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Human File 〜開発ストーリー〜:パナソニック中国 家電研究センター
ななめドラム開発チーム リン・イビン/チェン・ヤンメイ

中国のハートをつかんだ、コンパクト・ななめドラム。

もし、洗濯機に求めるポイントに、順番を付けるとしたら?
洗浄力、省エネ、節水、スピード、価格、サイズ、デザイン、静音・・・重視するポイントは、文化や生活環境によっても変わってくるもの。

例えば、おとなり中国では、雨が少ない北部を中心に昔から水を大切にする文化が息づいている。少ない水でしっかり洗える、パナソニックのななめドラムは、2005年の発売以来どんどんシェアを伸ばしているそうだ。

ななめドラムをはじめとする洗濯機や冷蔵庫など、より生活に密着した家電製品の開発拠点となっているのが、杭州開発センター。中国の人々に愛される製品を目指して、日々研究・開発を重ねている。

そして今回、さらに多くの中国の人に使ってもらえるななめドラムを開発したという。そのキーワードは、ずばり「コンパクト」。ななめドラムの開発リーダーであるリン・イビンさん、商品企画を担当したチェン・ヤンメイさんのおふたりに、お話をうかがった。

今回取材班は、日本を飛び出して 中国は杭州にある開発センターへ! 杭州は、西湖という湖が有名な美しい所だ。
こちらが杭州開発センター。工場から社員食堂まで、全部がとにかく大きかった!

テーマ;その国の文化や生活に、寄り添うモノづくり。

当たり前だけれど、日本と中国では生活スタイルも住宅環境も異なる。日本生まれのななめドラムを、中国の暮らしにフィットするようにつくり替える必要があった。そのためには、中国の文化や生活習慣、住宅環境をしっかり理解することがとても大切だ。

チェンさん
「中国では、洗濯機は衛生間(えいせいま)と呼ばれるスペースに設置するのが一般的です。衛生間とは、洗面台とシャワーが一体になった小さく狭い空間。ななめドラムを置きたいのに置けない、もっと小型化して欲しいという声がありました。」

どんなに魅力的な洗濯機でも、置くスペースがなければ選んでもらえない。中国のどんなおウチにも置ける洗濯機をつくり出すため、まずチェンさんたち商品企画チームが動き出した。

洗濯機の定位置は衛生間の片隅。備え付けの棚があることも多く、高さや奥行きが制限されがちだ。

挑戦:理想のサイズを導き出せ!

チェンさん
「私たち商品企画チームはユーザーのお宅を一軒一軒訪問し、衛生間のサンプルを集め始めました。北京、上海、杭州をはじめ、さまざまな地域での衛生間の寸法や使われ方を徹底的に調べましたね。」

チェンさんたちが集めたという、衛生間のサンプルファイルを見せていただいた。これがなんと電話帳以上もありそうな分厚さ!その豊富なサンプリングから導き出されたのが、高さ850mm、奥行き550mmというサイズだ。

チェンさん
「実は、奥行きは570mmの設定で開発が進みかけていました。でも、調査の結果、570mmでは10軒中3軒の家に入らないということが分かったのです。そこで、リンさんたち開発チームに550mmでの開発をかけあいました!」

チェンさんたちの地道な調査から分かった、理想のサイズ。果たして実現できるのか?今度は、リンさん率いる開発チームの出番だ。

コンパクトな洗濯機に、ビッグな洗浄力を。

コンパクトな洗濯機を実現するために、リンさんたちがまず取りかかったのはななめドラムの傾斜角度の調整だった。

リンさん
「角度を変えると、重心も変わってしまいます。騒音や振動を抑えるための仕組みや、衣類をキレイに回転させるためのプログラムなどをゼロから設計し直しました。」

