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2章 イオンの秘密

予告
2章 イオンの秘密 ナビゲーター 安藤アン真樹
ナビゲータープロフィール
プロローグ 1章 2章 3章 4章
デンキブンカイ!?  
実験室の扉を開けると、
そこにはビーカーやフラスコなどの実験器具や
いかにもハイテクを駆使してそうな分析装置が所々に設置され、
壁際の棚の中には試薬品と思われる瓶がぎっしりと並べられている。
室内の一角では見るからに大人しそうな感じの人物が、
何かの研究に勤しんでいた。
 
「お待ちしてました。
それでは、早速アルカリイオン水の正体に迫るとしましょうか。

おっと言い遅れました。私が“整水”の白水(しろうず)です。
 
大津工場長からも少しお聞きしたかもしれませんが、
アルカリイオン水を生成するのに欠かせない技術が電気分解なんです。
そう、中学や高校で習ったあの電気分解です。
覚えていますか?」
 
この実験室の雰囲気とデンキブンカイという言葉に、
すっかりたじろいでしまった僕アン。
「まぁ、そんなに難しい顔をせずに、リラックスして聞いて下さいね」と、
意気消沈しがちの僕を優しく励ましてくれた白水さんは、
イラストを用いて電気分解について何やら熱く語りはじめた。
 
「水を構成する分子はHO。これはわかりますよね。
実は水の中にはHOの他にも、わずかですが電離したイオン、
例えばH(水素イオン)やOH(水酸化イオン)などが存在しています」
 
「HやOHなどの……、イ、イオン……?」
狐に抓まれたような“ポカン”顔の僕アン。
 
「きっと、中学校で習ったハズですけど……。
もう忘れちゃいましたかね(笑)。
イオンとは+や−の電気を帯びた原子や、
それらが結合した分子のことです」

技術グループ 主任技師 白水 久徳 氏
整水の達人こと
技術グループ 主任技師
白水 久徳 氏
アルカリイオン整水器の電気分解システム部の開発を担当。普段はもの静かながら、「電気分解」については湧き出る泉のごとく、熱く語ってくれた。
原子について
原子の構造
「通常、原子はプラス(+)の電気を帯びた原子核と
マイナス(−)の電気を帯びた電子で形成されており、
両者の電気バランスは、
プラスとマイナスがつり合った状態になっています。
 
ところが何かのはずみで電子がとれてしまったり、
くっついてしまうことがあるんですよ。
そうなると電気バランスがくずれて
プラスかマイナス、どちらかの特性が強くなる。
こうなったモノをイオンと呼ぶのです。
 
それで電子がとれて、プラスの電気が強くなったイオンを+(陽)イオン、
一方、電子がくっついて、マイナスの電気が強くなったイオンは
−(陰)イオンと呼んでいます」

おお……そうだった、そうだった。
白水さんの解説により、
僕はおぼろげだった化学の記憶を少しずつ取り戻してきた。
 
「さてここで水の話に戻りましょうか。


 
水は主にH2O(水)。その中にH+(水素イオン)やOH-(水酸化イオン)が少し含まれている
水は主にHO(水)。その中にH(水素イオン)やOH(水酸化イオン)が少し含まれている
一般的にいう“水”というものは、
電気を帯びていない「HO」という状態なんですが、
実はその中にはプラスの電気を帯びたH(水素イオン)や、
マイナスの電気を帯びたOH(水酸化イオン)も含まれているんです。
 
さらにこの2種類のイオンの含まれる量によって、
その水が酸性かアルカリ性なのかが決まるのです。
 
>OH であれば“酸性”に、
<OH だと“アルカリ性”に、
=OH の場合は“中性”になります」
  2種類のイオンの含まれる量によって、その水が酸性かアルカリ性なのかが決まる
フムフム。
つまり水中でH(水素イオン)が
OH(水酸化イオン)より多くなれば酸性水、
逆にOH(水酸化イオン)が多くなると
アルカリ性の水になるというわけか。
白水さんの熱いトークに、僕はグイグイと引き込まれていった。
アルカリイオン水ができたっ!!  
「それでは次に電気分解によって、
どうやってアルカリイオン水、
すなわちOH(水酸化イオン)の多い水を
生成することができるのか
それを説明するとしましょう!
 
