パナソニック・ホーム エレクトリックワークス社 > ニュース > プレスリリース2014年度 > 汐留ミュージアム「ジョルジョ・デ・キリコ −変遷と回帰−」展

2014年6月16日 パナソニック 汐留ミュージアム 「ジョルジョ・デ・キリコ −変遷と回帰−」展
2014年10月25日(土)-12月26日(金)

パナソニック株式会社の企業美術館、パナソニック 汐留ミュージアムは「ジョルジョ・デ・キリコ −変遷と回帰−」展を2014年10月25日(土)から12月26日(金)まで開催します。

開催趣旨

シュルレアリストに賞賛されながら、突如スタイルを変え、その後再び自身の原点へ。
生気あふれるデ・キリコの創作の足どりを、未亡人の旧蔵品を中心とする約100点の作品からたどる。

本展は、20世紀を代表する画家ジョルジョ・デ・キリコ(1888-1978)の初期から最晩年までの画業を、未亡人の旧蔵品を中心とする約100点の作品からたどる回顧展です。
イタリア人の両親のもとギリシャで生まれたデ・キリコは、青年期を過ごしたミュンヘンで、ベックリンなどの幻想絵画とニーチェの思想に影響を受けます。1911年にパリに出て、写実的でありながら現実離れした神秘的雰囲気の作品を発表し、画壇にその名を知らしめます。彫像や建築物の影が伸びる人気のない広場、そこに配されるマネキンや玩具。こうした謎めいた空間と事物が生み出す彼独自の作品は、「形而上絵画」と称され、目に見える日常の裏側に潜む神秘や謎を表現しようとしたその新しい芸術は、後のシュルレアリスト(※)たちに大きな影響を与えました。第一次世界大戦以後、デ・キリコは、古典主義絵画への関心から突如その様式を大きく変え、伝統的な技法と題材で制作を続けます。しかし、晩年には再び初期の形而上絵画へと回帰し、絶えることのない創作意欲で、新たな形而上的テーマに取り組むのです。
本展は、パリ市立近代美術館に寄贈された未亡人イザベッラ・デ・キリコの旧蔵品を中心に、イタリアの美術館や個人のほか、日本国内の所蔵作品から、油彩を中心に水彩、素描、彫刻など、画家の各時代の代表作約100点を紹介します。
そのおよそ8割が日本初公開となる作品群を通して、驚きと神秘に満ちたデ・キリコの作品世界の魅力に触れていただくとともに、自身の芸術世界に新しい価値を与え続けた70年もの彼の創作の足どりを是非追体験ください。

※シュルレアリスム(超現実主義)の芸術家のこと。アンドレ・ブルトン、ルネ・マグリット、サルバドール・ダリなど。

企画展概要

名称: 「ジョルジョ・デ・キリコ −変遷と回帰−」展
会場: パナソニック 汐留ミュージアム
東京都港区東新橋1-5-1パナソニック東京汐留ビル4F
JR 「新橋」駅より徒歩約8分、東京メトロ銀座線・都営浅草線
・ゆりかもめ「新橋」駅より徒歩約6分、都営大江戸線「汐留」駅より徒歩約5分
会期: 2014年10月25日(土)〜12月26日(金)
主催: パナソニック 汐留ミュージアム、朝日新聞社、テレビ朝日
後援: 在日イタリア大使館、在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、
港区教育委員会、公益財団法人日仏会館、日仏会館フランス事務所
企画協力: ホワイトインターナショナル
休館日: 毎週水曜日(但し12月3・10・17・24日は開館)
開館時間: 午前10時より午後6時まで(ご入館は午後5時30分まで)
入館料: 一般:1,000円 65歳以上:900円 大学生:700円 中・高校生:500円 小学生以下:無料
20名以上の団体:各100円割引
障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料で入館可能
担当学芸員: 萩原敦子

