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パナソニック株式会社の企業美術館、パナソニック 汐留ミュージアムは「建築家ピエール・シャローとガラスの家―ポンピドゥー・センター・コレクションが魅せるアール・デコ時代の革新」を7月26日(土)から10月13日(月・祝)まで開催いたします。
本展はパリのポンピドゥー・センターの全面的な協力により、1920-1930年代のパリを舞台に家具とインテリアデザイン、建築の3つの分野で比類のない造形を生み出したピエール・シャロー(1883−1950)を紹介する展覧会です。シャローは青年時代に英国の家具会社ワーリング・ギローのパリ支店で働き始め1919年に独立します。1922年以降は、金属職人ルイ・ダルベとの協働関係により鉄を用いた手工芸的な造形を照明器具や建築作品のなかに取り入れていきました。そして1925年のパリ万国博覧会では、「フランス大使の館」をテーマとした展示に参画し、書斎部分を受け持って脚光を浴びます。それが契機となり、レファンベール夫人のゲストハウスやツール市内のグラン・ホテルの内装(共に1927年)といった主要な作品を完成させていきました。
本展の中心となる「ガラスの家」は、シャローが1927年から1931年の間に手がけたパリ左岸に現存する邸宅で、近代建築の黎明期の傑作として高く評価されています。その独特の空間は、18世紀のアパルトマンの3階部分はそのままに、既存の低層部をすっぽりとくりぬいた中につくったことによります。室内に見られる黒と鮮やかな朱色に塗装された鉄の柱は、既存の上層階を支えるためのもので、制約のある空間に光を最大限に取り入れるため、ファサードは半透明のガラスブロックで覆われています。内部には、近代的な生活のための設備と優美な家具が織り成す、濃密な空間が秘められています。
1932年以降、不景気が影を落す中、シャローは新天地を求めて1940年にアメリカに亡命します。アメリカではロバート・マザウエルのアトリエ兼住宅などの作品を残しましたが、1950年に亡くなったあと、再び評価の機運が高まったのは1990年代になってからでした。日本でもシャローは、二つの戦争に挟まれた短い期間に活動した寡作の建築家という評価に偏りがちでした。
本展はポンピドゥー・センターのパリ国立近代美術館から、照明器具、家具、模型、デザイン画など約60点に加えて写真や資料を出品いただきます。そして、アール・デコ時代の室内装飾家としても十分に評価を受けつつ、家具、インテリアデザイン、建築とそれぞれの領域で近代的な作風を展開していった稀有な才能の全貌を、日本で初めて本格的に紹介します。
名称: | 建築家ピエール・シャローとガラスの家 展 |
会場: | パナソニック 汐留ミュージアム 東京都港区東新橋1-5-1パナソニック東京汐留ビル4F JR 「新橋」駅より徒歩約8分、東京メトロ銀座線・都営浅草線・ゆりかもめ「新橋」駅より 徒歩約6分、都営大江戸線「汐留」駅より徒歩約5分 |
会期: | 2014年7月26日(土)〜2014年10月13日(月・祝) |
主催: | パナソニック 汐留ミュージアム/東京新聞/ポンピドゥー・センター、パリ国立近代美術館 |
協力: | エールフランス航空 |
後援: | 一般社団法人日本建築学会/公益社団法人日本建築家協会、 在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本/公益財団法人日仏会館、 日仏会館フランス事務所/日仏工業技術会/港区教育委員会 |
休館日: | 毎週水曜日、夏期休館8月11日(月)〜15日(金) |
開館時間: | 午前10時より午後6時まで(ご入館は午後5時30分まで) |
入館料: | 一般:800円 大学生:600円 中・高校生:200円 小学生以下:無料 65歳以上の方で年齢のわかるもの提示:700円 20名以上の団体:各100円引 障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで:無料 |
担当学芸員: | 大村理恵子 |
Exhibition organized by Panasonic Shiodome Museum, The TOKYO SHIMBUN and the CENTRE POMPIDOU, Paris