また、制御回路やドラムの位置などのレイアウトを見直すことで、高さも抑えた。そのうえ、泡立ち洗浄という新しいコースを追加して、洗浄力アップまで実現。中国の家庭では週に2、3回のまとめ洗いが一般的なため、より高い洗浄力が求められるのだそう。ここにも、その国の文化や生活をしっかり理解するという姿勢が貫かれている。
コンパクトになると機能もカットされてしまうと思いがちだけれど、変わらぬ節水性能に加え、洗浄力までアップしたななめドラムが完成した。

日本でも、都心部に住む人は家の狭さに悩むことが少なくない。これは日本でも売って欲しい・・・とひそかに思った。

もちろん、省エネ性能だってトップクラス。:消費電力や洗浄率、耐久性などの6つの項目で、中国政府の厳しい審査をクリアした製品に与えられる「6A認証」を取得している。

高さと奥行きをグッと抑えて中国の家庭の実に9割以上に置けるコンパクトな洗濯機が誕生!
チェンさんたちが撮影した衛生間の資料。集める手間を考えると、クラクラするほどの膨大な量だ。
実はこの時、すでに外型の試作品まで出来ていた。しかしチェンさんたちの熱意がチームを動かしたのだ!

人:ななめドラムを広めた、立役者。

現在、洗濯機の開発を一手に担っている杭州開発センターが出来たのは、2005年のこと。今は約100人を数える技術者たちも、設立当時はたった5人しかいなかったというから驚いた。リンさんとチェンさんは、共にその設立当時からの生え抜きメンバーだ。

リンさん
「大学では、流体シミュレーションを学んでいました。流体シミュレーションとは、煙や水など、一定の形を持たない物の動きを研究するもの。水を扱う洗濯機の開発をやりたくてパナソニックに入ったので、この開発センターに配属された時は嬉しかったですね。」
チェンさん
「経営情報学を学ぶため、日本の大学に留学していました。そこで学んだ知識は、今の商品企画の仕事にも活きています。大学は京都の山あいにあって、自然がいっぱいの気持ちのいい所でした!」

実はリンさんも日本の大学に留学経験があり、おふたりとも日本語はペラペラ。そんな日本と中国の技術を併せ持ったおふたりを中心に、ななめドラムの開発はスタートした。
2005年、中国で初めてとなるななめドラムを発売。以後、着実に販売台数は伸び続けているという。リンさんとチェンさんは、いわば中国に置けるななめドラムの育ての親のような存在なのだ。


夢:誰でも買えるななめドラムへ。

リンさん
「ななめドラムが中国で発売されてから、今年でやっと4年目。多くの人にとって、ななめドラムはまだまだ高価な商品です。少しでも多くの人に使ってもらうためには、コストダウンも大切。今回のななめドラムでも、材料を全て中国内で調達したり、部品点数を出来る限り減らしたりと、性能を落とさずに価格を抑える工夫をこらしました。もっともっと、誰もが買えるような商品にしていきたいですね。」
チェンさん
「広い中国では、地域ごとに生活スタイルがガラッと変わります。どの地域に暮らす人にもフィットする洗濯機をつくるために、これからもユーザーの暮らしを見つめていきます!」

現在、中国のドラム式洗濯機の年間需要は、年間約220万台。夢は500万台!と話してくれたおふたり。これからも、中国の人たちに愛される洗濯機をつくりつづけてくれることだろう。


パナソニックは、中国のみならず、世界各地でその土地の生活スタイルや住宅環境に合わせたななめドラムを開発している。世界のご家庭に、エコと快適な暮らしを届けたい。パナソニックのモノづくりにかける想いは、国を越えて広がっていく。

左から、日本、中国、欧州モデル。
パナソニック中国 家電研究センター ななめドラム開発チーム リン・イビン(写真右):2005年4月入社。大阪大学大学院で修士号を取得。ななめドラム開発リーダーを務める。/チェン・ヤンメイ(写真左):2004年5月入社。京都創成大学で経営情報学を学ぶ。中国市場のリサーチと商品企画を担当。

※ 社名・部門名、商品名等は掲載当時のものであり、現在の情報とは異なる場合があります。

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