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パナソニック株式会社の企業美術館、パナソニック 汐留ミュージアムは「ミケランジェロ展 ルネサンス建築の至宝」を2016年6月25日(土)から8月28日(日)まで開催します。
イタリア・ルネサンスの巨匠ミケランジェロ・ブオナローティ(1475‐1564年)は、彫刻、絵画、建築という視覚芸術の3つの領域において、他の追随をゆるさぬ卓越した人体表現と深い精神性を示しました。人々は彼を「神のごときミケランジェロ」と称えました。
《ダヴィデ》(1504‐1504年、アカデミア美術館蔵)や《ピエタ》(1498‐1500年、サン・ピエトロ大聖堂蔵)に代表されるような、石の塊のなかから彫り出された完璧なまでの造形、そしてヴァチカン宮殿のシスティーナ礼拝堂に描いた史上最大の天井画(1508‐1512年)はまさに超人技といえましょう。
才能がゆえに権力に翻弄され、その波乱に満ちた長い芸術的人生の活躍の舞台となったのは、フィレンツェとローマでした。そこには、彼が手がけた建築が今も都市の景観を形作っています。
ミケランジェロの才能を育んだフィレンツェでは、サン・ロレンツォ聖堂新聖具室や、サン・ロレンツォ聖堂附属ラウレンツィアーナ図書館、そして1534年以降に移り住んだローマでは、カンピドーリオ広場やサン・ピエトロ大聖堂の設計のような都市の規模へと作品を拡大していきました。それらの建築作品には、同時代の人々を驚嘆させた、新しい装飾の表現形式や、彫刻と建築とが一体となった独特な空間の取り扱いが不滅の輝きを放っています。
本展は、ミケランジェロの子孫が受け継いだ邸宅と関係資料を公開するフィレンツェのカーサ・ブオナローティが所蔵する作品を中心に、ミケランジェロ本人による真筆の素描および書簡35点を含めた作品およそ70点を展観いたします。加えて建築模型や写真、映像も用いながらミケランジェロの建築に光をあてます。そして、特別コーナーでは20世紀日本を代表する建築家たちが、この巨匠に寄せた畏敬の念を、自らの作品のなかでどのように展開したか御覧いただきます。
名称: | 「ミケランジェロ展 - ルネサンス建築の至宝 -」 |
会場: | パナソニック 汐留ミュージアム 東京都港区東新橋1-5-1パナソニック東京汐留ビル4F JR 「新橋」駅より徒歩約8分、東京メトロ銀座線・都営浅草線 ・ゆりかもめ「新橋」駅より徒歩約6分、都営大江戸線「汐留」駅より徒歩約5分 |
会期: | 2016年6月25日(土)〜8月28日(日) |
協力: | アリタリア―イタリア航空、日本通運、モンテーノビ |
主催: | パナソニック 汐留ミュージアム、日本テレビ放送網株式会社 |
後援: | イタリア大使館、イタリア文化会館、一般社団法人日本建築学会、 公益社団法人日本建築家協会、港区教育委員会 |
休館日: | 毎週水曜日、夏期休館(8月12日〜 8月18日) |
開館時間: | 午前10時より午後6時まで (ご入館は午後5時30分まで) |
入館料: | 一般:1,000円 65歳以上:900円 大学生:700円 中・高校生:500円 小学生以下:無料 20名以上の団体:各100円割引 障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料で入館可能 |
担当学芸員: | 大村 理恵子 |
1.システィーナ礼拝堂の下絵を始め、ミケランジェロの真筆の素描35点が出品。
自らの家柄に誇りを持っていたミケランジェロの邸宅は子孫に受け継がれ、現在はゆかりの資料を公開する美術館となっています。
そのカーサ・ブオナローティが所蔵する真筆の素描が多数展示されます。
2.建築家としてのミケランジェロの全貌を紹介!