1920年代のシャローはフランス装飾芸術展やサロン・ドートンヌに家具やインテリアを数多く発表しました。そこには、フランスの装飾の豊かな伝統の継承に加えて、機能的な生活の追求、新しい素材の開拓、工業技術の採用といった新しい取り組みが見られます。第1部では1920年代のアール・デコ時代の代表作、照明器具≪テーブルランプ≫、≪修道女≫(共に1923年)や、ツール市内のグラン・ホテルのために制作したスチールパイプの椅子などの家具に加え、交流のあったジャック・リプシッツやパブロ・ピカソらの芸術家の作品、建築模型を中心に、シャローが室内装飾から近代的な建築家へと才能を開花させていく過程を追っていきます。レジョン=ドヌールを受章した1925年のアール・デコ博で発表した3つの作品もご紹介します。
ピエール・シャロー≪テーブルランプ≫1923年
ポンピドゥー・センター、パリ国立近代美術館蔵
Photo©Centre Pompidou - MNAM CCI -
Georges Meguerditchian, Dist.RMN-GP,
distributed by AMF
ピエール・シャロー≪パリ、シェルシュ=ミディ通り「ラ・ブティック」正面、設計図≫、L.P.セズィーユ著『デヴァンチュール・デ・ブティック』より、アルベール・レヴィ出版、1928年
ポンピドゥー・センター、パリ国立近代美術館蔵
Photo©Centre Pompidou - MNAM Bibliothèque
Kandinsky - Bruno Descout
ピエール・シャロー≪マレ=ステヴァンスのための
事務机≫1927年 ポンピドゥー・センター、パリ国立
近代美術館蔵
Photo©Centre Pompidou - MNAM CCI -
Droits réservés, Dist.RMN-GP, distributed by AMF
ピエール・シャロー≪透視図 サロン≫制作年不詳
ポンピドゥー・センター、パリ国立近代美術館蔵
PhotocCentre Pompidou - MNAM CCI -
Droits réservés, Dist.RMN-GP, distributed by AMF
早い時期からシャローの重要な顧客であったジャン・ダルザス医師とアニー(旧姓ベルンハイム)夫妻は、1927年頃シャローに新居の設計を依頼しました。設計にはオランダ人建築家ベルナルト・ベイフットが協力しました。1階はダルザス氏の仕事場である医院があり、金属製の荘厳な大階段をのぼると吹き抜けの応接サロンが現れます。サロンの大空間の上は家族のための個室が並んでいます。各寝室に備えられた浴室には、金属性の可動のたんすや回転する間仕切りなどシャローが考案した近代的な衛生と整理のための設備が備えられています。連続する空間、家具の可動性、透明性、機能的な生活といった特徴は、まさに近代建築が追求した新しい取り組みでした。ガラスの家は一日の終わりには魔法のランタンのように内部から発光し、夜が訪れれば外部に吊った大きな投光器が内部を照らします。
3点とも
ピエール・シャロー≪ガラスの家≫1927-1931年
PhotocCentre Pompidou - MNAM Bibliothèque
Kandinsky - Georges Meguerditchian
1932年に竣工した二つのインテリア(ドレフュス夫妻のアパルトマンとファリ家のアパルトマンの内装)で、シャローは作風の完成を見ます。しかし、この頃を境にフランスにも不景気の波が襲いかかりシャローの活動も急速に縮小していきます。そして1937年、イル・ド・フランスに舞踊家で友人のジェメル・アニクのための小さな家を完成させた後、1940年に新天地を求めてアメリカに渡ります。第3部ではイースト・ハンプトンの自宅「ワンルーム家屋」や画家のロバート・マザウエルのアトリエ兼住宅など、アメリカでの晩年の活動をご覧いただきます。
ピエール・シャロー≪ロバート・マザウエルの住居兼アトリエ≫模型 1:100
ポンピドゥー・センター、パリ国立近代美術館蔵
(参考写真)
本展の会場構成をみかんぐみ(担当:マニュエル・タルディッツ)が手がけます。
みかんぐみ略歴
加茂紀和子、曽我部昌史、竹内昌義、マニュエル・タルディッツによる建築設計事務所。
1995年NHK長野放送会館の設計を機に共同設立。
