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2015年7月10日

パナソニック 汐留ミュージアム
「ゴーギャンとポン=タヴァンの画家たち」展
2015年10月29日(木)〜12月20日(日)

パナソニック株式会社の企業美術館、パナソニック 汐留ミュージアムは「ゴーギャンとポン=タヴァンの画家たち」展10月29日(木)から12月20日(日)まで開催します。

開催趣旨

 フランスの北西に位置するブルターニュ半島の小さな村、ポン=タヴァンはゴーギャンが訪れるよりも前から芸術家たちをひきつけ、創作活動を支えた魅力的な土地でした。
 1886年、パリを離れたゴーギャンは初めてこの小村に滞在し、壮大な自然と明るい光、そして現地の人々に連綿と受け継がれる古い伝統文化に魅せられ、以降、何度も作品制作のために赴きます。この地でゴーギャンは エミール・ベルナールらと、「印象派」を超える新しい絵画を追求し「総合主義」※という現実と人間の想像力を一つの画面のなかに構成するスタイルを見出します。
さらに若き画家ポール・セリュジエへのゴーギャンの指導はモーリス・ドニを 中心とした「ナビ派」の結成につながりました。
 ポン=タヴァンで繰り広げられた芸術の冒険は、20世紀美術の先駆けとして新たな時代を切り開いたと言って 過言ではないでしょう。「印象派」から「総合主義」、「ナビ派」、そして「象徴主義」といった大きな転換の流れに 立ち会うと共に、ゴーギャンと、ポン=タヴァンで活動した画家たちの個性や才能の輝きに出会うことが本展 のみどころです。
 本展には、ブルターニュ地方のカンペール美術館とブレスト美術館、そしてデンマークのニイ・カールスベルグ・ グリプトテク美術館などから出品されるゴーギャンとポン=タヴァンの画家たちの作品73点が展示されます。
ゴーギャンにとっての最初の神秘の楽園であるブルターニュ地方を絵画でめぐる旅としても楽しむことが 出来る本展を是非、皆様にご紹介ください。

※総合主義・・・1888年、ゴーギャンと彼の周囲に集った画家によって生み出された絵画様式。現実の世界と想像の世界を明快な造形表現を用いて一つの絵画画面内に描き込む。
目に見えない世界を視覚化するという絵画の近代化の現れのひとつ。

 

企画展概要

名称: 「ゴーギャンとポン=タヴァンの画家たち」展
会場: パナソニック 汐留ミュージアム
東京都港区東新橋1-5-1パナソニック東京汐留ビル4F
JR 「新橋」駅より徒歩約8分、東京メトロ銀座線・都営浅草線
・ゆりかもめ「新橋」駅より徒歩約6分、都営大江戸線「汐留」駅より徒歩約5分
会期: 2015年10月29日(木) 〜 12月20日(日)
主催: パナソニック 汐留ミュージアム、日本テレビ放送網、読売新聞社
後援: 在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、港区教育委員会
企画協力: ホワイトインターナショナル
休館日: 毎週水曜日、11月4日(水)、11日(水)
開館時間: 午前10時より午後6時まで(ご入館は午後5時30分まで)
入館料: 一般:1,000円 65歳以上:900円 大学生:700円 中・高校生:500円 小学生以下:無料
20名以上の団体:各100円割引
障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料で入館可能。
担当学芸員: 宮内真理子

 

展示のみどころ  ※出品作品は予告なしに変更になる場合があります。

第1章:1886年 ゴーギャンの最初の滞在

1886年夏、ゴーギャンは芸術家の集まる場所として有名なポン=タヴァンを訪れます。
経済的に困窮していたゴーギャンは、新しい主題と変化に富む風景、そして格安の滞在費と条件が整ったこの土地を大いに気に入り、幸福で充実した制作の時間をすごしました。彼は7月中旬から10月中旬までポン=タヴァンに滞在して、多数のデッサンと18点の油彩画を残しました。またこの時期、ゴーギャンの仲間であるシュフネッケルや、若き画家のエミール・ベルナールもこの地を訪問して います。秋にパリに戻ったゴーギャンは、陶芸家エルネスト・シャプレのアトリエでポン=タヴァンのモチーフを取り上げた壷など陶器作品を制作しています。

 