ミケランジェロの建築的偉業を本格的に紹介する展覧会は日本で初めてです。
3.ルネサンス期イタリアの建築が分かる
フィリッポ・ブルネレスキに始まり、ドナート・ブラマンテ、ラファエロ、アントニオ・ダ・サンガッロ・イル・
ジョーヴァネといったミケランジェロの作品とかかわりのあったルネサンス期イタリアの建築家たちを通して、ルネサンス期の建築が分かります。
1.会場デザインはミケランジェロが参照した古代ローマのイメージで。
ギリシャとローマの古代文明の復興を意味するルネサンス。建築家としてのミケランジェロに多大な影響を与え続けた古代ローマの遺跡をモチーフとしてデザインされた会場でご鑑賞を楽しんでいただきます。
設計:吉野弘建築設計事務所
2.ミケランジェロの建築作品を多様な資料で紹介
ミケランジェロによる素描の他、本展のために新たに制作されたサン・ロレンツォ聖堂附属ラウレンツィアーナ図書館の模型(1:100、1:20)や映像などを通して分かりやすくミケランジェロの建築を見ていきます。イタリアにおける調査の成果をまとめたコンピューター・グラフィックス映像も出品されます。
3.東京会場だけ特別に!日本におけるミケランジェロ受容の紹介
日本巡回展のうち当館の東京会場のみ、大正時代以降、近代日本において、どのようにミケランジェロが受容されてきたかをご紹介する特別展示コーナーを設けます。
丹下健三、磯崎新らの資料を展示します。
ミケランジェロ・ブオナローティ
ラウレンツィアーナ図書館 玄関室の階段
フィレンツェ 1524-1534年
彫刻、絵画、建築、また詩作においても類まれな才能を発揮した「万能の天才」としてミケランジェロを称揚する肖像画は後世、様々なヴァージョンで描かれてきました。
この章で紹介する肖像画のひとつは、彫刻家レオーネ・レオーニがミケランジェロへの贈り物として制作した、ミケランジェロの横顔を彫りこんだメダルの試作品です。
もう一点は豪華なバロック様式の額縁に額装された肖像画で、こちらは後世の画家たちがしばしば手本としたフィレンツェの画家ヤコピーノ・デル・コンテが1535年頃ローマで描いた有名なミケランジェロの肖像画に基づくものです。
このほか、ルネサンス期の芸術家の伝記として最もよく知られているジョルジョ・ヴァザーリによる『美術家列伝』(1568年の増補改訂版、『著名画家・彫刻家・建築家列伝』)も展示し、ミケランジェロの功績がどのように継承されてきたかを御覧いただきます。
マルチェッロ・ヴェヌスティに帰属
《ミケランジェロの肖像》 1535年以降
カーサ・ブオナローティ蔵
世界最大の教会堂建築であり、今日、カトリック教会の総本山として知られるヴァチカン市国のサン・ピエトロ大聖堂は、教皇の権力下で芸術家としての人生を送り、信仰心の篤いミケランジェロを語る上で最も重要な創作の舞台でした。
教皇ユリウス2世の依頼により、1508年から4年の歳月をかけて天井に描いた13×40メートルという世界最大規模のフレスコ画と、ローマに移住後の1536年から1541年にかけて描いた祭壇画《最後の審判》のあるシスティーナ礼拝堂は、この大聖堂に隣接しています。システィーナ礼拝堂では、顔面に絵具をしたたらせながら、のけぞるように立ったまま描くという至難の業の天井への描画を、旧約聖書から「創世記」の9つの場面と12人の預言者と巫女を建築的な枠組みのなかに、見事にひとつにまとめあげました。本章では、天井画に描かれている旧約聖書の場面や預言者と巫女の姿の準備素描を中心に展示いたします。
また、ジョルジョ・ギージが《最後の審判》をうつした銅板画シリーズを展示し、賞賛と非難を巻き起こしつつも後世の芸術家たちに与えた多大な影響力をうかがいます。
晩年のミケランジェロは、建築家としてサン・ピエトロ大聖堂の設計に挑みました。
ミケランジェロ・ブオナローティ
《システィーナ礼拝堂天井画〈クマエの巫女〉のための頭部習作》
1508-1510年 トリノ王立図書館蔵 ©Torino, Biblioteca Reale
天井と側壁の間に配置されている《クマエの巫女》の頭部の下絵である。クマエの巫女は、神託を伝える巫女のひとりで託宣を持つ姿で描かれた。
本画では、この下絵に見られるとおりの年老いた老婆の顔と、ミケランジェロ特有の筋肉質の両性的な体格で描かれている。