戸建住宅から、保育園、学校、商業施設や万博パビリオンなどの建築設計を中心に、家具、プロダクトやアートプロジェクトまで幅広くデザインを手がけている。主な作品は、八代の保育園、北京建外SOHO低層商業棟、2005年愛・地球博トヨタグループ館、伊那東小学校、横浜開国・開港博Y150はじまりの森、あかね台中学校等、mAAch ecute 神田万世橋など。
『建築家ピエール・シャローとガラスの家』
出版:鹿島出版会 当館ミュージアムショップのほか、全国の書店とインターネットでも8月発売予定
・翻訳監修:千代章一郎(広島大学大学院工学研究院 社会環境空間部門 建築史・意匠学研究室准教授)
・翻訳:阿部順子(椙山女学園大学生活科学部生活環境デザイン学科准教授)
本展のみどころと、ピエール・シャローの活動と生涯についてお話しいただきます。
・出演:オリヴィエ・サンカルブル氏(ポンピドゥー・センター、パリ国立近代美術館 主任学芸員、本展監修)
・2014年7月26日(土) 14:00〜15:30
・会場:日仏会館1階ホール(渋谷区恵比寿3-9-25)
・主催:公益財団日仏会館、日仏会館フランス事務所、パナソニック汐留ミュージアム
・後援:日仏美術学会
・お問い合わせ:日仏会館フランス事務所 TEL 03-5421-7641
・オンライン参加申込:www.mfj.gr.jp のイベントカレンダーから
ピエール・シャローが生きた時代の新しい空間の考え方についてお話しいただきます。
・出演:千代章一郎氏(広島大学大学院工学研究院 社会環境空間部門 建築史・意匠学研究室准教授)
・2014年8月23日(土) 13:30〜15:00 (開場13:00)
・会場:パナソニック東京汐留ビル5階ホール
・参加費:無料(本展の観覧券が必要です)
・要予約(150名)
*申込先着順で定員になり次第、締め切らせていただきます。
*定員に達しなかった場合、当日受付をする場合があります。
ハローダイヤル(03-5777-8600)でお申し込みください。6月1日(日)より受付開始 8:00〜22:00
@希望イベント名A氏名B住所C電話番号を承るほか、簡単なアンケートにご協力いただきます。
受付は先着順、定員になり次第締め切りとさせていただきます。
※お申し込みにあたってご記入頂いた個人情報は、本イベントの受講目的のみで使用します。
当館学芸員が展示内容を解説します。
・2014年8月1日(金)、9月6日(土)、9月12日(金)
・各14:00〜
・参加費無料 (入館には本展の観覧券が必要です) ※予約不要
・会場:パナソニック汐留ミュージアム
展示室 |
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面積:333m² 天井高さ:3.7m |
ルオーギャラリー |
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フランスの画家ジョルジュ・ルオーの作品を常設展示。 |
ミュージアムショップ |
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パナソニック 汐留ミュージアムオリジナルグッズをはじめ、各展覧会に |
会期 |
展覧会名称 |
内容 |
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2014年10/25(土)〜12/26(金) |
ジョルジョ・デ・キリコ 展 |
ギリシアで生まれ、パリでの活動の後にローマへ移住したジョルジョ・デ・キリコ(1888-1978)は、20世紀イタリアを代表する画家です。デ・キリコが確立した「形而上絵画」は、不可思議なオブジェで構成された謎めいた光景を特徴とし、シュルレアリスム絵画の先駆と見なされました。 本展は、パリ市立近代美術館に寄贈された未亡人イザベラ・デ・キリコの旧蔵品を中心に、ヨーロッパ各国のほか、日本国内に所蔵されている作品から、画家の各時代の代表作約110点を展示し、その全画業を紹介します。 |
報道関係者様:エコソリューションズ社 宣伝・広報グループ 汐留ミュージアムチーム 倉澤 電話:03-6218-0078(直通)
お客様:パナソニック 汐留ミュージアム ハローダイヤル 03-5777-8600
関連サイト: http://panasonic.co.jp/ew/museum/