展示のみどころ  ※出品作品は予告なしに変更になる場合があります。

T. 序章:形而上絵画(メタフィジカ)の発見

1910年代、パリとフェッラーラの間で、説明しがたい謎の雰囲気を湛えた独自の芸術「形而上絵画」を生み出したデ・キリコ。ここでは、パリでデ・キリコの画商となったポール・ギヨームに関連する作品、そしてフェッラーラで描き始めた「形而上的室内」と呼ばれる作品を展示します。

【出品作品】
・《遠い友からの挨拶》 1916年 個人蔵(ガレリア・デッロ・スクード、ヴェローナ寄託)
・《謎めいた憂愁》    1919年 パリ市立近代美術館           ほか

《謎めいた憂愁》
1919年 パリ市立近代美術館
©Musée d'Art Moderne de la Ville de Paris /
Roger-Viollet

U. 古典主義への回帰

1919年頃より、デ・キリコは多くの美術館を訪れ、古典絵画の図像と技法を探求し、突如として古典に回帰した作品を描き始めます。ここでは、新たに登場した剣闘士、馬などを描いた作品、1920年代前半の重要な自画像を展示します。また、一連の素描作品により、この時期における画家の探求の多様性を紹介します。

【出品作品】
・《剣闘士の休息》      1968-69年 パリ市立近代美術館
・《謎めいた憂愁》       1919年 パリ市立近代美術館      ほか

V. ネオ・バロックの時代 −「最良の画家」としてのデ・キリコ

1940年代初頭より、デ・キリコは再び作品の様式と探求の対象を変えます。バロック絵画やロマン主義絵画のような古典の世界に新たな規範を見出そうとし、デ・キリコのネオ・バロック時代が幕を開けるのです。妻イザベッラをモデルとした作品やルーベンス風の馬を描いた絵画、そして観光絵葉書のような風景画など秀麗な作品を紹介します。

【出品作品】
・《赤と黄色の布をつけた座る裸婦》 パリ市立近代美術館
・《エーゲ海岸の古代の馬》 1950年代末 ガレリア・ダルテ・マッジョーレ、ボローニャ ほか

W. 再生−新形而上絵画(ネオ・メタフィジカ)

デ・キリコは、1920年代より自身の形而上絵画を繰り返し複製しましたが、1960年代後半からは、新形而上絵画の時代に入り、従来の作品の様式と主題を独自に組み合わせた作品を次々と発表します。ここでは、そうした作品に加え、デ・キリコの偏愛する主題が三次元化したブロンズ彫刻も展示します。

【出品作品】
・《吟遊詩人》       1955年   ガレリア・ダルテ・マッジョーレ、ボローニャ
・《ユピテルへの奉納》  1971年   パリ市立近代美術館
・《不安を与えるミューズたち》      パリ市立近代美術館
・《古代的な純愛の詩》 1970年頃 パリ市立近代美術館         ほか

《古代的な純愛の詩》
1970年頃 パリ市立近代美術館
©Musée d'Art Moderne de la Ville de Paris /
Roger-Viollet

X. 永劫回帰 −アポリネールとジャン・コクトーの思い出

デ・キリコの創作には絶えずパリの思い出が見てとれます。特に晩年に描かれた、神秘的な水浴場や太陽のある広場といった新しい主題は、アポリネールの詩集『カリグラム』とコクトーの『神話』のために制作した挿絵から着想を得ています。デ・キリコとパリの深い関係を明らかにするとともに、キリコの分身や自画像とも言える作品、そして時事的な問題を主題にした《黒い宝》などを紹介します。

【出品作品】
・《燃えつきた太陽のあるイタリア広場、神秘的な広場》 1971年 パリ市立近代美術館
・《神秘的な動物の頭部》 1975年 パリ市立近代美術館
・《黒い宝》          1976年 個人蔵                  ほか

《燃えつきた太陽のあるイタリア広場、神秘的な広場》
1971年 パリ市立近代美術館
©Musée d'Art Moderne de la Ville de Paris /
Roger-Viollet