1504年に完成した《ダヴィデ》によって、彫刻家としての威名をとどろかせたミケランジェロは、その翌年同郷の建築家であるジュリアーノ・ダ・サンガッロの紹介により、教皇ユリウス2世から新しいサン・ピエトロ大聖堂内に自分の墓廟を制作するように依頼されます。
当初の計画は変更を余儀なくされますが複数の彫刻で飾られる背景としての墓廟が空間を内包する建築的な発想へと展開し、ミケランジェロはその後、建築家としても類まれなる力量の持ち主であることを実証していきます。
フィレンツェでは「サン・ロレンツォ聖堂ファサード計画」(1515‐1520年)、「メディチ邸外壁第一層の窓」(1517年頃)、ミケランジェロによるかの有名な彫刻《夜》《昼》《黄昏》《曙》の擬人像で知られるメディチ公の墓碑のある「サン・ロレンツォ聖堂新聖具室」(1520‐1534年)、「ラウレンツィアーナ図書館」(1524‐1559年)といった作品を紹介します。
ラウレンツィアーナ図書館については、本展のために閲覧室と玄関室の模型をあらたに制作し、その独創的な空間構成の魅力も御覧いただきます。
ローマでは政治の主要拠点としての「カンピドーリオの丘の広場と建築」(1538‐1564年)と対照的に宗教的拠点である「サン・ピエトロ大聖堂ドーム」(1546‐1564年)を中心に、1564年に亡くなるまで最晩年の仕事である「サンタ・マリア・マッジョーレ聖堂スフォルツァ礼拝堂」(計画段階のみ。1560頃‐1564年)や「ピア門」(1561‐1564年)など12件の建築作品の紹介を中心に、建築作品の素描や関連資料を展示します。
ミケランジェロ・ブオナローティ
サン・ピエトロ大聖堂ドーム
ヴァチカン市国 1546-1564年
古代を超越したといわれるミケランジェロ。当時、建築の分野における古代の権威とは、古代遺跡やウィトルウィルスの『建築十書』であった。
どのようにすれば古代を凌駕したといえるのか、建築のオーダーに着目しながら検討してみたい。
出演 : 飛ヶ谷潤一郎(ひがや じゅんいちろう:東北大学大学院工学研究科准教授)
日時 : 2016年7月2日(土)午後1時30分〜午後3時(開場午後1時)
会場 : パナソニック東京汐留ビル5階ホール
定員 : 要予約(定員150名)聴講は無料ですが、本展の観覧券が必要です。
レオナルドにせよラファエロにせよ、彫刻、絵画、建築も手がけるルネサンス期イタリアに特有の「万能の天才」であった。ミケランジェロはその時代の最後の天才といえよう。西洋美術史の大家が、その創造的な成果をあらためて見直す。
出演 : 高階秀爾 (たかしな しゅうじ:大原美術館館長、公益財団法人西洋美術振興財団理事長、東京大学名誉教授)
日時 : 2016年7月16日(土)午後1時30分〜午後3時(開場午後12時30分)
会場 : パナソニック東京汐留ビル5階ホール
定員 : 要予約(定員250名)聴講は無料ですが、本展の観覧券が必要です。
・お申し込み方法 : 講演会はハローダイヤル03-5777-8600へお電話にてお申し込みください。
・受付開始日 : 2016年4月18日(月)より
・受付時間 : 午前8時から午後10時
※簡単なアンケートにご協力いただきます。
※受付は先着順、定員になり次第締め切らせていただきます。
※定員に達しなかった場合、当日受付をする場合があります。
※未就学児はご遠慮ください。
※お申し込み時にいただいた個人情報は、本イベントの受講管理の目的でのみ使用致します。
なお、お預かりした個人情報は、上述の目的での使用に同意いただいたものとさせていただきます。
展示室: | 面積:450u 天井高さ:3.7m |
ルオーギャラリー: | フランスの画家ジョルジュ・ルオーの作品を常設展示。 ルオーは独特の太い描線、厚く塗り込められた絵の具、ステンドグラスを想わせる光り輝く色彩で、 道化師や裁判官、聖書風景などを描き続けました。 当館の所蔵作品よりテーマ展示を行います。(ジョルジュ・ルオー所蔵作品数:約230点) |
ミュージアムショップ: | パナソニック 汐留ミュージアムオリジナルグッズをはじめ、各展覧会に合わせた関連書籍、グッズなどを販売。 ショップのみのご利用も可能です。 |
報道関係者様:パナソニック 汐留ミュージアム 倉澤 電話:03-6218-0078
お客様:ハローダイヤル 03-5777-8600
関連サイト: http://panasonic.co.jp/ew/museum/