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パナソニック株式会社の企業美術館、パナソニック 汐留ミュージアムは「日本、家の列島展 -フランス人建築家が驚く日本の住宅デザイン-」を2017年4月8日(土)から6月25日(日)まで開催します。
本展は、日本の近現代の住宅建築にスポットをあて、2014年5月からフランス、スイス、ベルギー、オランダの各都市を好評巡回した展覧会「日本、家の列島」(L’archipel de la maison)の帰国展です。企画を実現させたのは写真家のジェレミ・ステラに加え、建築家のヴェロニック・ウルスとファビアン・モデュイ、日本在住30年で建築設計事務所みかんぐみの共同代表であるマニュエル・タルディッツの4人のフランス人です。彼らを魅了してやまない日本の住宅デザイン。日本通の彼らの複眼的な視点でとらえた日本の住宅建築の評価という点に本展の大きな特徴があります。
日本列島の地理および自然条件をはじめ、経済、産業、技術、社会、文化におけるわが国固有の状況のなかから、我が国の住宅建築は世界的に類を見ない発展をとげてきたといえましょう。4人は、現在活躍中の若手および実力派の建築家たちによる住宅作品を中心に、約70件の秀作を独自の基準に基づいて選び出しました。
その結果、著名作品を通してスタイルの変遷史を綴るものではなく、日本ならではの住まい作りの伝統や自然観を、ユニークで斬新な造形のなかに実現し、施主の理想と融合している建築家たちの作品が選ばれました。
展示は、「昨日の家」「東京の家」「今の家」の3部で構成されます。それぞれ多数の魅力的な写真と映像、図面、建築家と施主へのインタビューといった内容に加え、ヨーロッパ巡回展にはなかった模型とスケッチも加わり、その魅力をあますことなく紹介していきます。彼らに見出された、「日本らしさ」「日本の家の本質」「伝統」の精神は、われわれ日本人にあらためて多くのことを気づかせてくれることでしょう。さらに、ゲストアーティストに坂口恭平を迎えます。都市における生活と思考のあり方を模索し、「貯水タンクに棲む」プロジェクトや「0円ハウス」といったラディカルな作品を発表し続けている作家です。本展ではドローイングを展示し、公開制作を行います。
都市の魅力を考えていくことが可及的課題となっている現在、本展は多くの示唆を与えてくれる展覧会となることでしょう。
名称: | 「日本、家の列島展 -フランス人建築家が驚く日本の住宅デザイン-」 |
会場: | パナソニック 汐留ミュージアム 東京都港区東新橋1-5-1パナソニック東京汐留ビル4F JR 「新橋」駅より徒歩約8分、東京メトロ銀座線・都営浅草線・ゆりかもめ「新橋」駅より徒歩約6分、 都営大江戸線「汐留」駅より徒歩約5分 |
会期: | 2017年4月8日(土)〜6月25日(日) |
主催: | パナソニック 汐留ミュージアム、朝日新聞 |
後援: | 在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、国際交流基金、在日フランス商工会議所、一般社団法人日本建築学会、公益社団法人日本建築家協会、港区教育委員会 |
企画協力: | ヴェロニック・ウルス(建築家)、ジェレミ・ステラ(写真家)、マニュエル・タルディッツ(建築家、みかんぐみ共同代表)、ファビアン・モデュイ(建築家) |
休館日: | 水曜日(ただし5月3日は開館) |
開館時間: | 午前10時より午後6時まで(ご入館は午後5時30分まで) |
入館料: | 一般:800円 65歳以上:700円 大学生:600円 中・高校生:200円 小学生以下:無料 20名以上の団体:各100円割引 障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料で入館可能 |
担当学芸員: | 大村 理恵子 |
1.世界的レベルの日本の現代住宅を紹介する建築展
本展で紹介する、日本ならではの住まい作りの伝統や自然観をユニークで斬新な造形のなかに実現し、施主の理想と融合している建築家たちの住宅は、世界的に見てもトップレベルの作品です。世界と肩を並べて活躍している建築家、またその予備軍といえる巨匠候補の建築家たちと出会える展覧会です。
2.日本大好きフランス人写真家と建築家たちによるキュレーション
近年、住宅建築を紹介する展覧会に注目が集まっています。そのなかでも本展は日本通のフランス人による複眼的でマルチカルチュラルな視点によるキュレーションが、他展と一線を画する特徴です。フランス人が、日本の住宅建築の楽しみ方を提案してくれます。
1.会場デザインはみかんぐみ
本展の企画チームの一人マニュエル・タルディッツが共同代表をつとめる、みかんぐみが会場設計を手がけます。みかんぐみは住宅から、公共建築、万博パビリオンなど建築設計を中心に、家具やプロダクト、アートプロジェクトまで幅広くデザイン活動を行う設計事務所。展覧会場のなかには小さな家を2軒建てていただきます。
2.家にちなんだ日限定、もれなくプレゼント!