まずは+極と−極の
電極板を設置した水槽(電気分解槽)の中に
水道水を流し込みます。
まずは+極と-極の電極版を設置した水槽(電気分解層)の中に水道水を流し込みます

そして両電極板に電気を流してみますと……
 
磁石のN極とS極が引きあうように、
−の電気を帯びたOH(水酸化イオン)が
+極に引きつけられます。
それでOH(水酸化イオン)にくっついていた電子は
+極に取られ、O(酸素原子)とH(水素原子)
に分かれるんです〈右図A-1〉
 
そしてOが2つ結合して
(酸素分子 気体)になったり〈右図A-2〉
Hが2つと、Oが1つくっついて
O(水分子)に変化します〈右図A-3〉
 
こうしてOH(水酸化イオン)が減少した結果、
(水素イオン)が残り、
+極側では H>OH となって、
酸性水が生成されることになります。
 
「あれっ、酸性水……? 
デンキブンカイによって、
アルカリ性の水をつくるんじゃなかったでしたっけ?」
どうにも納得のいかない僕アンは、
白水さんにこう尋ねた。
 
「ええ。アルカリ性の水を生成するには、
同時に酸性水も生成する必要があるんです。
まぁ、話の続きを聞いて下さい」
 
僕は、はやる気持をおさえて話に耳を傾ける。
 
「+極側では酸性水が生成されると説明しました。


+極側では酸性水が生成される

では、同時に−極側では何が起ってるかと言いますと……、
 
−極に引きよせられたH(水素イオン)が
電子を受け取って〈右図B-1〉
H(水素原子)に変化〈右図B-2〉します。
さらにそれが2つ結合して
(水素分子 気体)となります〈右図B-3〉
 
そうなると、今度はH(水素イオン)は減少して、
OH(水酸化イオン)が残りますから、
−極側では H<OH の水、つ・ま・り……」
 
「アルカリイオン水がつくられる!」
僕はついつい叫んでしまった。
 
「その通り!!
どうやら謎がひとつ解けたようですね。
ちなみに電気分解の際に、
たくさんの電流を流せば、
イオンを引き寄せる力も強くなり、
よりアルカリ性の強いアルカリイオン水を
生成することが可能となります」
 
なるほどぉ、わかってきたぞ!
デンキブンカイによって、

-極側ではアルカリイオン水が生成される
電子を移動させて、イオンとやらを変化させる。
 
それによってH(水素イオン)と
OH(水酸化イオン)の量を増減させることで、
+極側では酸性水、
−極側ではアルカリイオン水が作られる。
 
“これがアルカリイオン水を生成する
電気分解のシステムというわけか!”
電気分解のまとめ
水がサイドチェンジ!?

そんな僕のちょっぴり自信に満ちた表情を見て白水さんは、
「さてここで問題です!
今は電気分解槽の右半分〈右イラスト参照〉で、
アルカリイオン水が生成され、
吐出口からは、もちろんアルカリイオン水が出ますよね。
では、同じ吐出口から、
酸性水を出すにはどうすればよいでしょうか? 」
 
「え〜と、右半分で酸性水を生成するってことは、
プラスとマイナスを反対にすればいいわけだから……
そうか、電流を逆に流す!」
 
「大正解!! アンさん、わかってきましたね」
 
「なるほど!」と僕は思わず声を上げてしまった。
電流を逆に流すことで同じ吐出口から、
アルカリイオン水だけでなく、
酸性水も出すことができる。
 
僕の中で駆け巡っていたアルカリイオン整水器の謎のひとつが、
見事に解明された瞬間だ。

電流を逆に流すことで同じ吐出口からアルカリイオン水だけでなく、酸性水も出すことができる

はたらく水  
「ところでアンさんは、どんな水が好きですか?」と白水さん。
 
「カルシウムやマグネシウムといったミネラル分が
豊富に含まれたヨーロッパ系の硬水がお気に入りです」
と僕が答えると……。
 
「なるほどカルシウムやマグネシウムは、
骨や筋肉を形成する働きがあると言われてますし、
ナトリウムやカリウムは、
カラダの体液の浸透圧を正常に保ってくれるんですよね。
 
でもねアンさん、忘れてはならないことがあります。
これらミネラル分はミネラルウォーターだけでなく、
我々が飲む水道水にも含まれているということです。
カルシウムやマグネシウム、ナトリウム、カリウムはどれも
 
水溶液内では+(陽)イオンになりますから、
電気を流せば−極側に引き寄せられます。つまり……」
 
「つまり?」
 
「電気分解で生成されたアルカリイオン水には、
水道水や浄水器でろ過された水よりも、
より多くのミネラル分を含んだ水になるのです。
我々の研究ではおよそ1〜2割ほど、
これらのミネラル分が増えることが確認されています」
 