【出品作品】
・エミール・ベルナール[ 棺を覆う布]葬式の準備光景の習作 1885年
 カンペール美術館、Musée des beaux-arts de Quimper, France
・ポール・ゴーギャン[ 巡礼の瓶] 1887年
 カンペール美術館(個人寄託)
 Dépôt d’une collection privéeMusée des beaux-arts de Quimper, France
・クロード=エミール・シュフネッケル[ ブルターニュの岩石の海岸] 1886年
 カンペール美術館、Musée des beaux-arts de Quimper, France

                                  ほか

エミール・ベルナール
[棺を覆う布]葬式の準備光景の習作
1885年 カンペール美術館 Musee des beaux-arts de Quimper, France

第2章:総合主義の創出

1888年1月、ゴーギャンは再び元手のない状態でポン=タヴァンに滞在します。
その夏、エミール・ベルナールがゴッホの推薦状を携えてゴーギャンを訪問します。ゴーギャンは20歳若年のベルナールを心から歓迎して、若き画家の情熱や絵画の理論化の能力、そしてクロワゾニスム※に大いに関心を示しました。この2人の絵画における交流はやがて、二つの空間や二つの概念の両義性を解決する手法として、客観的現実と想像力の投影との間の釣り合いを、同じひとつの画面に構成するという方法である「総合主義」を生みだします。そしてポン=タヴァンの名前は近代美術史の中に書き込まれることとなるのです。

※クロワゾニスム…黒い輪郭線で区切られた中に奥行き感のない色面で構成する様式のこと。

 

【出品作品】
・クロード=エミール・シュフネッケル[ ブルターニュの岩石の海岸]
1886年 カンペール美術館 Musée des beaux-arts de Quimper, France
・ポール・ゴーギャン[ 玉ねぎと日本の版画のある静物]
1889年 ニイ・カールスベルグ・グリプトテク美術館、コペンハーゲン
Ny Carlsberg Glyptotek, Copenhagen
・ポール・セリュジエ[呪文或いは物語 聖なる森]
1891年 カンペール美術館
Musée des beaux-arts de Quimper, France
・エミール・ベルナール[会話(ステンド・グラスのエスキス、サン=ブリアック)]
1887年 ブレスト美術館 Musée des beaux-arts de Brest, France
・アンリ・モレ[ポン=タヴァンの風景]
1888−89年 カンペール美術館
Musée des beaux-arts de Quimper, France

                                  ほか

ポール・ゴーギャン
[2人のブルターニュ女性のいる風景]
1888年 ニイ・カールスベルグ・グリプトテク美術館、コペンハーゲン
Ny Carlsberg Glyptotek,Copenhagen

ポール・ゴーギャン
[2人の子供]
1889(?)年 ニイ・カールスベルグ・グリプトテク美術館、コペンハーゲン
Ny Carlsberg Glyptotek,Copenhagen

第3章:ル・プールデュでの滞在とグループの拡大

1889年春、ゴーギャンらはパリ万博に合わせてカフェ・ヴォルピニにて「印象主義および総合主義グループの絵画」展を開催しました。ポン=タヴァンで制作した作品を展示することで、ブルターニュの魅力を伝えます。その後6月にポン=タヴァンに戻るものの、アカデミズム絵画の画家たちも大勢滞在している当地に我慢ができず、仲間たちと近隣の小村ル・プールデュに移動します。彼らはマリ・アンリの宿に落ち着き、宿の食堂を協働して装飾するなど互いに刺激し合う素晴らしい交流を持ちます。ゴーギャンにとっても実り豊かな時代であり、またタヒチに向かう夢を膨らませた時期でもあったのです。

 

【出品作品】
・ルイ・ロワ[ カンペール焼きの花瓶の静物]
 1890年 ブレスト美術館 Musée des beaux-arts de Brest, France
・ジョルジュ・ラコンブ[ 森の中の3人のビグダン地方の女性]
 1894年 カンペール美術館 Musée des beaux-arts de Quimper, France
・アンリ・ドラヴァレー[アプレモンの家、オワーズ]
 1892年 ブレスト美術館 Musée des beaux-arts de Brest, France
・アルマン・セガン[横たわるブルターニュの女性或いはプリマヴェラ]
 1895年 カンペール美術館
 Musée des beaux-arts de Quimper, France

