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松下産業情報機器(株)が開発した音声ICタグレコーダ「ものしりトーク」に初めて出会った時、人の声の温かみを感じるとともに、その発想の斬新さに驚きました。
日常生活の中で、視覚障害者の方は身近な物を手に取り、触覚や音、匂いなどでそれが何であるかを識別します。しかし、中には識別の難しいものも多いのが現状。冒頭の缶詰や薬はその代表格です。
「ホタテの缶詰を開けたつもりが、実はミートソースだった。しかたがないのでメニューを変更した」
「肉を凍らせると、牛なのか豚なのか鶏なのか判別できなくなった」
「何か食品だと思ってチンしたら、実は氷。もちろん水になって溶けてしまった」
視覚障害者の方にとっては、食品に関する事柄だけでも、このような笑えない失敗は日常茶飯事。これが薬の識別になると、さらに事態は深刻です。
体調が悪い、風邪薬を飲みたい。でも家族全員出かけていて、自分ひとりではどれが風邪薬なのかわからない。こんなとき、全く別の薬を飲んだり、服用方法を間違えたりすると、大変な事態になりかねません。結局、つらい症状を我慢しながら家族の帰宅を待つことになります。
点字の札を付けたり、巻きつけた輪ゴムの本数で物を識別する方法もありますが、点字を打つのが手間だったり、輪ゴムでは識別できる数に限界があるなど、いずれも容易ではありません。
では、今、手にとったものがいったい何なのか、音声で教えてくれる機器があったらどうだろう?「ものしりトーク」はそんな発想から生まれた、全く新しい福祉機器です。
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