フムフム、それは水道水をそのまま飲むより、
アルカリイオン水の方が、
僕の鉱物、いや好物であるミネラル分を
たくさんカラダに取り入れることができるってことじゃないか!
僕の中でアルカリイオン水のランキングがグググッと上昇した。
カルシウムやマグネシウム、ナトリウム、カリウムなどのミネラル分は、-極側に引き寄せられる
カルシウムやマグネシウム、ナトリウム、カリウムなどのミネラル分は、−極側に引き寄せられる。

 
「では、ここでアルカリイオン水の効果がわかる、
面白い実験をひとつ。
アルカリイオン水と水道水が入ったグラスに
それぞれ鉄製のクリップを入れてしばらく放置してみましょう。
……といっても、
ここで何日もアンさんを待たすわけにはいきませんから、
こちらに3日前に実験を行ったグラスがあります」
 
3日前のグラスだって。
なんだか料理番組の段取りみたいでオモシロイな。
僕はもう完全に白水ワールドに引き込まれてしまったようだ。
 
「水道水の方にはすでにサビが発生していますよね。
水道水の方にはすでにサビが発生している。一方、アルカリイオン水の方にはサビは見られない  
ムービーを見る
一方、アルカリイオン水の方にはサビは見られませんよね。
 
サビというのは酸化、
つまり酸素と結びつくことで引き起こされる現象です。
 
水道水の方は、
水道水の中に溶けている酸素が
鉄製のクリップを酸化させて、サビができる。
 
ところがアルカリイオン水は、
鉄と酸素を結びつきにくい状態にしているので、
酸化(サビ)について クリップのサビを抑えているのです」
 
ホォ〜。
こんな風にカラダもサビつかないといいのになぁ。
アルカリイオン水って本当に興味深い。
pHのヒミツ

ここで僕はある質問を投げ掛けた。
「アルカリイオン整水器には、
野菜アク抜きや炊飯、飲料水、弱酸性水など
イオン水のpH値を調整できるボタンが付いてますよね。
 
これまでのお話で、
電流の強弱でpH値を調整できることもわかりました。
でも具体的にその違いが、
野菜やごはんにどんな影響があるんです?」
 
僕が段々わかってきたのが心底嬉しいのか
ニコニコ顔で白水さんはこう答えた。
 
「佐藤君から、
アルカリイオン水の高い浸透性や優れた抽出力について、
実験や説明をしてもらったと思いますが(1章参照)、
pH値を調整することで、
いろんな使い方ができるんです。
 
お米を例にとって説明しましょう。

  アルカリイオン整水器にはイオン水のpH値を調整できるボタンが付いている

(写真はPJ-A503/2004年8月現在)

米のデンプン内にはタンパク質や脂質が点在しています。
そこで米を炊くときに アルカリイオン水を使うと
OH(水酸化イオン)がデンプン内のH と
結びついてHO(水分子)を形成します。
 
これによってデンプン内の水素結合が壊れ、
その間から水が侵入しやすくなります。
結果、デンプンの糊化が進んで美味しいごはんが炊けるのです」 
 
白水さん達の研究結果では
ベトつかずにふっくらしたごはんを炊くには、
pH9.0程度が適しているとのこと。
それよりpHが低いと糊化が弱くて
ふっくら度が足りなくなるし、
逆に高いとデンプンの水素結合を壊しすぎてベトついたり、
米の表面が固くなったりするそうだ。
 
「またOH(水酸化イオン)の多いアルカリイオン水は、
米の中に含まれているタンパク質にも影響を与えます。
 
タンパク質に水が浸透することで、
旨み成分であるアミノ酸などが溶け出してくるんです。
このようにアルカリイオン水は食材のイオン化を促進させて
旨み成分やミネラル成分を引き出す効果を持っているんですよ」
 
ごはんを美味しく炊くのに、
アルカリイオン水が関係しているなんて、
これまたオドロキの事実。

 
 
ごはんをふっくら炊くには

一方、酸性水はどんな効果を持っているのだろうか。
 
「弱酸性水は美容に用いられる、
という話を大津工場長から聞いたと思いますが、
肌のタンパク質が安定した状態になるのは、
pH5.0〜6.5なんです。
だからpH5.5の弱酸性水を肌につけると、
タンパク質が壊れず引き締まる状態になります」
 
なるほど、酸性水もなかなかやるじゃないか!
 