みかんぐみによる本展限定の特製おうちのペーパークラフトを、家にちなんだ、4月11日(よいいえ)(火)、4月16日(よいルーム)(日)、4月18日(よいハウス)(火)、5月8日(ごはん)(月)、5月26日(おふろ)(金)
にご来館くださった皆様に差し上げます。子供も大人も楽しめます。
(お一人様一枚)
■ゲストアーティストに坂口恭平を迎えます
映像、執筆、パフォーマンス、設計、ドローイングといった多彩な表現手法で既成概念を超える作品を発表し、近年注目を集めている坂口恭平をゲストアーティストに 迎えます。2001年に早稲田大学建築学科を卒業した 坂口恭平は、地価の高い都会では家を持てるひとと 持てないひとの不公平があることに疑問を感じ、路上生活者の家にヒントを得て、ローンも家賃もゼロで可動式、資金最小限の「モバイルハウス」を制作しました。また 都市のイメージを自身の頭のなかに3次元的に構築し、それを元に緻密に描いた作品などドローイングの作品は高く評価されています。2013年吉阪隆正賞受賞。 本展では全長5メートルのドローイングを展示し、さらに 4月16日には公開制作を行います。
坂口恭平《Dig-Ital City Prototype》2008年(参考図版)
協力:セゾンアートワークス
日本における近代建築の歴史は、我が国に西欧の影響が入り始めた幕末から明治時代にさかのぼります。それ以来、両者は互いから様々な要素をとりいれ成長してきました。その流れを見据えつつ「昨日の家」に選ばれたのは、第二次世界大戦直前の1933年に竣工したアントニン・レーモンドによる軽井沢の別荘から、1984年の伊東豊雄の自邸「シルバーハット」まで、日本の近代の建築理論が住宅のなかに凝縮された代表的な作品群となっています。14点という限られた数では歴史的重要作品を完全網羅しているとは言いがたいものの、造形と設計意図のいずれについても、後進の建築家たちに常に参照されてきた珠玉の作品選といえましょう。
安藤忠雄/住吉の長屋/1976年 撮影:安藤忠雄
東京の街を渉猟し新鮮なカメラアイでとらえた「東京の家」と題するシリーズを発表しているジェレミ・ステラ。現在54点まで制作されている「東京の家」シリーズから本章では、36点を厳選し展示する、いわば小さな写真展といったコーナーとなります。
「東京の家」というプロジェクトではドキュメンタリー写真の手法を用い、これらの住宅の外観と周囲の環境を示すことで、これらの建築にアプローチを試みた。
つまり、ふたつを分断させた世界、ストリートフォトとしての人間性と建築写真の完成度を両立させることを目指したかった。〜中略〜このプロジェクトで撮影された家々は日本でも著名な建築家によって設計されたもので、広大な東京という都市の中にあたかも宝石のように点在している。東京はまさに野外劇場、住人たちは役者としてまたオーディエンスとして、この世界のユニークなセットとして機能している。
(ジェレミ・ステラ)
なお、本展第3章で紹介する写真の多くもステラによるものです。
梅林があった土地に建てられたこの家は、厚さ16ミリの薄い鉄板の単一素材でできた白い箱となっている。
内部は機能別に18の小さな部屋が仕切られずに連なっている。
ジェレミ・ステラ《妹島和世/梅林の家》2010年9月2日
2003年竣工
これら建築家の設計した20の家が驚べきものであるのは、どの家も住みやすく依頼した施主たちの要望に応えるものであるからだ。
(マニュエル・タルディッツ、本展カタログより)
本展の中心となる「今の家」では、若手および実力派の手がけた住宅20選とそこに住む人々の生活に注目します。展示では写真、映像、ドローイング、スケッチ、インタビュー、模型を紹介し、それぞれの作品の魅力を詳しく紹介します。企画協力者による評価のワンポイント解説(下記赤い吹き出し)が建築の見どころを分かりやすくおしえてくれます。またここではLED光源にスマートフォン・タブレットをかざすだけで情報を素早く受信できる、パナソニックの最新のデジタルソリューション「光IDリンクレイ」を導入し、解説パネルをさらに楽しんでいただきます。
坂茂/羽根木公園の家―景色の道/2011年
撮影:ジェレミ・ステラ
鉄道ファンの大学教授の夫妻のために建てられた「鉄の家」。外壁に鉄の波板を用いた柱も梁もない、鉄道貨車のような住宅。内部は茶室も備えた和風の空間となっている。 |
室内から海を眺める大きな窓があり、道路側からの海への眺望も損なわないように道路側にも同じ大きさの窓を設けている。結果的にまるで窓だけでできたような「窓の家」となっている。 |