                                  ほか

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ルイ・ロワ
[カンペール焼きの花瓶の静物
1890年 ブレスト美術館
Musée des beaux-arts de Brest, France

第4章:ブルターニュでの最後の滞在、そして最後の仲間たち

1893年夏、タヒチから戻ったゴーギャンは、新しい作品の販売を促すためにパリに滞在しました。その後1894年4月にル・プールデュに赴き、次いでポン=タヴァに滞在します。結果的にこの滞在では、ゴーギャンは脚の怪我の為に作品の制作は限られたものとなりました。そして滞在から数ヵ月後、オセアニアに新たな追究をすべくフランスを去り、マルキーズ諸島に向かうこととなるのです。ポン=タヴァン派とは、多数の若い芸術家たちを、そのカリスマ性でまとめたゴーギャンの支配的な個性と天才の周りで結晶化したものでした。その現場となったブルターニュとポン=タヴァンは、間違いなく20世紀美術を宣言する最初の大きな運動を可能にしたといえるでしょう。

 

【出品作品】
・モーリス・ドニ[ 小舟のブルターニュの女性]
 1891-92年 カンペール美術館 Musée des beaux-arts de Quimper, France         
・フェルディナン・ロワイアン・デュ・ピュイゴドー[藁ぶき家のある風景]
 1921年 カンペール美術館 Musée des beaux-arts de Quimper, France
・マクシミリアン・リュス[ 岩石の海岸]
 1893年 カンペール美術館 Musée des beaux-arts de Quimper, France
・モーリス・ドニ[マロンと紫陽花]
 1920年 ブレスト美術館
 Musée des beaux-arts de Brest,France
・ポール・ゴーギャン[ タヒチの風景]
 1893年(?) ニイ・カールスベルグ・グリプトテク美術館、コペンハーゲン
 Ny Carlsberg Glyptotek, Copenhagen

                                  ほか

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モーリス・ドニ
[ 小舟のブルターニュの女性]
1891−92年 カンペール美術館 Musée des beaux-arts de Quimper, France

関連イベント

【山田五郎アートトーク】

人気テレビ番組「ぶらぶら美術博物館」(BS日テレ)などでおなじみの山田五郎さんが本展の魅力について楽しくお話くださいます。

 日時:2015年11月6日(金)午後2時〜3時
 会場:パナソニック東京汐留ビル 5階ホール
 定員:300名
 聴講費:無料(ただし本展の鑑賞券が必要です)

【福田里香トークイベント ブルターニュのお菓子】

お菓子研究家の福田里香さんに、ブルターニュ地方のお菓子についてお話いただきます。福田さんのお菓子レシピや、ラッピングのご紹介も。(お菓子の試食はありません)

 日時:2015年11月14日(土)午後2時〜3時30分
 会場:パナソニック東京汐留ビル 5階ホール
 定員:150名
 聴講費:無料(ただし本展の鑑賞券が必要です)

 

<講演会・ワークショップへのお申し込み方法>
お申し込み方法:ハローダイヤル03-5777-8600へお電話にてお申し込みください。
受付開始日:2015年9月7日(月)より
受付時間:午前8時から午後10時

《必要事項》
@イベント名A参加人数(一度にお申し込み頂ける人数は2名まで)B氏名(要全参加希望者名)C住所D電話番号
※簡単なアンケートにご協力いただきます。
※受付は先着順、定員になり次第締め切らせていただきます。
※お申し込み時にいただいた個人情報は、本イベントの受講管理の目的でのみ使用致します。
 なお、お預かりした個人情報は、上述の目的での使用に同意いただいたものとさせていただきます。
※定員に達しなかった場合、当日受付をする場合があります。

【学芸員によるスライドトーク】

 日時:2015年11月8日(日)、11月21日(土)いずれも午後2時〜(30分程度)
 参加費:無料(入館には本展鑑賞券が必要です)
 予約不要(当日展示室前までお集まりください)


お問い合わせ

報道関係者様:パナソニック 汐留ミュージアム 倉澤 電話:03-6218-0078
お客様:パナソニック 汐留ミュージアム ハローダイヤル 03-5777-8600
関連サイト: http://panasonic.co.jp/ew/museum/

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