関連イベント

オープニング記念講演会

・講師:ジャクリーヌ・マンク氏(本展監修者、パリ市立近代美術館 学芸部長)
・2014年10月25日(土)
・14時〜15時30分
・会場:日仏会館ホール(東京都渋谷区恵比寿3丁目9-25)
・主催:公益財団法人日仏会館、日仏会館フランス事務所、パナソニック 汐留ミュージアム
・後援:日仏美術学会
◎お問い合わせ:日仏会館フランス事務所(Tel.03-5421-7641)
◎オンライン参加申込:http://www.mfj.gr.jp/のイベントカレンダーから

山田五郎アートトーク

人気テレビ番組「ぶらぶら美術博物館」(BS日テレ)などでおなじみの山田五郎氏によるデ・キリコの魅力について繰り広げられる楽しい講演
・2014年11月14日(金)
・14時〜15時 (開場:13時30分)
・会場:パナソニック東京汐留ビル5階 ホール
・要予約(定員200人)
・参加費:無料(ただし本展の鑑賞券が必要です)

ワークショップ 「立体コラージュでつくる自分の未来!」

自分の好きなものを、切って・貼って・組み立てて、理想の世界をつくります!
・講師:小保方 昇氏(アーティスト)
・2014年11月29日(土)
・14時〜16時 (開場:13時30分)
・会場:パナソニック東京汐留ビル5階 ホール
・対象:3歳から小学生までの親子
・要予約(定員20組)
・参加費:500円
※詳細は後日、汐留ミュージアムホームページ(http://panasonic.co.jp/ew/museum/)で公開します。

「山田五郎アートトーク」「ワークショップ」お申し込み方法

ハローダイヤル 03-5777-8600 へ電話でお申し込みください。
9月1日(月)より受付開始(受付時間 8時〜22時)
《必要事項》
@イベント名 A氏名(参加希望者全員の氏名) B住所 C電話番号
※簡単なアンケートにご協力いただきます。
※受付は先着順です。定員になり次第締め切らせていただきます。
※お申し込み時にご提供いただいた個人情報は、本イベントの受講管理の目的のみで使用します。
  なお、個人情報をご提供いただいた時点で、上述の目的に限る使用に同意したものと見なさせていただきます。
※定員に達しなかった場合、当日受付をする場合があります。

当館学芸員によるスライドトーク

・2014年11月8日(土)と12月7日(日)
・14時〜 (約30分)
・参加費無料(ただし本展の鑑賞券が必要です)
・予約不要(当日展示室前にお集まりください)

ご参考

パナソニック 汐留ミュージアム概要

展示室

面積:450m² 天井高さ:3.7m

ルオーギャラリー

フランスの画家ジョルジュ・ルオーの作品を常設展示
ルオーは独特の太い描線、厚く塗り込められた絵の具、ステンドグラスを想わせる光り輝く
色彩で、道化師や裁判官、聖書風景などを描き続ける
当館の所蔵作品よりテーマ展示を開催 (ジョルジュ・ルオー所蔵作品数:約230点)

【テーマ展示「ルオーと風景」】
2014年10月25日(土)‐12月26日(金)
デ・キリコ展開催期間中、ルオーギャラリーでは、パリのジョルジュ・ルオー財団からの
特別出品作品を含んだテーマ展示を行います。

ミュージアムショップ

パナソニック 汐留ミュージアムオリジナルグッズをはじめ、各展覧会に
合わせた関連書籍、グッズなどを販売。ショップのみのご利用も可能です。

今後の展覧会予定 (展覧会・会期は予告なしに変更になる場合があります。)

会期 展覧会名称 内容
2015年1/17(土)〜3/29(日) ジュール・パスキン展(仮) 1920年代のパリで絶大な人気を誇った画家ジュール・パスキン(1885-1930)の回顧展です。真珠母色の油彩裸婦像など後年の代表作に加え、初期の素描や水彩画、版画、アメリカ滞在中の研究的な作品を含む名品を欧州各地から取り寄せ、展示します。

© SIAE, Roma & JASPAR, Tokyo, 2014 E1065

お問い合わせ

報道関係者様:パナソニック 汐留ミュージアム 倉澤 電話:03-6218-0078
お客様:パナソニック 汐留ミュージアム ハローダイヤル 03-5777-8600
関連サイト: http://panasonic.co.jp/ew/museum/

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