会場ではパナソニックの最新のデジタルソリューションであるLinkRay(光IDソリューション)がご利用いただけます。来館者がご自身のスマートフォンで展示してある解説パネルを、さらに楽しめる最新技術です。
※スマートフォン、タブレットによってはリンクレイに対応していない機種もあります。
☆ルオーによる、重厚な油彩の塗りで輝く色彩世界を表した名作《秋の夜景》(1952)や、日本初公開となる、ルオーの油彩画をタピスリーに移した《聖顔》(1937)などを展示します。
「日本、家の列島」ヨーロッパ巡回展を実現した4人のフランス人を魅了してやまない日本の住宅建築とは?日本を代表する建築家と建築史家を迎えて語り合う。(通訳付き)
・出演 : 伊東豊雄(建築家)
・モデレーター : 五十嵐太郎(東北大学教授)
・本展企画協力メンバー : ヴェロニック・ウルス、ジェレミ・ステラ
マニュエル・タルディッツ、ファビアン・モデュイ
・日時 : 2017年4月8日(土)午後1時30分〜午後3時(開場は午後1時)
・会場 : パナソニック東京汐留ビル5階ホール
・定員 : 150名(要予約)
・聴講費: 無料(ただし本展の鑑覧券が必要です)※未就学児はご遠慮ください。
お申し込み方法 : 講演会はハローダイヤル03-5777-8600へお電話にてお申し込みください。
2017年1月16日(月)より受付開始(受付時間:午前8時から午後10時)
必要事項:@イベント名A参加人数(一度にお申し込みいただける人数は2名まで)
B氏名 C住所D電話番号
※簡単なアンケートにご協力いただきます。
※受付は先着順、定員になり次第締め切らせていただきます。
※定員に達しなかった場合、当日受付をする場合があります。
※未就学児はご遠慮ください。
※お申し込み時にいただいた個人情報は、本イベントの受講管理の目的でのみ使用致します。
なお、お預かりした個人情報は、上述の目的での使用に同意いただいたものとさせていただきます。
いま話題の建築家たちにご自身の作品を語っていただきます。さらに会場内の小さなおうちのなかで、住宅デザインについて気軽にご質問いただける絶好のチャンスを設けます。
各午後3時〜午後4時 展覧会場内、予約不要、参加無料(本展の観覧券が必要です)
※会場が混雑した場合、入場制限をすることもあります。
[4月]
14(金) 堀部安嗣(堀部安嗣建築設計事務所)
15(土) 柳澤潤(コンテンポラリーズ)+マニュエル・タルディッツ(みかんぐみ)
21(金) 河内一泰(河内建築設計事務所)
22(土) 手塚由比(手塚建築研究所)
24(月) 中山英之(中山英之建築設計事務所)
28(金) 前田圭介(UID一級建築士事務所)
29(土) 吉村靖孝(吉村靖孝建築設計事務所)
[5月]
1 (月) 川本敦史+川本まゆみ(エムエースタイル建築計画)
12(金) 五十嵐淳(五十嵐淳建築設計事務所)
19(金) 山下保博(アトリエ・天工人)
20(土) 菅原大輔(SUGAWARADAISUKE)
27(土) 塚本由晴+貝島桃代(アトリエ・ワン)
[6月]
2 (金) 西田司+萬玉直子(オンデザインパートナーズ)
3 (土) 長谷川豪(長谷川豪建築設計事務所)
10(土) 谷尻誠+吉田愛(SUPPOSE DESIGN OFFICE)
17(土) 西沢大良(西沢大良建築設計事務所)
ゲストアーティストの坂口恭平が、みなさまの目の前で「日本、家の列島」に着想を得た壁画を描きます。
4月16日(日)午前11時〜午後4時 展覧会場内
予約不要、参加無料(本展の観覧券が必要です)
4月23日(日)、5月26日(金)
各午後2時〜
展覧会場内、予約不要、
参加無料(本展の観覧券が必要です)
展示室: | 面積:450u 天井高さ:3.7m |
ルオーギャラリー: | フランスの画家ジョルジュ・ルオーの作品を常設展示。 ルオーは独特の太い描線、厚く塗り込められた絵の具、ステンドグラスを想わせる光り輝く色彩で、 道化師や裁判官、聖書風景などを描き続けました。 当館の所蔵作品よりテーマ展示を行います。(ジョルジュ・ルオー所蔵作品数:約230点) |
ミュージアムショップ: | パナソニック 汐留ミュージアムオリジナルグッズをはじめ、各展覧会に合わせた関連書籍、グッズなどを販売。 ショップのみのご利用も可能です。 |
報道関係者様:パナソニック 汐留ミュージアム 倉澤 電話:03-6218-0078
お客様:ハローダイヤル 03-5777-8600
関連サイト: http://panasonic.co.jp/ew/museum/