に書けるものがありますが、それは書ける領域が決められているなど、使う側に制限が生じます。ボード面のどの場所でも、3人が自由に書くことができるのは世界でウチだけです」

3人同時描画 イメージ

黒板の良さに近づいたとも言える「3人同時描画」。ちなみに従来は、電子ペンからの信号を読み取ることしかできなかった。UB-T880では、電子ペンも指の動きも検知できる仕組みがボード面に隠されているんだとか。詳しくは後編でお伺いしましょう!

算数の授業などで、子どもが黒板の前まで出てきて計算問題をやったりするというのは、よくあることですよね。「 3人同時操作」が実現したことで、電子黒板を使った授業の効率は大幅に向上するのではないでしょうか。

また、授業用のソフトウェアを制作する上でも、 3人までが同時に書き込めるという条件なら、自由度が大きく拡がるはず。例えば、子どもが答えを書くと同時にすかさず先生がマルをつけてあげるとか、子ども達同士で漢字テスト対抗戦をしたりとか、みんなが注目して盛り上がる授業のアイディアがいろいろ生まれそうです。

触っていて気付いたことがあります。右手で文字を書いているとき、ふと無意識に左手もベタッとボードに触れてしまったんですが、それは認識されませんでした。そのワケは?

斉藤:
「その動作、ついやってしまいますよね。実際、子どもも書く作業に熱中するあまり、ペンを持ってないほうの手でボード面に触れてしまうことが多いんです。その場合は、もう一方で認識している文字と混同しないよう、ボード面に付いた手の面積や時間の長さから、『これは文字ではない』と判断して認識させないようにしているんです」

そんな細かい動作まで見越して調整をしているんですね!

アナログ感覚の電子ペン

UB-T880のスゴイところは、ボード面だけではありません。電子ペンそのものもかなり進化しているんだそうです。

斉藤:
「まずは持ってみてください。誰もが使いやすいように、大人でも子どもでも持ちやすいデザイン、重さを目指しました。操作性も従来より格段に進化しています。これまでは、マーカーの色を変える際はペン側ではなく、ボード面のメニュー画面で色を選択してもらっていたのですが、UB-T880では、アナログの4色ボールペンのようにペン側でも色を選べるようにしました。これも使用している先生の声にお応えした形です」

こちらが専用の電子ペン。私も実際に手にしてみましたが、電子ペンのお尻の部分をカチカチと回すアナログスタイルは非常に好印象。まさに普段から使い慣れたボールペン感覚です。4色のカラーのほか、消しゴムや蛍光マーカーも選べます。最新の技術が投入された情報機器であっても、人の手が触れる部分にこうしたアナログ的な要素があると、やはりホッとします。また、プレゼン用ソフトウェアのページをめくるボタンがつくなど、痒いところに手が届くような機能も魅力です。

電子ペンの詳細紹介

7つのマーカーとイレーサーが簡単に切り替わる回転スイッチを装備。
小さな手にも軽く、握りやすいUD配慮設計。

堅牢性や安全性に配慮

斉藤:
「この製品は、お昼休みも放課後もずっと教室に置かれたままですよね。学校の休み時間って、私も教室でボール投げをやったりしたものですが、とにかく何がぶつかってくるかわからない。そこで、表面にはメラミンボードを使用し強化しました。

引っかいても傷がつきにくい物をぶつけても傷がつきにくい

斉藤:
「こんな風に(握りコブシでドンドンと板面をたたく斉藤さん)やっても大丈夫です!」

なるほど、子どもは元気いっぱいですから、耐久性は重要ですね。

斉藤:
「ほかにも、教室の中を子どもが元気よく走り回って、ぶつかっても倒れない強さ、もし、角に当たってもケガをしにくいよう丸みを帯びた形状にするなど気をつけています。パナソニックの製品として使っていただく方の安全性を確保するために、いろいろな配慮を盛り込んでいます」

このほか、ショールームでは、デモ用のさまざまなソフトウェアを体験することができました。UB-T880にはスピーカーも内蔵されているため、英語の発音や動物の鳴き声など、音を使ったアプリを使っても効果抜群。

動物のイラストを押すと、鳴き声が!英単語も、ネイティブの発音を聞きながら学べる。

こんな電子黒板で、動画や写真を駆使した授業を受けられたら、学ぶことに対する 子どもの興味の沸き方もきっと違ってくるだろうなと改めて感じました。

例えば、天体について学ぶ時、先生が宇宙空間の写真やCGイメージを大画面で見せながら、「これが木星、これが金星・・・」と印をつけたりして授業をしてくれたりしたら、子ども達の集中力も理解度もぐんと上がると思うのです。また教材を手作りするのが好きな先生も、それらを電子黒板用にデータベース化しておけば、アップデートもしやすく、好きな時に活用できます。

日本⇔ドイツ間の取材では、高画質のテレビ会議システム「HD映像コミュニケーション」も体験!

かつて毎日向き合っていた黒板が、電子化されているだけでも驚きなのに、操作性、堅牢性、安全性などあらゆる面で高性能化を遂げている最先端電子黒板「エリート パナボード UB-T880」。後編では、その誕生に関わった開発陣に、更に詳しいお話を伺っていきます。


後編 : 世界に挑戦するキーテクノロジー へつづく