白水さんはその他のpH値についても教えてくれた。
それらをまとめると以下の表のようになる。

 
  pH値表


でも…僕は不思議に思った。
「pH値の違いによって用途が異なるっていっても、
アルカリイオン水のpH値の差は、たった0.5ですよね。
そんなに効果に違いはあるんですか?」
 
「いい質問ですね。
確かにアルカリイオン整水器には8.5から10まで、
0.5単位でpH値が刻まれていますから、
そんなに効果に影響はあるかと疑問に思われるかもしれません。
でもね、pH値が1変化すると
その水溶液内のH(水素イオン)の濃度は
なんと、10倍変化するんです」
 
「10倍も……ですか?」
 
「そうなんです。
pH値が1上がる、つまりアルカリ性が強くなると
(水素イオン)の数が1/10、2上がると1/100に。
逆に1下がる、すなわち酸性が強くなると、 
(水素イオン)の数は10倍、2下がると100倍に、

pH値の求め方

変化するということなんです。
 
当然、電気分解においては、
(水素イオン)の数にほぼ反比例して
OH(水酸化イオン)の数が増減することになります。

0.5や1の差も、イオンの世界では大きな差なんですね。
だから効果も結構変わってくるんです」


 
アルカリイオン水はどうやって生成されるのか?
どのような性質をもった水なのか?
pH値の違いとそれぞれの効果は?
どうして弱酸性水も生成されるのか?
これら一連の謎が少しずつ解き明かされていき、
僕の頭の中にあったモヤモヤが徐々にクリアになっていく。
僕アンは白水さんとの会話を心からエンジョイしていた。

アルカリイオン整水器の?  
アルカリイオン水の説明を一通り終えたところで、
白水さんが卓上のボックスから
何かパーツのようなものを取り出した。
 
「これが実際のアルカリイオン整水器の電気分解システム部、
つまり心臓部分ですね」
 
電気分解システム部というから、
水が結構入るような大きめのタンクのようなモノを想像していたのだが、
目の前にあるプラスチック製のその部品は、
僕の予想より遥かに薄く、実にコンパクトなものだった。
 
「先程は、分かりやすいように、
タンクのような電気分解槽の図で説明しましたが、
実際のアルカリイオン整水器では、
この電気分解システム部の中に
水を流しながら電気分解していくんですよ。
 
電気分解システム部は大まかにいうと
電気分解槽、電極板、隔膜の3パーツで構成されています。
アルカリイオン整水器を設置しやすいサイズにするためには、
このシステム部のコンパクト化が必要不可欠な要素ですからね。
研究にはかなりの時間を費やしました」
 
電気分解システム部の話をする白水さんは、
一段とまたトーンアップしていた。
その話ぶりからは、これまで自分達がやってきた研究への“熱い想い”、
さらにはそこで得た“自信”をも感じ取ることができる。
 
「電気分解槽のサイズを変えてみたり、
電流の大きさや流す時間、水の流れを調整しました。
一方では、電極板の大きさや薄さ、枚数、
電極板にコーティングしてある白金の膜厚、表面状能を研究して、
できる限り小さい構造で、
かつ効率的に電気分解を行えるようにしたんです。
 
現在では普及タイプのアルカリイオン整水器には電極板を3枚、
さらに高スペックタイプでは電極板を5枚設けて、
短時間で効率の高い電気分解を可能にしています」
 
白水さんの研究成果が、
よりコンパクトな構造ながら短時間で、
アルカリイオン水を生成&pH値を調整する
アルカリイオン整水器を誕生させた。
彼が“整水の白水”と称されている理由はここにあるのだな。

「もちろんコンパクト化も重要なんですが、
それより前に日本全国の水道水には、
実はいろいろな水質があるので、
“水を知る”ことが大切になってきます。
 
我々は国内各地から水を採水して、
アルカリイオン水を生成させてみました。
その中で最も頭を悩ませたのが沖縄の水です 」
 
「沖縄の水?」

アルカリイオン整水器の電気分解システム部
アルカリイオン整水器の電気分解システム部

島好きの僕はたまらず身を乗り出した。

そこで白水さんが奥の分析装置に対面して
何かの研究に勤しんでいたスタッフに話しかけた。
彼は白水さんとわずかばかりの会話を交した後、
僕の方に向かって歩いて来た。
 
「全国の水に関しては、私がお教えしましょうか。
はじめまして、私の名前は……」
 
僕はふと大津工場長の話を思い出した。
なるほど、さては彼が……
「ええ、お聞きしてますよ。“浄水”の小早川さんですね」
 
いかにも温和そうなこの人物は
僕の応答に一瞬驚いたようだったが、
すぐにまたニコリと微笑んで、静かに頷いた。


3章 魔法のハコ へ

予告ムービー

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