換気の大切さがわかった、
「ブラックホール事件」と「ロンドンデリー号事件」
そもそも、ヒトはいつから「換気の必要」に気付いたのか。突き詰めてみると、そこには痛ましい歴史があった。換気不足が人の生命を危険にさらすという教訓になった有名な出来事が、1756年インドで起きた「ブラックホール事件」。当時の支配者に捕らえられた英国人146人が、狭い独房に閉じ込められ、一夜にしてほぼ全員が亡くなった。換気不足も原因して、熱中症になる人が続出したからではないかと言われている。
そして1848年、イギリスで起きた「ロンドンデリー号事件」。アイルランドから北アメリカに向かっていた汽船が嵐に遭い、200人近くの乗客が狭い三等船室へ避難させられた。浸水防止のため、船員たちが部屋を密閉したところ、換気不足で72人が死亡したという。救助のために乗組員がランプを持って船室に入ったところ、室内に充満していた炭酸ガスで、ランプの火はすぐに消えてしまったという。
《出典》「暮らしと環境と空気の話」東洋経済新報社 松下精工株式会社(当時) 編